《解 説》
申立人は、約二年前、相手方との間で抵当権設定契約を結んだ後、抵当権設定の本登記や仮登記を取得しないままでいたところ、相手方が登記手続に応じない状態になったとして、不動産登記法三三条の仮登記仮処分を求めた。
裁判所は、一般論として仮登記仮処分の手続における申立人の疎明責任につい...
《解 説》
本件は、横田基地公害訴訟(控訴審判決・東京高判昭62・7・15本誌六四一号二三二頁、現在上告審係属中)の原告らが、仮執行宣言及び仮執行免脱宣言の付された控訴審判決に基づいて行った国に対する動産強制執行(郵便局における現金に対する執行)が不法行為を構成するとして、国が、右強制執行...
《解 説》
一 本誌本号には、現金買収の事案につき、供与者二名に対し無罪の言渡しをした東京高裁第三刑事部の判決が登載されているが、ここに紹介するのは、右判決の約二月後に同高裁第一一刑事部により言い渡された、同一事件の受供与者五名に対する無罪判決である。
二 本件においても、供与者側の事件...
《解 説》
一 Xは、昭和六三年四月当時満一八歳で、自動車修理会社の自動車整備工として勤務していた者であるが、友人であるY運転の乗用車に他の友人二名と同乗してドライブ中、Yの対向車線への滑走の過失による交通事故により右眼破裂等の傷害を負い失明するに至った。
そこで、Xは、Yに対し、自賠法...
《解 説》
一 本件は、岩手県立北陽病院に措置入院中の精神病院患者Aが、昭和六一年四月一九日、同病院の治療の一環である院外散歩の途中に離脱し、四月二三日、横浜市内で金員を奪取する目的で通行人Bを刺殺した事件について、Bの遺族であるXらが、北陽病院の設置者であるYに対し、国家賠償法一条一項に...
《解 説》
Aは子宮筋腫が増悪し、B病院に入院して子宮全摘手術を受けたが、翌日から呼吸困難を訴えた。B病院では酸素吸入の措置をとるなどしたが、Aの症状は改善されず、肺浮腫が疑われ、AはYの設置する病院に転院された。Aの呼吸困難は転院二日後の朝さらに増悪し、呼吸停止の状態に達し、人工呼吸によ...
《解 説》
一 本件の事案は、本決定が引用する原決定の理由第一「経緯」の欄にまとめられている。これによると、原告の養父で、被告の兄である亡小林誠吉は、三回にわたって公正証書遺言をし、被告は二回目の遺言に基づき、亡小林誠吉所有の不動産について、相続を原因とする所有権移転登記を経由した。これに...
《解 説》
一 本件は離婚、財産分与請求訴訟中に被告夫がその所有する財産を実妹に贈与したという事案に関するものである。
二 財産分与請求権を保全するために詐害行為取消権の対象となるかについては、従前これを本格的に論じた判例学説が見当たらない。財産分与はその協議、審判、取消判決が確定して初...
《解 説》
本件は、富士銀行行員誘拐事件であり、被告人らは、同銀行の代表取締役頭取らからみのしろ金を取得しようと企て、帰宅途中の同銀行行員を拉致し、マンションの一室に監禁した上、頭取に対し、電話でみのしろ金三億円を要求したなどとして起訴された。事実関係には争いがなかったようであるが、弁護人...
《解 説》
本件の事案は、証券会社(被告)の担当者から外貨建てワラント債券の取引を勧誘された原告が、ワラント取引の仕組みや内容、その危険性について十分な説明も受けず、理解もしていなかったのに、右担当者が独断専行する形で原告のためにワラント債券の売買を行い、原告に相当な損害を与えたところ、原...
《解 説》
一1 本件は、ゴルフ練習場施設の賃貸借契約に関する仮処分申請事件の裁判上の和解において、賃貸借の目的・賃貸借期間を明示する和解条項が記載されていた(「1 利害関係人(Y)は債務者(X)に対し、ゴルフ練習場施設一切を次の通り賃貸する。(一)賃貸借の目的 ゴルフ練習場の経営 (二)...
《解 説》
本件は自治体が施行者となる都市再開発事業についての案の変更をめぐる差止及び損害賠償の住民訴訟であり、事実関係は複雑であるが、判旨の理解に必要な限度で要約すると、次のとおりである。
F県K市においては、駅西口に小規模な低層建物が密集し、広場が狭小であったため、昭和四六年ころから...
《解 説》
XとYらはゴルフ場を建設するための準備事業(地上げ交渉や官公署の許認可手続の前提としての事前協議等)を営むことを約した。そして、資本金一億円のZ会社を設立した。Z会社は資本金の払込証明書及び地元の信用を得るために二億円を預金することとし、甲から二億円(利息一二〇〇万円天引)、乙...
《解 説》
本件は、終日駐車を禁止されていた道路上に車両を駐車していたため、警察署長から近くの駐車場までこれを移動する措置を受け、署長からこの措置に要した費用として九〇〇〇円の納付を命じられ、かつ、その督促を受けた原告が、右納付命令につき、その無効確認を(出訴期間経過のため取消訴訟は提起で...
《解 説》
Xら二名は都議選立候補予定者の演説会の告知ポスターを所有者の了解を得て、駐車場の塀に貼っていたが、これを目撃した警察官らから職務質問を受けた後、自動車に乗せられて警察署まで連れて行かれ、同署に三〇ないし四〇分留め置かれた。本訴はXらから捜査の指揮に当たった警備課長Y2個人及びY...
《解 説》
一 事案の概要
1 本件訴訟の内容
Y会社(通信社)の本社第一編集局社会部(科学技術記者クラブに配属)に勤務する記者であるXが、休日等を含めて夏期約一か月間の休暇を取るべく休暇及び欠勤届を提出して年次有給休暇の時季指定をしたところ、Xの上司であるY会社の社会部長がその前半...