《解 説》
一 Xは、JR総連合といい、JR関係の労働者で組織する東日本旅客鉄道労働組合などの単位組合の連合体であるが、平成元年一二月一六日、Y(上尾市)に対し、Xの総務部長Aが殺害死亡したことを追悼する合同葬を開催するため、Yが設置する上尾市福祉会館の使用許可を申請したところ、「会館の管...
《解 説》
Xは、学習塾のフランチャイザーであり、平成元年六月、Yをフランチャイジーとして塾フランチャイズ加盟契約を締結した。Xは本訴において、同契約に基づき、入塾金(五割)及びロイヤルティー(月謝の二割)、講師に支払うべき給与と交通費の立替金の合計二五八万円余の支払いをYに求めた。Yは、...
《解 説》
一 訴外A(明治三七年四月二一日生)は、昭和六二年七月二七日、自宅において、自己所有の財産を特定人に相続、遺贈し、遺言執行者を指定する旨の公正証書による遺言をし、平成二年七月二二日死亡したが、Aの相続人であるX1~X6は、相続人Yを相手方として、Aが本件遺言をした当時、老人性痴...
《解 説》
Xら二名は、日興証券株式会社の株主であるが、同社が一部の顧客に対して行った損失補填等の行為が違法であると主張し、同社の取締役Yら一六名に対し、商法二六七条に基づき、同社に四七〇億七五〇〇万円を連帯して支払うよう求める株主の代表訴訟を提起した。Xらは、株主の代表訴訟における訴え提...
《解 説》
一 高村光太郎の「智惠子抄」の編集著作権の帰属が争われた事案である。
原告(被上告人)は、詩人高村光太郎の順次相続人である。竜星閣は、昭和一六年八月二〇日に光太郎の詩集「智惠子抄」を出版した。一審当時の被告は澤田伊四郎であり、同人は竜星閣の主人であったが、控訴審継続中の昭和六...
《解 説》
一 本件は、同一の債権につき滞納処分による差押通知と確定日付のある債権譲渡通知との第三債務者への到達の先後関係が不明であるため、第三債務者が弁済供託をした場合において、差押債権者と債権譲受人との間で供託金還付請求権の帰属が争われた事案である。
X(国)は、Aに対し、租税債権(...
《解 説》
いわゆる特許訴訟の東京高裁判決を違法として破棄した最高裁判決である。判示事項として掲げた部分は審決取消訴訟の審理判断の範囲についての説示部分であるが、本判決が説示する主要部分は、特許要件を審査する際の発明の同一性についての基本的な部分にわたっている。
本件審決は、原告(被上告...
《解 説》
一 Y銀行においては、人件費率が全国の地方銀行中ワースト五指に入るなど業績が悪く、経営環境も悪化してきたので、多数派組合の同意を得て、昭和六一年五月より五五歳以上の一般職行員の基本給を凍結し、管理職階者は新たに創設する専任職として専任職手当を支給することとし(専任職制度)、次い...
《解 説》
一 本判決は、住宅火災保険契約締結後に保険契約者兼被保険者が保険の目的建物を譲渡したところ、その二日後に右建物が火災で焼失した場合に、保険者は、「保険契約者又は被保険者が保険の目的である建物の譲渡につき保険者に対する通知義務を怠ったときには保険金の支払が免責される」旨の普通保険...
《解 説》
一 Xは、平成元年、仕事上の接触がきっかけでY2と知り合い、平成二年一一月には結納も交わして婚約し、平成三年五月五日に結婚式を行うことに決めたが、結婚式の打ち合わせの際、Xの母が引出物の選定等に関して意見が通らないとして不快な言動を示したことなどから、Y2は、Xとの結婚生活に入...
《解 説》
A市に合併される前のK町は、もともと町立診療所を有していたが、経営不振であったため、昭和二九年三月に医療法人Z(補助参加人)にその運営を委託した。しかし、同三四年ころ、診療所の経営状態が依然として改善されなかったため、合併後のA市は、建物設備をZに貸与し、経営を全面的にZに委ね...
《解 説》
一 Xは、地方自治法二四二条の二第一項四号に基づき、県有財産の保護等の共同事務処理を目的とする地方公共団体たる一部事務組合として組織されたA組合に代位して、同組合が、右共同事務処理の結果生じた剰余金を、同組合の構成員であって組合規約上の請求権者であるB村に対してでなく、権利能力...
《解 説》
一 本件は、強姦殺人事件の被害者となった女子中学生の両親であるXらが少年保護事件において同事件の犯人とされ、再抗告審を経て少年院送致等の保護処分が確定しているA・B・C・Dら(以下「少年ら」という。)の親権者であったY1ないしY4(以下「Yら」という。)に対して不法行為に基づく...
《解 説》
本件は、プレジャーボート(モーターボート、ヨットなどのレジャー用船舶)の転覆事件の判決である。事案は、四級小型船舶操縦士の免許を有し、または同免許の実技終了試験に合格し海技免状の交付を待つばかりになっていた被告人三名が、プレジャーボート(総トン数約二・四トン、定員一〇名)に家族...
《解 説》
一 本件は、いわゆる「名張毒ぶどう酒事件」として知られる殺人、同未遂事件に関する第五次再審請求棄却決定に対する異議申立棄却決定である。
昭和三六年三月二八日、三重県名張市内の公民館で開かれた三奈の会(近隣に居住する男女会員で組織されている生活改善グループ)の年次総会後の懇親会...
《解 説》
一 Aは、Y1の実兄Y2が保有し、Y1が運転する普通乗用自動車に同乗中、Y1の過失により惹起された交通事故により死亡した。Aの父母X1、X2は、運転者Y1に対し民法七〇九条、保有者Y2に対し自動車損害賠償保障法三条に基づいて損害賠償を求めるとともに、Y2との間で自動車保険契約を...
《解 説》
一 最大判昭36・4・5民集一五巻四号六五七頁、最大判昭37・12・5刑集一六巻一二号一六六一頁によれば、昭和二七年四月二八日の平和条約の発効に伴い、それまで朝鮮戸籍令の適用を受け朝鮮戸籍に登載されるべき地位にあった人は、元来日本人で朝鮮人との身分行為によってそのような地位を有...
《解 説》
一 X(申立人・抗告人)らは、東京都千代田区立永田町小学校に在学する児童の保護者であるが、Y1(被申立人・相手方)千代田区が条例により永田町小学校を廃止する旨決定してこれを公布したので、右廃校処分の取消しを求める訴えを提起するとともに、校舎を解体するなどの手続を進めることになる...