《解 説》
判示事項一について
判示事項一は、捜索場所としてモーテルの「管理人室内」と記載されている捜索差押許可状の場所的範囲について判示したものであって、管理人室から植込を挟んで約一〇メートル離れた場所に存在し物理的には独立しているプレハブ平屋建建物が、モーテル敷地内では最も管理人室に...
《解 説》
本判決は、処断刑の範囲を超えた罰金を科したことを理由に、非常上告をいれて、確定した略式命令を破棄し、自判したものであるが、その前提として、酒気帯び運転の所為(道交法六五条一項、一一九条一項七号の二)とその際の免許証不携帯の所為(同法九五条一項、一二一条一〇号)の罪数について、こ...
《解 説》
本件は、昭和五九年制定の東京都条例「東京都公文書の開示等に関する条例」に基づき、法人格のない団体である原告が、被告東京都知事に対し、東京都知事の交際費に関する支出命令書、現金出納簿等の書面の開示を請求したのに対し、被告が、支出命令書のみを認め、その他の書面は開示しなかったため、...
《解 説》
事実関係は、次のとおりである。債権者が登録の方法により仮差押えをした自動車について、仮差押えの登録の後、第三者が所有権取得の登録をし、自動車の占有を取得した。仮差押債権者は、債務者に対して仮差押えの被保全債権について本案判決を得て、債務者を当事者として、本執行としての強制競売の...
《解 説》
一 本件は免職等の懲戒処分を受けた元自衛官たる原告が、右処分の取消を求めたものであるが、本判決は、右訴えが行政事件訴訟法一四条一項所定の出訴期間を徒過した不適法な訴えであるとして、これを却下したものである。
二 自衛隊法四八条の二は、自衛隊員に対する免職等の処分について審査請...
《解 説》
土地区画整理法九八条二項は、仮換地を指定する場合に、同法に定める換地計画の決定の基準を考慮しなければならないと定め、右基準の一つとして、同法八九条一項は、換地計画において換地を定める場合においては、換地及び従前地の位置、地積、土質、水利、利用状況、環境等が照応するように定めなけ...
《解 説》
一 事案の概要
A(昭和一七年一二月一三日生、男性)は、左右脇腹、臀部等に赤い発疹ができ、かゆみを覚えるなどしたため、昭和五八年一月二六日午後五時四五分ころ、Y医院を訪れ、Yより診察を受けた。Yは、Aに対して肝臓疾患の有無等を問診し、さらに触診をした上で、Aの症状を外因性皮膚...
《解 説》
一 本件は、いわゆる京都ホテルの高層化に反対する市民運動の一環として、提起された住民訴訟の一つである。京都ホテルの改築に先立ち、京都市は、京都ホテル所有の本件土地(道路)につき、道路廃止処分をしたうえ、ホテルに隣接する京都市所有の公衆用道路を交換した。原告らは本件道路廃止処分が...
《解 説》
一 Xは、平成元年一月当時、Y(JR東日本)の秋田支店大曲保線区の施設係として勤務していた者であるが、昭和六三年三月から昭和六四年一月までの間に、四回にわたり自己の社員用割引券で購入した乗車券を部外者に譲渡するという割引券の不正使用を行ったとして、平成元年一月三一日、懲戒解雇処...
《解 説》
一 Xは、化粧品等の委託販売業を営む会社であり、昭和二六年ころから、Y1との間で化粧品等の販売を委託する旨の商品委託販売契約を締結したうえ、商品の販売を委託してきたものであるが、Y1は、昭和五七年ころから、自ら健康食品及び化粧品を販売する二つの会社を設立し、Xの販売網を利用して...
《解 説》
一 内国法人に対しては、各事業年度の所得について各事業年度の所得に対する法人税が、清算所得について清算所得に対する法人税が課されるのが原則である(法人税法五条)が、内国普通法人等の清算中に生じた各事業年度の所得については、当該法人が継続し又は合併により消滅した場合を除き、各事業...
《解 説》
本件の事案は複雑でなく、本判決文に当たれば理解可能である。すなわち、商品のパンティーストッキングの買主である原告(被上告人)が商品を受領後判明したところによると、瑕疵のある商品だったので、その損害賠償を被告(上告人)に請求しているという事案である。被告は、商法五二六条所定の検査...
《解 説》
Xは自動二輪車にAを同乗させて通行中、前方で交通取締りが行われているのを見、ヘルメットを着用していなかったことから、検挙を避けるため、自動二輪車を反転させ、その場から逃走を試みた。付近にいて速度違反の現認に当たっていた警察官Bは、停止合図か護身に用いる目的で椅子を持って道路に出...
《解 説》
一 Xは、訴外A会社の代表者Bの実兄であるが、訴外C銀行から、Yの振出に係る約束手形五通(金額合計四三五〇万円)の交付を受けてこれを所持しているとして、Yに対し、内金三八〇〇万円の支払いを求めた。
これに対し、Yは、右手形は、YがA会社の資金繰りを援助する目的で、A会社宛に振...
《解 説》
一 今回紹介する二つの決定は、いずれも土地建物の担保権実行としての競売事件で、買受人のための保全処分(民執七七条)として、所有者A、賃借権設定仮登記権者B及びBから管理を頼まれたと主張するCに対し、これらの者が執行妨害を目的として競売土地建物を現実に占有する等のおそれのあること...
《解 説》
X1、X2、X3、Y及びSは共同相続関係にある。第一審で、X1、X2、及びX3はYに対して遺産分割無効確認、持分更正登記手続等及び建物収去の各請求を併合して提訴した。第一審裁判所はそのうち遺産分割無効確認請求を全員の関係で認容し、持分更正登記手続等請求につきX1の関係で認容した...
《解 説》
一 Xは、千葉県から許可を受けて産業廃棄物の収集、運搬を業としている会社であり、千葉県内で産業廃棄物最終処分場を設置する計画を進め、千葉県知事から許可を受けるため、周辺の地権者Y2~Y5の処分場設置についての「承諾書」を提出したものであるが、その後Y2~Y5が、右承諾書が偽造さ...