《解 説》
Yは、幼稚園、小学校、中学校及び高校を設置し、一貫教育をその特色としている学校法人である。Xは、昭和五九年四月Yの幼稚園に入園し、同六一年四月Yの小学校に入学した児童であるが、小学校から中学校への進学をYから拒否されたので、①Yとの間の在学契約は特段の事情のない限り上級学校への...
《解 説》
一 本件の事案は、次のようなものである。
上告人柴沼弘道は、平成二年一二月執行の茨城県議会議員選挙に立候補し、県選挙管理委員会から当選人の告知を受けたが(以下この選挙を「本件選挙」という。)、県選挙管理委員会は、落選した他の候補者からの異議の申出を受けて、本件選挙における上告...
《解 説》
本件の事実関係の概要は、次のとおりである。Xの先代はY1に建物を売り渡した後死亡し、Xがその代金請求権の一部を相続した。Y1から右売買に関する事務の委任を受けていた弁護士Y2は、Xの所在が不明であったため、同人の戸籍附票等に記載された住所に連絡を取って所在を調査し、弁護士会館で...
《解 説》
一 ①②③事件は、民事執行法五五条の売却のための保全処分、④事件は同法七七条の買受人のための保全処分に関する決定である。いずれも債務者・所有者以外の第三者に対して(①④事件では所有者に対しても)、①④事件では執行官保管が命じられ、②③事件では競売建物からの退去が命じられた。
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《解 説》
一 原告X会社内には、労働組合が三つ存在しており、X会社は、そのうち二組合には組合事務所を貸与したが、被告補助参加人Z支部には貸与しなかった。
Z支部は救済を申し立て、地労委は、X会社に対し、組合事務所をZ支部に貸与するよう命じる救済命令を発した。X会社は再審査を申し立てたが...
《解 説》
本件は、オートマチック(AT)車の暴走事故について、運転者の過失が認められた事例である。
被告人は、車を発進させた後、低速で走行していたが、対向車を認めて車を減速しようとしたところ、車が急加速して暴走し、歩行者一八名に次々と衝突して傷害を負わせる事故に至った。
被告人は、公...
9 ロ免責不許可事由の存在を認めながら、抗告審係属後に破産者の親族の資金で債権者らに一部弁済をしていることなどを理由として、原決定を取り消して裁量により免責を許可した二つの事例
((1)事件仙台高裁平5・2・9決定)
((2)仙台高裁平5・3・19決定)
《解 説》
Y市立中学校二年生Aはハンドボール部に所属し、他の部員らと学校の周囲において持久走をしていたところ、下を向いて走っていたため、立ち話中のX女(七六歳)に気付かずに衝突した。このためXは負傷し、入院して人工骨頭置換術を受けるなどの傷害を負った。Xは、部の指導教諭Bにおいて生徒に対...
《解 説》
XとYは、昭和五一年五月にX製造のフルートをYが購入して販売するとの継続的売買契約を、期間二年、期間満了の三か月前に書面で更新拒絶をしない限り二年ずつ自動更新し、契約違反があった場合、違約者はその違約取引額に相当する金額を違約金として他方に払うなどの特約を付して締結した。XがY...
《解 説》
一 X会社とZ組合は、Z組合員の出向の是非を巡って対立状態にあったが、X会社は、右対立がとけないままZ組合員三九名に対し出向命令を発した。
Z組合はこれに反発し、組合員二九名を動員して、早朝に出向先Aの正門前で出勤してくるAの従業員にビラを配布し、約三〇分間にわたってスピーカ...
《解 説》
本件は、X(銀行)がA会社に対して三億円を貸付け、その社長であるYが連帯保証をしたところ、Aが期限の利益を喪失したため、Xは質権を実行するなどした上、残債務をYに対して請求したケースである。Yは、これに対して、Aの借入れは、B(保険会社)との間で締結した一時払変額保険の保険料支...
《解 説》
A建設会社は、本件マンションの建設、分譲に際し、マンション管理規約を作成し、昭和六一年二月一五日以降、Y以外の入居者は右規約に従い、管理費(専有面積一平方メートル当たり月額二〇〇円とされる)及び補修積立金(管理費の一割とされる)を本件マンション管理組合Xに支払ってきた(なお、右...
《解 説》
一 Xは、群馬県高崎市の会社に勤務する会社員であるが、昭和六三年一二月、同市内のスナックで酒を飲んだ後、同市内の運転代行業者に業務用として使用していた会社所有の自動車の運転を依頼し、自ら助手席に同乗して帰宅中、市道交差点において、赤の点滅信号で一時停止しなかった乗用車と出合い頭...
《解 説》
一 本件は、女子高生校門圧死事件として社会的に注目をあびた事件の判決である。事案は、当時県立高校の教諭であった被告人が、生徒に対する生活指導の一環として生徒通用門付近に立ち、遅刻者を確認するとともにその指導をするため門扉を閉鎖する業務に従事中、予鈴チャイムが鳴り始めた時刻に通用...
《解 説》
地上七階建、延床面積九一六七・一五㎡の本件マンションは、専有部分として、一、二階に店舗、駐車場、倉庫等を有し、二階以上に居宅一〇八戸(二階は賃貸用、三階以上は分譲)を有する。昭和五二年五月に建築され、分譲されている。
マンションの管理業務は、以前はマンション管理会社のY2が行...
《解 説》
相続税法によれば、相続により取得した財産の価格は、原則として、当該財産の取得の際の時価によることとされている(同法二二条前段)。課税実務は、宅地については、「財産評価基本通達」(以下「通達」という。)を適用し、いわゆる路線価方式等によりその「時価」を評価すべきこととされているが...
《解 説》
A会社は、主として搬送機械器具の製造販売及び賃貸を業とする会社であるが、昭和六一年八月一五日二回目の手形不渡りを出し、同年九月二四日破産宣告を申し立て、同年一〇月三日破産宣告を受けた。Y1及びY2は従前からA会社と取引をしていた信託銀行であり、Y3はA会社が支援を求めた事業家で...
《解 説》
一 労働者災害補償保険法(以下「労災保険法」という。)施行以前に、発がん性を有する化学物質であるベンジンの製造業務に従事し、同法施行後にぼうこうがん等を発病した労働者(以下「本件被災者ら」という。)本人及びその遺族が、本件被災者らは、ベンジンの製造業務に従事したことに起因して右...