《解 説》
本件は、職場を同じくする二〇歳以上も年下の未婚女性である被害者に被告人が、好意を抱き、自己の気持を打ち明けたところ、被害者が急によそよそしい態度に変わり、被告人との接触を避けようとしたことから、被害者に対して立腹し、その腹いせに仕返しをしようと考え、被害者が不特定多数の男性と性...
《解 説》
一 Xらは、かねて取引のあったYの外務員であるAから、値上がりが確実であるとして公開前の新規公開株の購入方を勧められ、これを購入することとし、その代金をA名義の銀行口座に振り込むか、Aに直接交付して支払ったが、Aは右株の売却代金であるとして、右支払済代金額の一部しか返却しなかっ...
《解 説》
一 本件訴訟は、国が自衛隊をPKO活動に従事させるためカンボジアに派遣したことは違憲であるとして、原告ら五〇名が国を被告として右派遣の差止め、派遣が違憲であることの確認及び慰謝料(一人二万円)の支払いを求めた事案である。
二 原告らは、訴え提起の手数料として八六〇〇円を納付し...
《解 説》
一 本件は、じん肺にかかり、その後死亡した労働者Aが、勤務していたYら四社(但し、うち一社は、勤務先の元請会社)に対し、安全配慮義務違反と民法七一九条一項後段の類推適用により損害賠償を求めて提起した訴訟を妻X1及び子X2が追行した事案である。
Aの勤務の状況はおよそ、昭和二七...
《解 説》
一 Xは、昭和六二年五月、Yが経営管理するゴルフ場「東都飯能カントリー倶楽部」の個人正会員に入会し、入会金三〇〇万円、預託金一九〇〇万円を支払ったが、ゴルフ場のオープンが著しく遅延したほか、募集要項ではフラットなコースにするとしながら、かなりアップダウンのあるコースに設計変更し...
《解 説》
一 本件は、九州地方において集団予防接種を受け、その結果、死亡又は重大な障害を負ったとする七名の児童(一審では九名)について、生存児童本人や家族ら一八名(一審では二二名)が国に対して損害賠償又は損失補償を求めて提起した訴訟の控訴審判決である。
本件で問題となった予防接種の内容...
《解 説》
一 本件の事案の概要は以下のとおりである。大手都市銀行Y2の支援を受けて急成長を遂げた北海道の大手建設・不動産業者であるXが、子会社Y1の株式を担保としてY2に提供していたところ、バブル経済の崩壊による不動産不況のあおりを受けて業績が悪化したことに伴い、Y2との関係がにわかに悪...
《解 説》
一 Xは、昭和六〇年一月から、訴外の製菓会社にパートタイム労働者として勤務し、平成二年六月、同会社に対して、三五〇万円の社内預金をしていたが、同会社が平成三年一月破産宣告を受けたため、右社内預金債権につき一般先取特権を有する債権として破産債権の届出をした。
しかし、同会社の破...
《解 説》
一 本件の概要
本件は、Xら(五〇九名)がY(日本中央競馬会)の設置しようとするいわゆる場外馬券売り場の設置差止(主位的)、当該売り場での馬券発売及び払戻金の交付禁止(予備的)の仮処分を求めたケースである。高松場外馬券売り場設置差止仮処分申請事件と呼んでよいであろう。
Xら...
《解 説》
大麻取締法一条は、「この法律で『大麻』とは、大麻草(カンナビス・サティバ・エル)及びその製品をいう。……」と定めている。
被告人及び弁護人は、第一審では大麻所持の事実を認め、懲役二年、五年間執行猶予の判決を受けたが、被告人から控訴がなされた。
弁護人の控訴趣意は、被告人が所...
《解 説》
本件は、被告人が深夜普通貨物自動車を運転中、前方不注視の過失により、対向してきた被害者運転の自転車と正面衝突し、被害者を死亡させたとして公判請求された業務上過失致死の事案である。
本判決までの経過は判決理由の冒頭に詳しく記されているが、その概要は次のとおりである。
すなわち...
《解 説》
刑訴法三二八条の証拠については、種々の議論があるが(学説の対立を要領よくまとめたものとして、津村政孝・刑事訴訟法の争点新版二二〇頁。主な文献もそこに掲げられている)、最も重要なのは、いわゆる自己矛盾の供述(現に証明力を争おうとしている供述をした者の他の場面における供述)に限られ...
《解 説》
一 本件は、東京電力株式会社(以下「被告会社」という。)群馬支店管内の従業員一六名(以下「原告ら」という。)が、被告会社から、日本共産党員又はその支持者であることを理由に、人事考課において実際の職務遂行能力及び業績に比して低い査定を受けたため、低賃金に据え置かれたと主張して、不...
《解 説》
一 Xは、昭和六二年一一月、Yに対し、東京都新宿区歌舞伎町所在の店舗を、期間三年、更新の場合は更新料として賃料の三か月分を支払う旨の約定で賃貸したところ、期間満了による法定更新後に更新料の支払を拒否するので、平成三年八月、更新料支払債務の不履行を理由として賃貸借契約を解除したう...
《解 説》
X及びA夫婦は、養子Yとの間の養親子関係を継続し難い重大な事由があると主張し、離縁請求訴訟を提起したところ(Aは訴訟継続中に死亡した)、第一審裁判所は養子縁組の破綻につきXらに主たる責任があったと認定し、Xの請求を棄却した(上告棄却により確定)。その後、Xは再度、Yとの養親子関...
《解 説》
一 原告は、平成二年二月、岡山大学の入学試験を受けた。その合格者に対しては、同年三月九日に同大学の発信する電子郵便で、その旨通知されることとなっていた。原告は、右電子郵便が同月一三日の入学手続締切期限までに届かなかったため、不合格になったと思い、第二志望の私立大学に入学手続をと...