《解 説》
商法二一〇条は株式会社による自己株式の取得又は質受を原則的に禁止し、有限会社の持分についても同条が準用されている(有限会社法二四条)。先般の平成六年の商法改正により、従業員に譲渡するための自己株式の取得が新たに認められるなど特に株式会社の自己株式の取得が許容される範囲は拡大した...
《解 説》
本件は、堺市が元部落共有財産であった潅漑用溜池を公園事業用地とするため買収したのを、住民が右溜池はもともと堺市の所有であり、これを堺市が買受けて公金を支出したのは違法であるとして住民訴訟を提起したものである。本件訴訟においては、住民監査請求と住民訴訟の間に対象の同一性があるか、...
《解 説》
一 地方自治法によれば、普通地方公共団体の支出は、政令の定めるところにより、資金前渡、概算払、前金払、繰替払、隔地払又は口座振替の方法によってこれをすることができるものとされ(同法二三二条の五第二項)、右の政令である同法施行令一六二条によれば、同条各号に掲げる経費については、概...
《解 説》
一 Yは芸能プロダクションであり、テレビ・映画等で活躍中の有名タレント加勢大周が所属している。XはYとの間で業務協力契約(以下「本件契約」という。)を締結し、Yに総額一〇〇〇万円を融資するとともに、Yの業務顧問として助言協力をしてきたものである。本件契約には、①XはYの業務顧問...
《解 説》
一 本件の主要な争点は当選無効請求の当否であり、告示取消請求に係る訴えの関係は付随的なものであるので、以下当選無効請求を中心に解説する。
第一六回参議院議員通常選挙(平成四年七月二六日執行)の沖縄県選挙区選出議員選挙(本件選挙)にはXと補助参加人Aとが立候補し、沖縄県選挙管理...
《解 説》
本件は、著名な元プロ野球投手でプロ野球解説者の被告人による覚せい剤使用・所持の事件について懲役二年四か月の実刑が言い渡された事例であり、被告人が、自宅で覚せい剤を左腕に注射して使用(判示第一事実)するとともに覚せい剤約五二グラム及び覚せい剤水溶液少量を自己使用目的で所持(判示第...
《解 説》
一 本件は、現職の大牟田市議会議員が、支援者の債務について連帯保証等をした結果、自己の議員報酬請求権を差し押さえられ、生活に窮するようになったため、共犯者を架空債権者に仕立て、その共犯者が受ける配当金を自己に回してもらうという方法により強制執行の免脱を企図した事案である。市議会...
《解 説》
XはA社の破産管財人であるが、A社が代表者Bに対して有する損害賠償請求権を保全するため、Bに代位して、国Yに対し、養老保険を解約し、解約返戻金として一一〇万円を支払うよう求めた。Yは、生命保険契約の解約については、保険契約者以外の第三者の代位行使に馴染まないと主張し、さらに簡易...
《解 説》
Y1社(代表者はY2)は、同社との間でダイヤモンドを中心とする宝石類の販売媒介委託契約を締結した者を通じてダイヤモンドの販売を行っていた会社である。ダイヤモンドを購入して右契約を締結したビジネス会員は、売上成績に応じて四段階に分類され、自らの、あるいは配下のビジネス会員の販売媒...
《解 説》
本件の原告は、市議会議員であって、市議会定例会本会議において、市長が指定緑地所有者について固定資産税を全額免除した件、第一種生産緑地の指定を受けていることを理由とする固定資産税の減免の件、下水道工事負担金や固定資産税の免除を受けている個人立幼稚園に関する件について三回にわたり質...
《解 説》
本件は、当時の衆議院議員であったY1が衆議院社会労働委員会における医療法の一部改正案件の審議に際して精神病院を経営するZにおいて女性患者に対し強姦等の破廉恥行為をしているなどのことを指摘して所管行政庁による十分な監督を求めたところ、右発言が虚偽であってZの名誉を棄損するものであ...
《解 説》
一 本件は、遺言により法定相続分を下回る相続分を指定された共同相続人の一人が、遺産を構成する特定不動産に法定相続分に応じた共同相続登記がされたことを利用して、右登記に係る自己の共有持分権を第三者に譲渡し、第三者が右持分の移転登記を受けた場合に、右第三者が取得する持分の割合は指定...
《解 説》
一 Xらは、いずれも椅玉県加須市の住民であるが、Y加須市教育委員会が、市立東中学校の校庭等の用地としての用途を廃止するとの方針を決定し、東中学校の旧校舎を解体することを明らかにしたことについて、右用途廃止決定はYに与えられた裁量権を濫用しまたは逸脱する行為として違法であると主張...
《解 説》
一 本件は、被相続人の兄弟姉妹間における遺産の帰属等をめぐる訴訟事件であるが、判示事項として摘録した部分に関しては、相続人の一人でY4(佐屋町)の職員であるY1が、他の相続人Aに無断でAの印鑑登録をしたうえ、印鑑登録証及び印鑑登録証明書の交付を受けたことが職務に関する不法行為に...
《解 説》
一 Xは、神戸市中央区の春日野墓地を管理運営する社団であるが、Yのした墓地使用の申込みを正当な理由があるとして拒否したにもかかわらず、Yが墓地の使用権を有するとして墓地の一区画を占有しているので、Yを相手方として、Yが墓地の使用権を有しないことの確認と墓地の明渡しを求めた。
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