《解 説》
一 本件は、相続税についての重加算税賦課決定が無効であるとして、重加算税を納付した相続人(A)の配偶者ら(Aの相続人ら)が納付に係る重加算税額に相当する額の不当利得金の返還を求めた事件である。原告らの主張する右賦課決定の無効事由は、以下のとおりである。国税通則法(昭和六二年法律...
《解 説》
一 X1、X2の長女A(昭和五二年四月生)は、Y1(安浦町)の設置管理する安登小学校の児童であったが、六年生の担任教諭から数回にわたって猥褻行為をされたうえ、平成二年三月の春休み中、右担任教諭から普通乗用車に乗せて連れ出され、海岸空地で首を絞めて殺害された。
そこで、X1、X...
《解 説》
一 X2は、昭和五七年八月、Yの開設する医療センターで、X3を出産したが、X3は、分娩中の低酸素が原因で仮死状態で出生したため、脳性麻痺により精神に著しい障害を残し、常時介護を要する身体障害者になってしまった。
そこで、X3とその父X1、母X2は、医療センターの分娩担当医師と...
《解 説》
一 本件は長野地判平4・2・27本誌八一四号一三一頁の控訴審判決である。原審における争点は、地滑り災害が発生したことにより長野市が固定資産の評価替えを行うために不動産鑑定士に作成させた評価調書等に記載されている内容が、長野市公文書公開条例(以下「本条例」という)七条一号の「通常...
《解 説》
一 本件は、所得税法一五六条に基づく推計課税によってされた所得税更正処分と過少申告加算税賦課処分の各取消請求事件であり、推計課税の必要性・合理性の有無、実額反証の成否が争点となった。
二 本判決は、推計課税の必要性はあると認めたが、その合理性は全面的に肯定せず、右各処分を一部...
《解 説》
本件は、XがYに対し、XY間の中古仮設材等の売買代金の支払のためにYが振り出した約束手形金と利息の支払を求め(①②事件)、YがXに対し、同売買契約の錯誤無効ないし解除を主張して支払済みの代金の返還と法定利息の支払を求めた(③事件)事案である。本件売買(第一ないし第三取引)は客観...
《解 説》
東京都が企画し推進しているいわゆる臨海副都心建設計画については、バブル景気の崩壊に伴い、その実現性に疑問が投げかけられるようになっており、住民側において、これに反対する運動も活発に繰り広げられているようである。本件は、東京電力株式会社が、将来臨海副都心へ電力を供給することを主た...
《解 説》
一 情報料回収代行サービスとは、NTTが定めている電話サービス契約約款の一六二条ないし一六四条によって規定されている制度である。その内容は、利用者が、電話を使用して(その際に用いる電話番号が〇九九〇から始まるため、一般にダイヤルQ2と称されている。)、NTTと契約を締結している...
《解 説》
中国国籍を有する原告は、日本人女性と婚姻し、出入国管理及び難民認定法(以下「法」という。)の改正前の四条一項一六号及び法施行規則二条一号の日本人の配偶者としての在留資格で我が国に入国していた。原告は、その後妻と不仲になり、家を出て、別居した。妻は婚姻無効確認請求の訴えを提起し、...
《解 説》
一 本件は、県立高校の教職員Xら一七名に対する県教育委員会Yによる停職六か月ないし減給の懲戒処分の取消しが求められた事案であるが、原審の宮崎地判昭63・4・28本誌六八〇号六五頁は、本件懲戒処分に裁量の範囲の逸脱はないとして、Xらの請求を全部棄却した。Xらのうち二名を除く全員(...
《解 説》
本件は、単純化すれば、Xら四名(うち一名は、民訴法七五条による共同訴訟参加人)が兄弟であるYに対し、亡父Aが昭和五六年四月四日付でした遺言及びXらとYの間で同六一年七月にした遺産分割協議の各無効確認等を求めた事案である。右の遺言は、Aの有していた借地権をYに遺贈するなどというも...
《解 説》
Y知事は、鴨川の改修に関して学識経験者等の意見を聞くために鴨川改修協議会を設置した。右協議会の会議は非公開とされ、会議終了後審議内容の概略が発表されることとなった。同協議会の第五回会議においてダム構想が成立し得るか否かの検討資料とするために本件「ダムサイト候補地点選定位置図」を...
《解 説》
一 Xは、昭和四八年一〇月から、大手保険会社の横浜支店長付運転手として稼働していた者であるが、昭和五九年五月早朝、支店長を迎えに行く途中、くも膜下出血を発症し、意識障害の後遺症が残った。
そこで、Xは、Y(横浜南労働基準監督署長)に対し、労災保険法に基づく休業補償給付を申請し...
《解 説》
一 本件は、事案の概要にあるとおり、週刊フライデー、週刊現代その他被告講談社が出版、発行する雑誌に、幸福の科学及びその主宰である大川隆法に関する一連の記事が掲載されたことに対して、幸福の科学の信者で大川をその信仰の対象としている原告らが、右一連の記事は幸福の科学及び大川を誹謗中...
《解 説》
本件は、被告人が、昭和六二年一〇月に沖縄県中頭郡読谷村で開催された第四二回国民体育大会ソフトボール競技会の開始式において、センターポールに掲揚された日の丸を引き降ろして焼却したとして、公訴を提起された建造物侵入、器物損壊、威力業務妨害被告事件の第一審判決である。訴因の特定に関連...
《解 説》
一 Xは、昭和六三年八月当時、一六歳で通信制高校に在学中の生徒であったが、同月一六日夕刻、二八歳でXと同じ通信制高校に在学中の生徒であったY外二名と伊勢原市内の飲食店で食事を共にした後、自動車で平塚市内のホテルに連れ込まれ、同夜と翌朝の二回無理矢理姦淫され、翌一七日夜秦野市内の...
《解 説》
一 XはAに対する売掛金債権二六六万円余を保全するため動産仮差押命令を申し立てて、仮差押決定を受け、B執行官に執行を申し立てた。B執行官はA方に赴き、五〇〇万円の値札の付いた飾り壷一個を二七〇万円相当と評価して仮差押えした。その後、XはAに対し、一部弁済を受けた残額一九八万円余...