《解 説》
一 Xらの所有又は共有に係る本件各土地は、がけに隣接した一体としてみると比較的整った台形状の宅地であって、宅地造成等規制法三条一項による規制区域に指定され、また、兵庫県建築基準条例が定めている「がけ地に建築物を建築する場合には、がけの態様等又は建築物の用途、構造等により安全上支...
《解 説》
一 現行法上、風俗営業については、風俗営業の規制及び業務の適正化等に関する法律(以下「風営法」という。)によって、営業所ごとに、当該営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会の許可を要することとされ(同法三条一項)、その許可の基準が定められている(同法四条)とともに、その委任に...
《解 説》
一 建物所有を目的とする賃貸借契約について借地非訟手続が導入されて二六年になるが、その間には、条件変更の裁判を得ながら相当期間にわたり堅固建物の建築をしないで経過したとか、一旦は予定どおりの堅固建物を建築したが長期間を経てより規模の大きな堅固建物に改築する必要が生じたという事例...
《解 説》
一 判示事項に関係する事案の概略は以下のとおりである。
1 破産者は、証券会社であるが、昭和五七年七月、破産宣告を受け、Xが破産管財人に選任された。Yは、京都駅前の公共地下道及び店舗等の建設とその管理運営を目的に国鉄等の出資で設立された会社であるが、昭和五五年四月一日、破産者...
《解 説》
一 本件は、建設業者であるXが土地所有者であるYとの間で店舗用建物全部の建築工事の請負契約を締結し、その工事を完成させたとして、Yに対しその工事残代金の支払いを請求したものである。
Yは、本案につき、その工事は、建物構造部分はYが注文したものの、その余の大半の工事は店舗賃借人...
《解 説》
本件の事案の概要は、次のとおりである。
原告は、自己所有地にワンルームマンションを建設して土地と共にこれを売却すること(いわゆる専有卸)を計画し、売先を探していたが、被告との間で交渉がまとまり、原・被告間で協定書が作成された。協定書の骨子は、①売買代金は専有坪単価四〇五万円とす...
《解 説》
一 本件事案の概要は以下のとおりである。
1 被告は、当時県議会議員の地位にあった原告について、朝刊の社会欄に、「県議、組長と灰色交際」「神戸区画整理事業めぐり」の見出しを付け、その下に原告の上半身の写真とともに、「個人の権利に絡む灰色交際。議員として軽率な行動」、「再開発事...
《解 説》
Xは、平成三年二月四日、Yから信号無視、駐車違反等の道路交通法違反行為を理由に六〇日間の運転免許効力停止の処分を受けたが、これを不服として福岡県公安委員会に対し処分取消しの審査請求をした。同委員会は右請求を棄却する旨の裁決をしたところ、Xは、右違反行為のうち信号無視については事...
《解 説》
Xの娘であるA(当時一八才)はY(当時二六才)と心中を図ったが、Aのみが死亡し、Yは生き残った。Yは自殺幇助事件として起訴され、実刑判決を受けた。XはYに対し、Aの死はYが教唆したものであると主張し、Aの逸失利益及び慰謝料の相続分並びにX自身の慰謝料総計九三九七万円余の内金とし...
《解 説》
一 本件は、難民国際救援センター内におけるベトナム難民間の殺人事件の控訴審において、過剰防衛の成立を認めるに止まった原判決が破棄され、正当防衛に該当する余地のあることを理由に無罪が言渡された事例である。
二 事案の内容は、被害者が被告人の姪の部屋に押し入って同女に対して包丁を...
《解 説》
一 Yは、飲食店経営を目的とする株式会社として「大番寿司」なる屋号で寿司店の経営を手広く行っており、訴外Aは、右寿司店のうちの一つである本件店舗の店長としてYに雇われていた者であるが、その後本件店舗の経営は、右A・Y間の委託経営方式に切り換えられ、Aは自己の責任と負担のもとに右...
《解 説》
Xは医師Aに対する執行力ある判決正本に基づき、平成二年一月、Aの社会保険診療報酬支払基金に対する診療報酬債権を差し押えたが、支払基金は、AからYに債権を譲渡した旨の通知を受けていることを理由に被供託者をA又はYとして法務局に供託した。Yは、昭和六一年内にAに対して金銭を貸し付け...
《解 説》
一 亡A(死亡当時七一歳)は、直腸癌の治療のため、昭和五七年六月九日、国立埼玉病院に入院し、同病院の医師Bの執刀によりマイルス術(直腸切断摘出と人工肛門の造設術、以下「本件手術」という。)を受けることになった。本件手術は、同年七月五日、執刀医Bのもとで実施され、患部の摘出手術自...
《解 説》
一 X(原告・被控訴人・附帯控訴人)は、昭和四三年四月から、Y(被告・控訴人・附帯被控訴人)の経営する保育園で保母として勤務している者であるが、昭和四五年九月ころから時々、肩や背中に痛みを感じ、昭和四七年四月ころから右腕と右肘の筋肉に非常な痛みを感じるようになったため、病院で診...
《解 説》
超豪華マンション(販売価格一戸当り九億円から二六億円)の土地購入資金及び建築資金の融資を受けながら、完成したマンションについて約束の抵当権等の設定をしない債務者(所有者)に対して、債権者が強制競売の申立てをしたが、その申立て直前、債務者(所有者)は、第三者をマンション内に入れ占...
《解 説》
一 Xが所有しAに賃貸中のマンション居室に、直上階の部屋から水漏れがあり、部屋の内部及びAの所有物件を汚損した。この水漏れ事故について、Xが、直上階の部屋の所有者Y1、Y1にその部屋を仲介した業者Y2、本件マンション管理組合との間においてマンション管理について業務委託管理契約を...