《解 説》
一 Yの嘱託社員であるXが、自転車用幼児乗せ荷台に関する意匠(本件意匠)を創作したのに、Yが従業員某を創作者として登録出願して設定登録を得てしまったとして、意匠登録を受ける権利の喪失を理由に損害賠償を請求した事案である。判示事項との関係で問題となる争点は、Yの冒認出願によりXの...
《解 説》
一 事案の概要
1 事実関係
本件の事実関係は、本判決に詳細に記載されているとおりであるが、その概略は、次のとおりである。
大正五年に旧帝国在郷軍人会箕面村分会(以下「分会」という。)が箕面村の役場敷地内に建立した旧忠魂碑が、戦後の一時期、碑石部分だけが取り外されてその付...
《解 説》
都市計画には、その区域の道路で必要なものにつき、その位置、区域、種別及び構造を定めるものとされ(都市計画法一一条一項一号、同条二項、同法施行令六条一項一号、都市施設に関する都市計画決定と呼ばれる。)、その区域内において建築物の建築をしようとする者は、都道府県知事の許可を受けなけ...
《解 説》
一 出願商標の具体的登録要件としての審査段階で、避けて通れない先願引用商標との類否判断に当たっては、商標の外観、観念、称呼の三要素にわたって順次対比、検討してゆくのが、従来からの手法とされ、ことに称呼は、市場での多人数の立会い、隔地間の電話などを含め、迅速な取引の実情から最も重...
《解 説》
一 原告は、被告(武蔵野市)が制定した「武蔵野市宅地開発等に関する指導要綱」(本件指導要綱)に基づいて、被告に教育施設負担金一五二三万円余を納付して同市内にマンションを建築したが、被告が本件指導要綱ないしはこれに基づく行政指導が違法な公権力の行使に当たると主張して、右教育施設負...
《解 説》
一 本件は、家裁において家事審判に対する請求異議の訴えを損害賠償請求の訴えに交換的変更することが許されるか否か、これが許される場合には変更後の新訴である損害賠償請求の訴えを家裁から地裁に移送すべきであるか否か、という法律問題が争点となった事案である。
K(夫、原告)とB(妻、...
《解 説》
本判決は、例年秋の正倉院展などで、その精緻な織と、今になほ新鮮なデザインによって、来観の人々に讃歎の眼をひらかせる古代裂等の復元に関する織物に関して、不正競争防止法上の商品主体混同行為、意匠権侵害、商標権侵害が問われた事案であって、古美術の復元にかかわる技術ないしデザインを知的...
《解 説》
一 原告(上告人)は、平成三年四月二一日施行の愛知県蒲郡市議会議員一般選挙(以下「本件選挙」という。)に立候補し、当選(最下位当選)した者である。原告の当選の効力については、蒲郡市選挙管理委員会に対して異議の申出がされ、同委員会は、これを棄却する決定をしたが、更に被告(愛知県選...
《解 説》
一 Xは、昭和六〇年八月二五日、山中湖のテニスコートにおいて、Yが製造・出荷したテニスシューズを履いてテニスをしていたが、休憩時間に近くの遊動円木に乗って遊び、地面に飛び下りたところ、靴底が突然剥がれて足が滑ったため、右踵骨を骨折するという事故にあった。
そこで、Xは、テニス...
《解 説》
一 Yは、昭和四五年、Xから土地を賃料月額六七六〇円で賃借し、右土地上に居宅を所有して生活している。XはYに対し、賃料を昭和五七年一〇月から月額三万六〇五二円に増額する旨、同じく昭和六二年一月から月額四万八八二一円に増額する旨の意思表示をその都度した。Yは右増額を争い、従前額の...
《解 説》
一 本決定は、競売事件の債務者・所有者以外の第三者であっても、執行妨害の目的で、債務者・所有者の関与の下に占有している者は、その占有補助者として、売却のための保全処分(民執五五条)の相手方となるとし、また保全処分の公示を執行官に命じることも認めた高裁決定である。
原決定(東京...
《解 説》
一 本件は、和議申立(株式)甲会社提供の和議条件について債権者集会において採決・可決され、裁判所が和議認可決定をしたので、一部債権者X1他が不服としてした即時抗告であるが、抗告審は即時抗告を棄却した。
二 判示事項一について
1(1) 抗告理由第一点(なお、本件抗告理由はい...
《解 説》
一 所得税法七八条一項、二項一号は、所得控除の一つとして寄付金控除を規定し、個人の国又は地方公共団体に対する寄付金について、その年中に支出した右の寄付金の額の合計額につき、その者のその年分の総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額の合計額の二五パーセントに相当する金額を限度とし...
《解 説》
一 Xら及びXの被相続人Aは、昭和三五年、Bとの間で、本件土地についての賃貸借契約を締結すると共に、Bは、Xらに対し、敷金及び保証金を差し入れた。昭和六〇年、Xらは、Cに対し、本件土地を右賃借権の負担のついたままで譲渡したが、その際、返還すべき敷金等の額が問題となり、当事者間で...
《解 説》
一 Xは、昭和六二年六月当時、兵庫県立加古川北高等学校一年に在籍していたが、同月二四日、正規の体育水泳授業において、校内に設置されたプールのスタート台から逆飛び込みをしたところ、頭部をプールの底部に激しく打ちつけ、頚椎圧迫骨折、頚髄損傷の傷害を受け、上下肢不完全麻痺の障害者にな...