《解 説》
一 Xは、昭和六二年二月、名古屋市内にある遊戯場を、その所有者から、賃料月額五〇万円、期間一年と定めて賃借し、右遊戯場においてパチンコ店を経営してきたが、昭和六三年三月に右遊戯場を買受けたYが、右遊戯場の賃貸借は一時使用のためのものであり、解約申入れにより終了したとしてXの賃借...
《解 説》
一 地方税法七三条の一三第一項、七三条五号は不動産取得税の課税標準を適正な時価としているが、同法七三条の二一第一項本文は固定資産課税台帳に価格が登録されている不動産の不動産取得税の課税標準を登録価格とする旨を定めている。そして、同項ただし書は「増築、改築、損かい、地目の変換その...
《解 説》
Xは昭和五四年一一月、亡父の後妻Aとの間で養子縁組をし、AがY市の区役所に届出をした。当時の民法七九五条によれば、養子縁組は配偶者とともにしなければならないとされていたが、Xには妻Bがいた。区役所の戸籍記載係はXの戸籍の身分事項にAの養子となる旨縁組届出を記載した後、審査担当者...
《解 説》
判決文によると、本件における被告人の尿の任意提出、差押を巡る事実関係は、概要以下のとおりであった。
被告人は、一月二九日午後五時すぎころ、札幌市内のコンビニ店で心身の異常をきたし、通報により駆けつけた警察官が手配した救急車で病院の集中治療室に収容された。治療に当たった医師は、...
《解 説》
一 本判決は、次の三点について判断を示したものである。
(1) 民訴法一七一条一項の事理を弁識するに足るべき知能を備える者の意義及び七歳九月の児童が事理を弁識するに足るべき知能を備える者に当たるか否か(補充送達の受領能力)。
(2) 訴状の有効な送達がないままされた判決が確...
《解 説》
本件は、簡易裁判所が期間を徒過してなされた仮執行宣言付支払命令に対する異議申立を適法なものとして地方裁判所に事件記録を送付したのに対し、右異議申立はその申立期間を徒過し不適法であるとして、判決をもってこれを却下した事案である。
ところで、簡易裁判所が不適法な異議を適法として処...
《解 説》
一 ここに紹介する二つの判決は、覚せい剤取締法違反等被告事件につき、採尿に至る捜査手続に違法があるとしたが、尿の鑑定書等の証拠能力は肯定できるとしたものである。
二 採尿手続に先行する手続に違法があった場合の尿鑑定書の証拠能力に関し、最二小判昭61・4・25刑集四〇巻三号二一...
《解 説》
一 Aは、妻Y1(被告・控訴人)と不和となって別居し、夫と死別していた職場の同僚の女性X(原告・被控訴人)及びその娘二人とで暮らすようになって約一〇年経過後、Xに遺産全部を包括遺贈(本件遺贈)する旨の公正証書遺言をし、その約一年後に死亡した。ところが、遺産の不動産甲・乙について...
《解 説》
一 Xらは、土地区画整理組合により所有地について換地処分を受け、さらに同組合から「宅地整備補償金」の名目で保留地予定地の処分に係る余剰金の交付を受けたものであるが、本件は、右金員が課税所得に当たるか、また譲渡所得か一時所得かが争われた事案である。
Xらの被相続人である亡Aは、...
《解 説》
本件は、マンションの売買について、瑕疵担保責任に基づく解除が問題になった事案である。
原告は被告から、新築後まもないマンション及びその敷地、並びにそれに隣接する土地を一括して買い受けたが、右マンションは著しい雨漏りや水道管の破裂事故・浄化槽からの汚水漏れ等が発生する欠陥建物で...
《解 説》
X信用保証協会はYに対し、信用保証契約に基づき、一〇三万円余の求償金債権を有しており、第一審において昭和六二年二月二〇日、Y欠席によりX勝訴の判決が言い渡された。しかし、Yに右判決が送達されないうちにYは同年六月一〇日死亡した。Xは、Yの戸籍謄本を調べ、Yの子としてA及びZの二...
《解 説》
一 本件は、昭和天皇の大喪の礼が予定されていた平成元年二月二四日に、大阪市立大阪城音楽堂(以下「本件音楽堂」という。)において集会開催を企画したXが、Y1(大阪市)教育委員会社会教育課長Y2らに、本件音楽堂の使用許可申請の受理を拒否されたため、Y2に対しては民法七〇九条に基づき...
《解 説》
一 X(原告・控訴人)は、ラジオ及びテレビの放送業を営む会社であるが、Xの番組制作の現場においてアシスタント・ディレクター、音響効果、スタジオ・カメラ、照明業務に従事している下請三社の従業員で組織するA労働組合(補助参加人)の申入れによる「就労に関する諸条件」についての団体交渉...
《解 説》
一 本件は、土地に対する担保権実行としての競売事件において、売却のための保全処分(民執五五条一項)として、債務者兼所有者A、賃借権仮登記権者B、その移転仮登記を得たC、及びBから転借したと主張するDに対し、これらの者が執行妨害を目的として競売土地上に土砂を搬入し、建物を建築した...
《解 説》
一 大阪に本店を置き海上運送事業・港湾運送事業等を営むX会社は、関東進出を意図して、港湾運送事業法に基づく一般港湾運送事業免許を有するA社の買収(資本参加)をすることにし、その株式をY1及びY3会社から買った(Y2は、その売買に関与)。ところが、A社は、会社更生手続開始の申立て...