《解 説》
本件は、利用休止手続をとってあった母親Y加入名義電話について、その子Aがその利用再開手続を勝手に行って国際電話を利用したことにより生じた国際通話料金の支払を、X国際電信電話株式会社(KDD)から、Yに対して請求した事案である。
KDDの利用契約は、日本電信電話株式会社NTT電...
《解 説》
一 Xは、幼児期に血友病性関節症に罹患し、満四歳時から満一八歳時までの長期間にわたり、国立小倉病院に入院して治療を受けたが、股、膝、足関節等の運動障害や肝機能障害等が残ったため、同病院の医師らが、Xが血友病B患者であるにもかかわらず、血友病Aの患者と診断し、Xに抗A型製剤の投与...
《解 説》
Y(国)は、平成元年版警察白書(本件白書)において「北朝鮮工作員の指示の下に活動していた日本人女性の逮捕(横須賀事件)」の見出しを付して、日本人女性A(32)が北朝鮮工作員の指示を受けて我が国をはじめ東南アジア、ヨーロッパで調査活動に従事していたこと、特に、我が国については、指...
《解 説》
一 事案の概要
本件は現職の弁護士の弁護士業務に関する犯罪であり、破産管財人として預かり保管中の金銭を着服横領し、また、供託書コピーを偽造行使したという事件である。
「犯罪事実」及び「量刑の理由」によると、業務上横領は、事務所経営に窮し、あるいは他事件の依頼者からの預かり金...
《解 説》
Xは中国の企業法人であり、日本法人Yとの間でYの編み袋を生産する設備を導入する契約を締結し、右契約から生じる紛争については中国国際経済貿易仲裁委員会の仲裁により解決する旨合意していた。その後XとY間で右契約の履行について紛議が生じ、Xが右委員会に仲裁を申請したところ、同委員会は...
《解 説》
商法二一〇条は株式会社による自己株式の取得又は質受を原則的に禁止し、有限会社の持分についても同条が準用されている(有限会社法二四条)。先般の平成六年の商法改正により、従業員に譲渡するための自己株式の取得が新たに認められるなど特に株式会社の自己株式の取得が許容される範囲は拡大した...
《解 説》
本件は、堺市が元部落共有財産であった潅漑用溜池を公園事業用地とするため買収したのを、住民が右溜池はもともと堺市の所有であり、これを堺市が買受けて公金を支出したのは違法であるとして住民訴訟を提起したものである。本件訴訟においては、住民監査請求と住民訴訟の間に対象の同一性があるか、...
《解 説》
一 地方自治法によれば、普通地方公共団体の支出は、政令の定めるところにより、資金前渡、概算払、前金払、繰替払、隔地払又は口座振替の方法によってこれをすることができるものとされ(同法二三二条の五第二項)、右の政令である同法施行令一六二条によれば、同条各号に掲げる経費については、概...
《解 説》
一 Yは芸能プロダクションであり、テレビ・映画等で活躍中の有名タレント加勢大周が所属している。XはYとの間で業務協力契約(以下「本件契約」という。)を締結し、Yに総額一〇〇〇万円を融資するとともに、Yの業務顧問として助言協力をしてきたものである。本件契約には、①XはYの業務顧問...
《解 説》
一 本件の主要な争点は当選無効請求の当否であり、告示取消請求に係る訴えの関係は付随的なものであるので、以下当選無効請求を中心に解説する。
第一六回参議院議員通常選挙(平成四年七月二六日執行)の沖縄県選挙区選出議員選挙(本件選挙)にはXと補助参加人Aとが立候補し、沖縄県選挙管理...
《解 説》
本件は、著名な元プロ野球投手でプロ野球解説者の被告人による覚せい剤使用・所持の事件について懲役二年四か月の実刑が言い渡された事例であり、被告人が、自宅で覚せい剤を左腕に注射して使用(判示第一事実)するとともに覚せい剤約五二グラム及び覚せい剤水溶液少量を自己使用目的で所持(判示第...
《解 説》
一 本件は、現職の大牟田市議会議員が、支援者の債務について連帯保証等をした結果、自己の議員報酬請求権を差し押さえられ、生活に窮するようになったため、共犯者を架空債権者に仕立て、その共犯者が受ける配当金を自己に回してもらうという方法により強制執行の免脱を企図した事案である。市議会...
《解 説》
XはA社の破産管財人であるが、A社が代表者Bに対して有する損害賠償請求権を保全するため、Bに代位して、国Yに対し、養老保険を解約し、解約返戻金として一一〇万円を支払うよう求めた。Yは、生命保険契約の解約については、保険契約者以外の第三者の代位行使に馴染まないと主張し、さらに簡易...
《解 説》
Y1社(代表者はY2)は、同社との間でダイヤモンドを中心とする宝石類の販売媒介委託契約を締結した者を通じてダイヤモンドの販売を行っていた会社である。ダイヤモンドを購入して右契約を締結したビジネス会員は、売上成績に応じて四段階に分類され、自らの、あるいは配下のビジネス会員の販売媒...
《解 説》
本件の原告は、市議会議員であって、市議会定例会本会議において、市長が指定緑地所有者について固定資産税を全額免除した件、第一種生産緑地の指定を受けていることを理由とする固定資産税の減免の件、下水道工事負担金や固定資産税の免除を受けている個人立幼稚園に関する件について三回にわたり質...