《解 説》
XらはY(電力会社)の株主であるが、平成二年六月に開催されたYの株主総会における利益処分案承認決議について、決議過程が違法であったと主張し、右決議の取消しを求めて出訴した。その理由は、総会の場でXらの事前質問状に対して一括説明がされたが、説明が尽くされていないこと、Xらの議決権...
《解 説》
周知のように、最二小判平3・4・19民集四五巻四号四七七頁、本誌七五六号一〇七頁は、特定の遺産を特定の相続人に「相続させる」趣旨の遺言は、遺言書の記載から、遺贈であることが明らかであるか又は遺贈であると解すべき特段の事情のない限り、当該遺産を当該相続人をして単独で相続させる遺産...
《解 説》
一 Xは、昭和六〇年七月当時、広島県立三次高校の生徒であって、同月二二日行われた同校野球部の試合に参加し、三塁手の控えの選手として三塁コーチス・ボックス付近にいたものであるが、試合開始前のノックの際、同部の監督が、レフトノックのための球を打ち損じたため、ライナー性の打球が左側に...
《解 説》
一 本件の原告は、全税関(全国税関労働組合)の支部組合であるX組合とこれに所属する組合員X1ら一一〇名であり、対する被告は国Y(横浜税関)である。
X組合は、当局がX組合の組合員に対し脱退工作をしたこと、第二組合を育成し、新入職員のX組合への加入を妨害したこと、庁舎管理規則を...
《解 説》
一 新潟県新発田市に居住するX(原告・控訴人)は、昭和六一年四月二七日、自宅八畳の居間の暖炉に薪を数本入れて点火し、ガスストーブにも点火して暖をとった後、暖炉及びストーブの火をつけたままにしておいて、近くのドライブインで食事をするため妻らと外出し、パチンコ店でパチンコをしていた...
《解 説》
Y1が保有し、Y2の運転する乗用車がセンターラインを超え、X1が運転し、X2が同乗する乗用車と衝突してXらを負傷させた。本件はXらからYらに対し、右交通事故による損害賠償を求めた事案であるが、Xらの負傷の程度が問題となった。特にX2の場合、事故があった平成元年一月一五日から同年...
《解 説》
一 原告は、出向先である子会社における上司の指示命令違反、上司に対する侮辱的言動などを理由に、出向先の子会社から出勤停止処分、出向元の親会社から、出向解除命令並びに降格及び役付罷免処分を受けた。そこで、原告は、親会社を任意退職後、親会社及び子会社に対し、本件懲戒処分の無効確認及...
《解 説》
一 不動産賃貸業を営む株式会社X1は、その所有に係るショッピングセンターの建物( 以下「本件建物」という。)をその敷地であるX2(X1の代表取締役)、A所有の各土地(以下「本件土地」という。)とともに共同でBに売り渡した(以下「本件売買契約」という。)が、その売買契約書には、①...
《解 説》
本件は、韓国人Aを被相続人とする遺産分割審判の即時抗告審の事例である。
本決定は、Aが日本に永住していたことから日本の裁判所に国際裁判管轄を認め、平成元年法律第二七号による改正前の法例二五条(現行法例二六条)により大韓民国民法(一九九〇年法律第四一九九号による改正前のもの。そ...
《解 説》
一 土地に対する担保権実行としての競売事件において、債務者兼所有者及び賃借権を主張する第三者らが、執行妨害を目的として土地上に土砂を搬入し、建物を建築した。そこで原決定(東京地決平4・9・16本誌七九七号二五八頁)は、売却のための保全処分(民執五五条一項)として、土砂の撤去、建...
《解 説》
一 本件のうち判示事項に関係する部分(罪となるべき事実の第二)の事実関係は、被告人ら(衣料品の製造を目的とする会社の従業員とその販売を目的とする会社の代表取締役)が共謀のうえ、アメリカ合衆国法人が被服などを指定商品として登録を受けている、同国のプロバスケットボールチームのシンボ...
《解 説》
一 本件は、死刑判決確定者として東京拘置所に拘置されているZ(被拘束者)について、Xら(被拘束者の刑事再審請求弁護人及び実姉)が、Zの精神状態は異常であるから治療の必要性があるとして、人身保護法に基づき、東京拘置所長Yを拘束者として、主位的に、東京都立の精神病院への移送を求め、...
《解 説》
銀行、信用金庫等の金融機関が用いている定型の根抵当権設定契約書では、その被担保債権の範囲を「銀行取引(信用金庫取引、信用組合取引)による債権」としている。この場合に、金融機関が根抵当債務者に対して有する保証債権が右被担保債権に含まれるかについて、被担保債権に含まれるとする積極説...