《解 説》
本件は、遺産分割審判において、非嫡出子の相続分を嫡出子の相続分の二分の一と定めた民法九〇〇条四号但書前段の規定(本件規定)が憲法一四条一項(平等条項)に反するか否かが争われた事案における抗告審の決定である。
非相続人亡Aには相続人として、妻Y1、嫡出男子亡B(その相続人として...
《解 説》
Xは、不動産の取引業者であり、土地四筆を一四区画に分割して分譲することとし、国土利用計画法二三条に基づき、Y県の知事(企画調整部土地利用対策課指導係所管)に対し、予定対価(私道部分を含む一平方メートル当たりの単価は、五万八三九六円ないし八万三一八四円)を届け出た(その前にXから...
《解 説》
YはAとの間で二回にわたり、代金の支払時期はYが中国から支払いを受けたときとする約定でAが中国で抵抗器製造設備の納入、設置、稼働調整、技術指導等をするとのプラント契約を結び、代金の一五パーセントに当たる前受金を支払い、XがAのためYに対し前受金の返還を保証した。その後YはAの要...
《解 説》
本件は、Yの開発していたゴルフ場の会員権を購入したXが、当該ゴルフ場のオープン遅延を理由にYとの会員権購入契約の解除の意思表示を行った上、Yに対し、預託金等の返還を求めて提訴したものである。
具体的な事実の経過は次のとおりである。
(1) Yは、本件ゴルフ場のオープンを平成...
《解 説》
一 被告人は、青果業者を組合員とする協同組合の経理事務員であったが、組合の取引銀行の当座預金から、自己の用途に費消する目的で、組合振出名義の小切手を用いて十六回にわたり現金六〇〇〇万円余の払出しを受けたとして、業務上横領罪で在宅のまま起訴された。差戻し前一審では起訴事実を認め、...
《解 説》
原告は、社団法人である被告アマチュア無線連盟の会員であり理事でもあったが、中国チベットにおいて無許可で電波を発信したことを理由に理事会において理事辞任の勧告を受け辞任した。ところがその直後に行われた理事選挙に立候補し当選したため、会員の一部から原告に自責の念が足りないなどとして...
《解 説》
一 昭和五四年七月一一日、東名高速道路下り線の日本坂トンネル(全長二〇四五メートル)内で、大型トラックや乗用車など六台関連の玉突衝突事故が発生し、炎上した乗用車などの火が後方に渋滞していた自動車に次々に引火し、これがトンネル全体に燃え広がり、七人が死亡、一七三台の自動車や積荷な...
《解 説》
本件は、Xの所有する土地・建物に根抵当権設定登記等の本件各登記を経由していたZが、その後に破産宣告を受けたが、その破産手続は既に「破産終結」により終了していたところ、XがZの本件各登記の抹消を求める本件訴訟を提起するにつき、Zの破産管財人であったYを被告としたため、Yから、Zが...
《解 説》
一 本件は、原告東京都府中市が、被告国に対し、府中刑務所で受刑者を使用してクリーニング業務をしていた業者(倒産して所在不明)が同刑務所内で使用した水道の料金を滞納したとして給水契約に基づき、水道料金合計七四四万円余の請求をした事案である。被告国は、府中刑務所内の本件クリーニング...
《解 説》
一 Xは、昭和六三年八月当時、Yの設置する中学校の三学年に在籍していたものであるが、同月一一日、校長から、他の生徒に対するいじめ、授業妨害、教師に対する暴言・反抗、学則違反等があったとし、これが学則にいう「学校の秩序を乱し、その他生徒としての本分に反した生徒」に該当するとして退...
《解 説》
一 本件は、Y寺(宗教法人である。)の檀信徒であるXらが、同寺に対し、宗教法人が、宗教法人法二五条二項において財産目録等の備付けを義務づけられていること及び同法二三条重要な財産の処分について信者等に公告することを義務づけられていること等を理由に会計帳簿等の閲覧・謄写を請求し、同...
《解 説》
Xは美容外科医亡A(相続人Yら)に依頼し、豊胸手術(第一手術)を受けたところ、数日後に右胸下の創部がしゃ開したため、再度亡Aに依頼し、右胸のシリコンパックを再挿入して貰った(第二手術)。Xはその夜から痛みを感じ、その後、嘔吐をするなどしたため、救急病院に行って、「右乳房異物、右...
《解 説》
一 本件は、原告の製造たばこ小売販売業の許可申請に対して、被告がした不許可処分の取消訴訟である。原告の許可申請に係る予定営業所と既存の小売販売業者の営業所との距離は、たばこ事業法(以下「法」という。)二三条三号、同法施行規則(以下「規則」という。)二〇条二号に基づいて発せられた...
《解 説》
一 事案の概要は、次のとおりである。
被告タクシー会社(Y)の労働協約においては、交番表(月ごとの勤務予定表)に定められた労働日数等を勤務した乗務員に対し皆勤手当(年度により月額三一〇〇円ないし四一〇〇円)を支給することとし、ただし、年次有給休暇(以下「年休」という。)等を取...
《解 説》
X男とY女は昭和五四年五月に婚姻し、両名間に一男、一女を有する夫婦である。Yは同五七年九月ころからエホバの証人の信者の訪問を受け、同六〇年五月ころからその集会に参加を始め、夫婦の間柄が円満を欠くようになり、XがYに暴力を振るうこともあって、同六一年五月にはYが子供二人を連れて実...
《解 説》
一 Xは、独立したイラストレーターとして、出版物のイラストの仕事に従事していた者であるが、昭和六三年七月二〇日、東京渋谷のレストランで食事をしようとした際、隣の客と煙草の煙りをめぐって口論となり、隣の客に暴力を振ったため、かけ付けた警察官に神宮前派出所に同行を求められ、同派出所...