《解 説》
一 本件は、いわゆる「袴田事件」と呼ばれる住居侵入、強盗殺人、放火事件の死刑確定者の再審請求に対する棄却決定である。
昭和四一年六月三〇日午前一時五〇分ころ静岡県清水市内の味噌製造販売会社である通称「こがね味噌」商店の専務方から火災が発生し、鎮火後の焼け跡から家人四名(専務、...
《解 説》
Xは、M市の住民であるが、同市の市議会議員が平成二年度に受けた旅費の支給が違法であるとして、市長Yに対し、合計二四三万円余の損害賠償を求め、住民訴訟を提起した。Xが違法であると主張する旅費の第一は、市議会議員二〇名がそれぞれ一五万円宛支給を受けた個人研修旅費であり、五名について...
《解 説》
一 Xは、境港において水面貯木場における水面倉庫業を営む株式会社であるが、Xの水面貯木場に保管する原木に限り、原木を積載した船舶から卸下された原木の「いかだを組んでする木材の運送及び水面貯木場への搬入(いかだ運送事業)」を自ら行うことについての免許を求めた。
これに対して、Y...
《解 説》
一 Xは、平成三年一月、件外Aに対する債権を担保するため、件外B所有の本件土地とその地上建物につき根抵当権の設定を受けてその旨の登記を経由していたが、Bは、その後の同年八月、本件土地上に他の本件建物を新築したうえ、件外Cにこれを譲渡し、平成五年六月、Cのための保存登記を経由して...
《解 説》
一 本件はNTTのダイヤルQ2サービスに関する訴訟であり、原審においては、加入電話契約者であるXからY1(NTT)及びY2(Q2サービスの情報提供者)の両名に対する情報料債務及びこれに伴う通話料債務の各不存在確認請求(Y2に対しては前者のみの不存在確認請求)及びY1が発信停止措...
《解 説》
一 Xは、書籍・雑誌の刊行・販売等を業とする出版社であるが、Y大学からの依頼により学内雑誌を制作し、Yが「湘南文學」という題号で文芸誌を刊行していた。
しかし、Xは、平成三年七月、「湘南文學」の商標について商標登録の出願し、同五年一一月、商標の登録を受けたうえ、Yが独自で「湘...
《解 説》
被相続人Aは、先妻Bと婚姻し、X1、X2、Y1をもうけたが、Bが死亡したので、昭和二〇年に後妻Y2と婚姻した。AとY2は、Y3をもうけた。X1、X2は、Y1ないしY3を相手方として、A所有の祭祀用財産承継者をX1に指定するよう求めて本件審判を申し立てた。その理由とするところは、...
《解 説》
一 被告所有の一五階建賃貸用マンションと原告所有建物(木造二階建)は接着して隣接しており、右マンションの廊下は壁や窓によって閉鎖されていない「オープン式廊下」の構造になっていた。被告は、移動式の消火器を各階の廊下に、プラスチック 製の保管台の上に壁に沿って裸のままで立て掛けてお...
《解 説》
一 X1は、昭和五五年ころ、Yに対し、東京地方裁判所に係属中の認知事件と親子関係存在確認事件の訴訟遂行を委任し、また、X1の母親X2は、Yに対し、右事件の和解事件において利害関係人として参加することを委任したところ、Yは、X1とX2との代理人となり、昭和五八年三月、右訴訟事件と...
《解 説》
一 Xは、Y(社団法人日本自動車連盟)が開催する自動車競技に参戦し、依頼者のために広告宣伝活動をする会社であり、平成五年八月に開催された「一九九三年度全日本F三〇〇〇選手権第六戦」に参加したものであるが、Yの審査委員会は、Xが出場させた自動車に対し、同自動車が八周目の周回中に追...
《解 説》
一 本件は、北陸電力が石川県羽咋郡志賀町に建設した原子力発電所(志賀原子力発電所)について、付近住民らが、人格権及び環境権に基づいて運転の差止めを求めた事案である。
原告らは、差止めを求める理由として、立地選定の誤り、原子炉の工学的な欠陥など様々な点を指摘し、本件原子力発電所...
《解 説》
本判決の認定した事実関係の概要は次のとおりである。
Y1銀行は、有限会社A(代表者B)に対して信用保証協会の保証のもとに貸付を行っていたが、Aは利息を支払うのみで、元本の返済を行っていなかった。信用保証契約は一年の期限付きであったが、Bはその期限が切れるころ、顧問税理士のXを...
《解 説》
一 本件は、国鉄労働組合(以下、国労という。)組合員であるXらが、Y(旧名称・日本国有鉄道)の被用者である新幹線総局長がXらに対し、元の職場勤務を免じ、同時に新幹線大阪保線所長が人材活用センターへ担務指定したことは、国鉄が新幹線総局長及び新幹線総局大阪保線所長をしてなさしめたも...
《解 説》
一 本件は、X(原告、被控訴人)が、同人のY(被告、控訴人)に対する連帯保証債務履行請求権につき、既に確定した給付判決を得ていたが、消滅時効中断のため再度、右確定判決と同一内容の給付を求め、さらに、予備的に、右確定判決で認容されたのと同一の債務についてその存在の確認を求めた事案...