《解 説》
一 A市議会議長Bが急死し、喪主となった長男Yは葬儀業者Xとの間で、XがBの葬儀を執り行う旨の葬祭契約を締結し、これに基づきXが葬儀を行ったが、Yが葬儀代金の一部しか支払わなかったので、Xは残代金の支払いを求めて本件訴訟を提起した。Yは、XはBの葬儀の執行につき、十分な打合せを...
《解 説》
一 本件は、勾留中の刑事被告人に関する新聞記事が名誉毀損となるか否か、名誉毀損の不法行為が成立するとして、その消滅時効が成立するか否かが争われた事例である。
Yは、その発行する昭和六〇年○月○日付けスポーツ新聞紙上に、「○○調書は白紙状態」とのタイトルで「幼児的手段―たとえば...
《解 説》
一 Xは、海砂採取船(本船)と押送船を所有するところ、平成三年四月、福岡県沖にて海砂を採取積載したうえ、宮崎港に向けて航行中、関門航路において海中の機雷に接触して爆発したため、本船に大破損が生じ、座洲した。
そこで、Xは、右事故は、(一)防衛庁・海上自衛隊が、関門航路を掃海し...
《解 説》
一 現職の参議院議員である本件の被告人は、中日ドラゴンズ私設応援団などの活動により、名古屋地方を中心に人気を得ていたタレントであったが、民社党からの出馬要請を受けて、平成四年七月の参議院議員選挙に愛知選挙区(定数三)から同党公認で立候補し、第三位で当選した。ところが、当選直後か...
《解 説》
一 本判決は、平成四年七月二六日に行われた参議院議員選挙の東京都選挙区選出議員の選挙に関して、定数配分を定めた公職選挙法一四条、別表第二の規定について、本件選挙当時の各選挙区間の議員一人当たりの選挙人の最大較差(以下単に「最大較差」という)が六・五九倍あり、いわゆる逆転選挙区が...
《解 説》
一 Xは、「氣功術」という商標権を有している(平成三年改正前の商品区分二六類、指定商品雑誌、新聞)。
Yは、「気功術実践講座」と称する通信販売講座を行い、右通信販売講座において、申込者に対し六冊のテキスト教材を販売していた。右テキスト教材の表紙には、「気功術」、「実践講座」の...
《解 説》
一 市立小学校第五学年に在学中の児童Xは、学区内にある進学予定の市立中学校の生徒心得(以下「本件校則」という。)が頭髪の丸刈りや学校外での制服着用を定めていたので、本件校則が憲法一三条、二一条一項などに違反すると主張して、右市立中学校長Y1及び市教育委員会Y2に対し、本件校則の...
《解 説》
一 本件は、日雇い労働者(約二万人)の街として知られる大阪市西成区の「あいりん地区」において犯罪が多発しまた過去暴動等が発生していたことから、大阪府警察が街頭に十五台のテレビカメラを設置して街の様子について情報収集しそれらの防止等を図ってきたところ、同地区に住居を有しあるいは労...
《解 説》
X1は、Y2市に勤務する公務員であり、Y1製作所が製造し、Y2が設置管理するごみ処理プラントで技師として働いていたが、ある日、残灰処理のため灰バンカー内部を点検したところ、プリッジ現象のため灰が落ちなくなっていたので、鉄棒で灰だまりを二、三回突き崩そうとしたところ、突然爆風を浴...
《解 説》
本件は、控訴人である債権者が申し立てた不動産仮差押申請に基づいて発せられた仮差押命令が執行され、目的不動産にその旨の登記がされた後一〇年以上を経過した時点で、債務者から被保全権利の時効消滅を理由として、事情変更による仮差押命令の取消しを求める仮差押異議が申し立てられ、原審がこれ...
《解 説》
一 原告Xはクリーニング業を営む者であり、被告Yはクリーニング業の加盟店を募集して共通のサービスマーク・標語等を用いて統一的な方法で宣伝、指導、援助等を行い事業の全国的展開を図っている事業本部(フランチャイザー)である。原告Xは、昭和六一年一一月ころYとの間で、入会金二〇〇万円...
《解 説》
本件は、在家日蓮宗浄風会という宗教団体の内部紛争であるが、幹部の一人が報酬を受け取っていたことを非難する活動を原告が行ったこと、前会長の教義解釈を批判したM教務を原告が擁護したこと等をめぐり、教務の地位を免職され、さらに退会処分を受けた原告が、宗教法人在家日蓮宗浄風会、その会長...
《解 説》
本件原告は中国国籍の女性で、在留期間六カ月として上陸許可を受け、勉学のため数回にわたり在留期間の更新を受けて在留中、日本人男性と婚姻し、出入国管理及び難民認定法(以下「法」という。)別表第二の上欄の「日本人の配偶者等」としての在留資格に変更する許可を受け、六カ月の在留期間を許可...
《解 説》
一 A(昭和六〇年五月一三日生)は、昭和六一年六月ころ、Yが開業する病院で心房中隔欠損を伴うファロー四徴症と診断され、同病院に通院して検査を受けていたが、同六二年八月二七日同病院に入院し、同年九月三日、ファロー四徴症に対する手術である心内修復術を受けた。Aは、右手術終了後、血圧...
《解 説》
一 国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律(平成三年法律第九四号、以下「麻薬特例法」という。)によると、覚せい剤を譲渡してその代金を得た場合、その代金は、覚せい剤譲渡という薬物犯罪の犯罪行為により得...
《解 説》
一 本件は、被告人が、普通乗用自動車を運転して、幅員約六メートルの道路を進行中、道路左側端に自動車が停止していたので、対向車線に進出してその側方を通過したが、通過する際、停止車両が気になり、しばらく進路前方から目を離していたところ、側方を通過し終わるころ、対向車線を進行してきた...
《解 説》
一 本件事案の概要は次のとおりである。
1 債権者(以下「Xという。)は、昭和五六年以降、債務者(以下「Yという。)の旭川支社において、交通事故原因の調査業務等に従事していたところ、同支社内の人間関係を契機とした神経症に罹患し、平成四年三月以降、休職して治療を受けることになっ...
《解 説》
一 事案の概要
Xは、平成五年九月一三日甲簡易裁判所に宛て、Y社(代表取締役y)に対する約束手形債権を有するとして支払命令の申立てをなし、甲裁判所は同年九月一七日支払命令を発し、同命令正本はY社本店所在地の代表取締役yを受送達者として同年九月二〇日特別送達郵便により発送したと...