《解 説》
一 Xは、歯科医Yから、喪失した歯に代えて顎骨に支台を設置して人工歯根(義歯)を装着するインプラント治療を受けたが、うまくいかず、他の病院でインプラントを除去する手術を受けることを余儀なくされた。そこで、XがYに対して、診療契約上の債務不履行に当たるとして、二二五三万円余の損害...
《解 説》
一 Xは、平成二年八月、Yの経営する整形美容外科医院において、鼻の段差をなくする美容整形手術をすることを依頼し、左腰背部を切開して自家組織である真皮を抽出してこれを鼻根部に挿入移植する手術を受けたが、左腰背部に傷痕が残り、鼻が顔に不釣り合いな程度に高く大きくなってしまった。
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《解 説》
一 いわゆる佐川急便事件は、四つの特別背任事件に大別できるが、本判決はそのうちの三件について東京佐川急便の経理財務担当常務取締役Aに対して言い渡された第一審判決である。うち二件は、東京佐川急便が他社の名義で株取引を行うために総額五五〇億円の融資又は保証をしたという事件であり、元...
《解 説》
一 A市の水道事業管理者Y1は、配水を受けている県営水道の事業管理者との間で県営水道事業が水源開発等のために要する資本費の一部を八年間にわたって負担する旨の負担協定(以下「本件協定」という。)を締結し、これに基づいて初年度の県営水道負担金を支出した。A市の住民Xらは、住民監査請...
《解 説》
一 本件は、大阪府池田市長が、同市内に存在するすべての私立幼稚園の設置者等をもって組織される権利能力なき社団である池田市私立幼稚園連盟に対し、連盟が行った「幼稚園まつり」の経費の一部にあてるために補助金として六〇万円の公金を支出したことに関し、池田市の住民である原告が、池田市長...
《解 説》
一 X1は、同性愛者の相互協力を基礎として、①同性愛者相互のネットワークづくり、②同性愛に対する正確な知識と情報の普及、③同性愛者に対する社会的な差別や偏見の解消等を目的として活動している団体であり、X2ないしX4はその構成員である。また、Yは、東京都青年の家条例(以下「本件条...
《解 説》
Xは、妻であるAを代理人として昭和四七年頃からY1(証券会社)との間で投資信託、転換社債、優良株(現物取引)等の証券取引を行っていたが、Y1の従業員であるY2から勧誘を受けて本件ワラント(外貨建て)を約四〇〇万円で購入した。しかし、本件ワラントがその後値下がりをし、Xは、約六〇...
《解 説》
一1 本件は、米軍横田飛行場の周辺住民五九九名が、米軍機の発する航空機騒音等により人格権、環境権を侵害されたことを理由に、国を被告として、主位的に、「国は、米軍をして、毎日午後九時から翌日午前七時までの間、横田飛行場を一切の航空機の離着陸に使用させてはならず、かつ、同飛行場から...
《解 説》
一 千葉県警察は、昭和六三年九月に発生した千葉県収用委員会会長襲撃事件の捜査として、千葉地方裁判所裁判官の発した捜索差押許可状に基づき、平成元年一月、Xの自宅に対し、被疑者以外の第三者に対する捜索差押えを実施し、X所有のビラ一枚を差し押さえた。Xは、本件捜索差押許可状の請求及び...
《解 説》
本件は、一般債権者による差押えに後れて根抵当権者が物上代位により同一の賃料債権を差し押さえたため、第三債務者が賃料を供託した事案において、一般債権者が抵当権者に対し、配当異議を申し立てた事案である。
Xが、公正証書の正本に基づいて、Aが本件建物の賃借人に対して有している賃料債...
《解 説》
一 本件は詐欺罪で逮捕されたが勾留されることなく釈放された原告が捜査機関の違法行為によって精神的苦痛を被ったとして国家賠償法一条一項に基づき損害賠償を請求した事案である。
原告が逮捕されるに至った被疑事実は「原告はA会社代表取締役Bの実兄であったが、同社の前代表者であった実父...
《解 説》
一 Xは、昭和六三年一二月、スナックで酒を飲んだ後、運転代行業者に業務用として使用していた会社所有の自動車の運転を依頼し、自ら助手席に乗車して帰宅中、交差点での衝突事故に会い、右眼球破裂等の傷害を負って失明するに至った。
そこで、Xは、会社所有の右自動車について自賠責保険契約...
《解 説》
本判決が認定した事実によれば、Xは昭和五八年一二月二三日にYから本件物件(土地四筆及び建物一棟)を代金二億二六六二万円(三・三平方メートル当たり六〇〇万円)で買い受け、Yに対し内金として一億円を支払い(既払の売買証拠金二〇〇〇万円を含む)、そのほかに税務対策上貸金名目で八七〇〇...
《解 説》
一 本件は、東京電力株式会社(以下「被告会社」という。)千曲川電力所在勤の従業員四名(以下「原告ら」という。)が、日本共産党員であるがゆえに被告会社から長年にわたり賃金等の処遇面で差別を受けているほか被告会社による人権侵害行為を受けたとして、人格権侵害、均等待遇を受ける権利の侵...
《解 説》
X(一審原告・控訴人)所有地とY(一審被告・被控訴人)所有地の間には、国所有の里道があり、本件係争地について、Xは自己所有のものであると主張し、Yは国の所有であると主張している。XはYに対し、本件係争地がXの所有に属することの確認を求める訴えを提起した。原判決は、実体判断のうえ...
《解 説》
一 本件は、被告の退職手当支給規程の変更が就業規則の不利益変更に当たるとして、変更前の退職手当支給規程(以下「旧退職規程」という。)によって計算される退職手当から変更後の退職手当支給規程(以下「新退職規程」という。)によって計算される退職手当を控除した差額を求めたものである。
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《解 説》
一 本件は、いわゆるロス疑惑としてマスコミ等で報道された事件のうち、ロスアンジェルスにおける銃撃殺人事件である。このロス疑惑関連事件としては、本件の被告人でもあるAが、当時の愛人Bに依頼して、ロスアンジェルスのホテルの一室において、Aの妻Cをハンマー様の凶器で殴打して殺害しよう...
《解 説》
一 最三小判平3・4・23(民集四五巻四号三五四頁、本誌七八四号一五八頁)は、平成元年七月二日に施行された東京都議会議員選挙当時の議員定数配分規定が違法であるとしたため、東京都議会は平成四年六月一七日、東京都議会議員の定数並びに選挙区及び各選挙区における議員の数に関する条例を改...