《解 説》
本件訴訟は、昭和五〇年九月に建築された地上八階、地下一階のマンションの管理組合法人Xから、その地下一階の駐車場部分と地上一階の事務所・店舗部分の区分所有者であるYに対し、Yの支払っている管理費が五回にわたる総会決議で定められた金額に充たないとして、不足分の支払いと総会で定められ...
《解 説》
Xから夫Yに対し、Yの不貞等を理由に離婚、慰謝料支払、財産分与を求める本訴請求がされ、その後、YからXに対し、不貞等を理由に離婚、慰謝料支払を求める反訴請求がされた。
本判決は、当事者双方が離婚の点で一致し、今後円満な婚姻生活の継続が望めないことが極めて明らかであり、夫婦関係...
《解 説》
Yは電力会社であるが、昭和四四年八月二六日、Xらの先代である甲との間で、使用目的を地中電線埋設用地、期間を同日から二〇年として本件土地についての賃貸借契約を締結し、そのころ本件土地に電線を埋設した。甲は昭和六一年九月一九日死亡し、Xらが相続した。Xらは昭和六三年一一月一八日ころ...
《解 説》
一 Yは、ZがXから手形貸付を受ける際、Zが振り出した約束手形(以下「本件手形」という。)に保証の趣旨で裏書をした。ところが、本件手形は振出日及び受取人欄白地の手形であり、白地手形のまま支払呈示期間内に呈示されたため、XはYに対する遡求権を保全できず、本件手形金請求をすることが...
《解 説》
一 京都市長が大文字山に都市計画法四三条、五八条一項の許可を得ることなく建物を建築した原告に対して除却命令を出し、原告がこれに従わないので行政代執行により除却してその費用納付命令をした。本件は、原告が、代執行が違法であるから、代執行費用の納付命令も違法となるとして、費用納付命令...
《解 説》
一 本件は、中学時代から憧れていた男性と結婚し、子供を身籠った二〇歳の女性被告人が、まだ遊びたいとする夫から子供を中絶するよう強く要求され、さらには離婚をも迫られて強い衝撃を受け、入浴を終えて浴室から出てきた夫の腹部を文化包丁で一回突き刺し、出血性ショックにより夫を死亡させたと...
《解 説》
Xは、昭和五八年二月ころ、Yが(旧)地域改善対策特別措置法に基づき実施した小集落地区改良事業の対象となることに同意し、Yとの間で土地売買及び建物除却契約を結び、Yから合計三八七五万円余を受領した。
しかし、Xは、Yの職員の説明により、租税特別措置法三三条の四により三〇〇〇万円...
《解 説》
Xら七三九名は、宗教法人幸福の科学の正会員であるが、出版社Y1、その代表者Y2、編集者Y3ないしY5、執筆者Y6、Y7に対し、Y1の発行する写真週刊誌、週刊誌及び月刊誌に掲載された記事が幸福の科学及びその主宰者を誹謗中傷するものであり、これによりXらの宗教上の人格権が侵害された...
《解 説》
一 損害保険の被保険利益は法律的な権利そのものではない(商法六三〇条。西島梅治・保険法〔第二版〕一七〇頁参照)。しかし、被保険利益の存することが、損害保険契約の本質的内容となっており、被保険利益は損保契約の目的となっている。すなわち、損害保険契約を締結できるのは、被保険利益を有...
《解 説》
一 公職選挙法九条一項は、「日本国民で年齢満二十年以上の者は、衆議院議員及び参議院議員の選挙権を有する。」として、国会議員の選挙権を有する者を日本国民に限っている。本件は、イギリス国籍を有する外国人である原告が、永住者として我が国に居住しているのに、平成元年七月二三日施行の参議...
《解 説》
本件事案の概要は、本件判決の事案の概要欄冒頭に記載された事案の要旨のとおりで、特に付加すべき点はなく、父が知れないこと明らかな日本で出生した子について、出産後母が行方不明となり、その身元が必ずしもはっきりしない場合、その子は、国籍法二条三号により、日本国民となるか否かの一点のみ...
《解 説》
一 本件は、国鉄の分割民営化により発足したJR東日本において、会社側が職員の意識改革、人員の調整を目的として実施しようとした一般企業並みの出向制度を巡る労使紛争に関して発令された団体交渉を命ずる救済命令の取消訴訟である。
二 国鉄時代出向は事実上本人の同意を要件とする運用が行...
《解 説》
一 本件は、中小企業等協同組合法の規定に基づき設立された事業協同組合であるY組合の組合員のXが、組合員総会(甲総会及び乙総会)における役員選任決議(甲決議及び乙決議)につき、甲総会が開催されたという当時、Y組合の総会の招集権者である代表理事のAが任期満了により退任し、後任の代表...
《解 説》
一 本件の事案は、次のとおりである。
気象庁職員で組織されている全気象労働組合の東北支部仙台分会は、給与の改善等を目的として、昭和四六年七月一五日午前八時五分ころから同四八分ころまで、約四〇名の組合員ら(そのうち、当日午前八時三〇分から勤務することを要する者は二一名)を集めて...
《解 説》
一 本件は、タクシー業界も自由競争の働く場であり、タクシー運賃もすべてのタクシー業者が同じ基準で統一されなければならないものではないとの判示部分が、行政庁が指導方針としている同一地域同一運賃の原則を批判したものとして、大きく取り上げられ、新聞紙上等に報道されたものである。
大...
《解 説》
本件は、厚生年金保険法(以下「法」という。)に基づく厚生年金保険の被保険者であった者が、いわゆる重婚的内縁関係を維持したまま死亡した場合において、その者の戸籍上の配偶者に遺族厚生年金の受給権があるかどうかが争われた事案である。
法上被保険者死亡のときに遺族厚生年金を支給される...