《解 説》
Y漁業協同組合においては、平成二年八月三〇日、通常総会において漁業権の一部放棄の特別決議を行い、その直後、緊急動議により漁業補償等の交渉に当たってきた交渉委員を漁業補償金の配分委員とするとの執行部案が提出され、出席正組合員六二名中、執行部役員八名を除き、三一名の賛成多数により可...
《解 説》
一1 本件は、被告が反面調査によって把握した原告の売上金額に同業者の平均算出所得率を乗じて事業所得金額を推計してした昭和五九年ないし昭和六一年分(以下、本件係争各年分という)の各所得税更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分(以下、本件各処分という)につき、原告がその取消を求...
《解 説》
一 Xら一三名は、いずれもY(東京電力株式会社)の従業員である(但し、一名は訴訟中に死亡したため、相続人が承継した。)。本件は、Xらが、日本共産党員または同党支持者であることを理由に、Yから、仕事上及び私生活上の種々の差別ないし人権侵害を受けてきたと主張して、Yに対し、主として...
《解 説》
原告は、路上において、駐車違反をした知人が警察官から事情聴取を受けた際、右警察官に対し、「駐車違反やないやないか」等と怒鳴りながら両手でその服をつかんで後ろに押す等の暴力を加え職務の執行を妨害するとともに、右暴行により右警察官に全治見込五日間を要する顔面打撲の傷害を負わせたとし...
《解 説》
本件は、区が設置した特別養護老人ホーム(老人福祉法一五条三項、五条の三)につき、その開設に要した費用の使途に疑問があるとして提起された地方自治法二四二条の二第一項の住民訴訟である。区は、この開設準備事務をある社会福祉法人(以下「被告法人」という。)に委託し、委託料は概算払として...
《解 説》
Xは、出産時に脊髄損傷を受け、胸部から下の肢体が不自由なため、一種一級の障害者とされる女子生徒であるが、自己及び両親がY3市立中学校の普通学級への帰属を強く希望し、運動していたのにもかかわらず、市教育委員会Y1が市立中学校に特殊学級を設置し、同中学校長Y2がXを右特殊学級に所属...
《解 説》
昭和六二年二月一七日午後五時過ぎ、栃木県立宇都宮南高校のグランドで同校野球部の練習中、投球距離を通常(一八・四四メートル)の約三分の二としたハーフバッティングで投手を務めていた原告が、打者からのライナー性の当たりを頭部に受けて、頭蓋骨が陥没するという障害を受け、その場で倒れ痙攣...
《解 説》
原告は、男性同性愛者であることを標榜して参議院議員選挙等に多数回立候補して落選した経歴を有する者であるところ、平成四年七月二六日に行われた参議院議員選挙に立候補した際、スポーツ新聞に掲載された「彼は自分を『雑民』といっているが、保守系超大物政治家・Aのキンタマ(汚ない表現だな、...
《解 説》
一 本判決は、宇都宮地決平2・11・2行集四一巻一一=一二号一八一一頁、判時一三七七号五四頁の執行停止決定の本案事件である。原告は私立大学を設置する学校法人であり、宇都宮市内に建設予定であった同大学理工学部の施設整備費補助金の交付申請に際して栃木県に文書を提出していたところ、参...
《解 説》
本件は、マンションの売買について、瑕疵担保責任に基づく解除が問題になった事案であり、本誌八二八号二五二頁に掲載された東京地裁判決の控訴審判決である。
事案の詳細は、同判決及びそのコメントに詳しいが、要約すれば、被控訴人は、控訴人から新築後三年足らずの鉄骨造りの共同住宅(マンシ...
《解 説》
一 文部大臣Yは、Xら所有地を含む二四筆の土地につき、文化財保護法(以下「法」という。)六九条一項に基づき「伊丹廃寺跡」として史跡指定処分(以下「本件指定処分」という。)をした。Xらは、本件指定処分がXら所有地の所有者に対する指定通知を欠いているなどの種々の違法事由を主張して、...
《解 説》
亡Aは、胃潰瘍と診断され、Y1が経営する病院に入院し、消化器外科医であるY2の執刀のもとに胃切除術を受けたが、その直後に脳神経障害が発生して植物人間となり、約一年二か月後に死亡した。Aの家族Xら三名は、Aの障害の発生及び死亡は、右手術時の麻酔が不適切であったために発生したと主張...
《解 説》
一 本判決は、被告世界基督教統一神霊協会(Y)の信者らによる違法な献金勧誘行為により、多額の献金をさせられるなどの損害を被ったとして、原告であるX1及びX2がYに対し、民法七○九条、七一五条に基づいて損害賠償を求めた訴訟の第一審判決であり、Yの責任を初めて認めた裁判例として社会...
《解 説》
一 本件は、いわゆるベルギーダイヤモンド事件として、全国各地で、訴訟が係属した事件の一つである。すでに同種の訴訟について、各地で多数の判決がでている(公序良俗違反とした裁判例として、①神戸簡判昭60・8・28本誌五七七号五三頁、②大阪地判平3・3・11本誌七七三号二〇四頁、判時...
《解 説》
一 本件は、Xの購入したY製造・販売の自転車のハンドルが乗車中に二回にわたって折れてXが道路上に転倒したことについて、Xが、ハンドルが折れた箇所は二回ともほぼ同一で、二回目に折れた原因は疲労破壊であるとし、Yの検査及び品質管理に義務違反があったとして不法行為に基づいて、ハンドル...
執行裁判所は,強制競売の申立てが権利の濫用に当たると断定できないときには,その申立てを却下することが許されないとされた事例
《解 説》
一 Xは、Yが主催する観光バスによる国内団体旅行に長女と共に参加したが、兼六園において記念撮影をした際、A(Yの従業員ではないが、補助添乗員として旅行に参加し、記念写真の撮影を行うと共に、主任添乗員の業務を補助していた)の指示により三列目の撮影台(ベンチ)に乗ろうとしたところ、...