《解 説》
本件の一審被告Yは、超軽量飛行機の操縦訓練等を目的とする飛行クラブの主宰者であり、一審原告Xは、右クラブ員で、Yの指導のもとに超軽量機の飛行訓練を受けていた初心者であるが、Xは超軽量機に乗りジャンプ訓練中墜落して腰髄損傷等の傷害を受け、排尿・排便障害等の後遺症が残った。
Xは...
《解 説》
一 Aは、分娩予定日を昭和六三年三月二五日とする三一歳の初産婦であったが、同年一月八日からYの開設する医院で受診していた。Aの血圧は、昭和六二年八月二四日には最高一〇六、最低七六であったが、昭和六三年二月二日には最高一四三、最低七八となり、三月一四日には最高一六九、最低九九、さ...
《解 説》
一 XとYは、昭和一七年に婚姻した夫婦であるが、Xは、昭和二四年ころから自分の経営する店の従業員であったAと不貞関係を続け、Aとの間に生まれたBを認知した。Xは、Y及び二人の子の居住する自宅とA宅とを行き来する生活を続けていたが、昭和四〇年に事業拡大のために上京する際、AとBの...
《解 説》
一1 本件は、株式上場会社(原告X)から証券取引法第一八八条一項に対する主要株主(被告Y)に対し同法一八九条所定の利益を得たことを理由に、会社相殺後の残額を請求した事案で、第一審ではいわゆる欠席判決により、X勝訴。
2 Y控訴
Yは、証券取引法第一八九条は、会社の役員・主要...
《解 説》
一 ①事件は、不動産の登記請求権を保全するために行なわれた処分禁止の仮処分に際して、立担保額を二〇〇万円とする決定がなされたため、債権者が、担保金額が不当に高額であるとして即時抗告したのに対し、抗告審において原決定を変更し担保金額を一〇〇万円とした事案である。
担保命令におけ...
《解 説》
一 XはY1のいとこの子であるが、Y1は公正証書遺言の方式により、その全財産をXに遺贈する旨の遺言(本件第一遺言)をした。その後、Y1はY2を養子とする養子縁組(本件養子縁組)の届出をし、戸籍簿にその旨登載された。Xは、(1)本件養子縁組はY1の氏名が冒用されたもので、Y1には...
《解 説》
一 本件は、公判期日において、弁護人が、勾留中の被告人に対し弁護人が持参しているメモ用紙及び筆記用具の使用を認めること及び被告人が公判廷で作成したメモを直接弁護人に交付することを求めたのに対し、原審裁判官がこれを許さず、前者については拘置所の方で用意しているメモ用紙及び筆記用具...
《解 説》
一 本件は、いわゆる明治大学替え玉入試事件としてマスコミに大きく取り上げられた事件である。本判決で認定された犯罪事実は、明治大学の元職員や替え玉受験生らが共謀の上、同大学の入学選抜試験に際し、替え玉受験生らが志願者本人になりすまして受験し、答案を作成・提出したというものであり、...
《解 説》
一 本件訴訟は共同相続人間で、特定財産である借地権が民法九〇三条一項に定める「みなし相続財産」に属することの確認を求めるものであるところ、このような訴訟が許されるかどうかが争点になったもので、一審・二審とも、かかる訴えを不適法として却下したものである。
二 本控訴審判決は、①...
《解 説》
一 本件は旧河川法二条に基づき原告(控訴人)先代甲所有の本件土地(旧四〇五〇番・四六八七平方米)が信濃川の河川区域に認定されたが、本件土地を含む地域が昭和五〇年四月河川区域の廃止がされたのに、旧河川法四四条但書に定める下付は行なわれなかった(なお、本件土地近くの四〇四〇番の土地...
《解 説》
有罪判決には、理由として「罪となるべき事実」を示さなければならないが(刑訴三三五条一項)、傷害等の罪においては、傷害の部位、程度を明らかにしなければならず、かつ傷害の程度を表すためには、加療期間を判示するのが例であるとされている(司法研修所・六訂刑事判決書起案の手引一三〇頁)。...
《解 説》
一 本件は、両親が死亡し、配偶者も子供もおらず、長年一人で暮らしてきた明治四四年生まれの資産家の女性で、昭和六〇年一一月に脳出血で倒れて病気入院中の甲と、その兄弟姉妹(いずれも死亡)の子供、配偶者あるいは孫の乙らが、昭和六一年四月から昭和六二年一〇月にかけて養子縁組をしたのに対...
《解 説》
Xは、生命保険の募集等を業とするYの従業員であり、その従業員の一部で結成されたA組合の執行委員長として昭和四八年以降、組合活動に有給で専従していた者である。Yは、同五九年にA組合等との間で労働協約を締結し、組合専従者は専従期間中、無給休職とすることと定め、さらに同六一年九月に九...
《解 説》
一 必要な範囲で本件の事案を簡略に説明すると、Xは本件土地の大部分(甲部分)を不動産貸付けの事業(土地を賃貸していた)に供し、残りの部分(乙部分)を無償で五男の居住の用に供していた、Xはいわゆる等価交換方式によりビルを建築することとし、まず、甲部分の借地権を借地人から取得したう...
《解 説》
一 Xは、平成元年二月当時、設計事務所の事務員として勤務していた女性であるが、同月四日午後、JR荻窪駅南口の地下一階に通ずる階段を降りかけたところ、後方より駆け降りてきた小学生Y1に激突され、階段下まで転落して、肋骨亀裂骨折等の傷害を負い、通院加療を余儀なくされた。
そこで、...
《解 説》
一 Xは弁護士であるが、昭和六一年五月一日、公務執行妨害の容疑で現行犯逮捕され、代用監獄である愛知県警本部留置場に勾留中の被疑者の弁護人となるべく、勾留場所に赴き接見を申入れたところ、県警係官は、被疑者については接見禁止決定があり、検察官から一般的指定書の送付を受けているので、...