《解 説》
一 本件①ないし③の事件は、平成四年の一年間に、破産者の免責許可の申立てに関する抗告審における仙台高裁の決定例である(同高裁では平成四年の一年間にこの分野について、他には実質判断を示した決定例はない。)が、いずれも免責不許可決定に対する抗告審の決定であり、しかも、抗告棄却の結論...
《解 説》
一 Xら五二九人は、大阪府堺市三宝町周辺に居住しあるいは営業するなどして平穏な生活を営んでいる住民であるが、暴力団山口組系黒誠会内赤心会の組長Y1の元妻Y2が同町内に所有する五階建ビルが、暴力団事務所として利用されることが明らかであり、その結果、暴力団には宿命ともいえる抗争事件...
《解 説》
一 Xは、昭和六一年八月、自宅として神奈川県海老名市所在の建物を購入し、以後家族とともに居住していたが、昭和六二年一月、福岡県にある関連会社へ出向することになったため、Yに対し、右建物を期間を定めて賃貸し、その後期間を二年として更新した。
ところが、Xは、平成二年に福岡から神...
《解 説》
一 X1は、平安学園の理事であるとともに平安高校の校長であり、X2は、平安高校の事務局長兼理事であった。また、Yは、平安高校の在学生の父親であり、浄土宗本願寺派の住職である。
平安高校は、かねてから竜谷大学の推薦入学指定校であったが、昭和六〇年三月、平安高校の教師が生徒の学習...
《解 説》
本件は、建物の賃貸借契約の解除を転借人に対抗できるかどうかが主要な争点となった事案である。
原告は、被告Aに対し本件建物を賃貸し、被告Aは、原告の同意の下に、被告Bに対し本件建物を賃貸した。被告Aは、被告Bが賃料を支払わないことを理由として、原告に対し賃料支払を遅滞したため、...
《解 説》
一 Xは、平成元年一〇月五日夜、Y1の運転する自動二輪車の後部座席に同乗して、名古屋市内を走行中、Y1の運転ミスにより道路上に転倒し、頭蓋骨骨折等の重傷を負った。
そこで、Xは、加害運転者Y1と加害車両の保有者Y2に対し、介護費、逸失利益、慰謝料等合計約一億一五〇〇万円の損害...
《解 説》
本件は、被告人が男女の性交や性戯等の場面を露骨に撮影したわいせつビデオのマスターテープ(以下「一次テープ」という。)五四巻とマスターテープからダビングしたテープ(以下「二次テープ」という。)六巻を所持した事案であるが、被告人は、二次テープ六巻については販売目的を認めたが、一次テ...
《解 説》
一 Xら二四名はE県の住民であるが(但し、うち二名については控訴提起段階で県外に転出)、E県知事Y1による靖国神社の春、秋の例大祭への玉串料、夏のみたま祭への献灯料(一三回分合計七万六〇〇〇円)、県遺族会(会長Y1)を介しての県護国神社の春、秋の慰霊大祭への供物料(九回分合計九...
《解 説》
一 本件は、とくに死体損壊の態様が酸鼻を極めたものであること、犯行の動機につき悪魔祓いという特異な主張がなされたことにおいて、世間の耳目を集め、証拠関係も錯綜し、被告人らの精神状態に関する各鑑定結果が分かれたこと等から、裁判所の判断が注目された事件であるが、本判決では、かなり詳...
《解 説》
一 Xは、昭和四六年四月、市民団体パレスチナ難民支援センター等の支援によりレバノン共和国に渡航し、レバノン、シリアの各地の難民キャンプ等で医療活動を行っていたものであるが、昭和五七年九月、在シリア日本大使館を経由して、Y(外務大臣)に対し、数次往復用一般旅券の発給の申請をしたと...
《解 説》
本件の事案の概要は次のとおりである。すなわち、Xは、仲介者Aの紹介でYに対し、所有不動産を担保に四〇〇〇万円の融資を申し込み、一旦はYがXに四〇〇〇万円を貸し渡し、Xが不動産に抵当権を設定する旨の話し合いが行われていたが、本件契約日の昭和五八年三月八日になり、本件不動産を五〇〇...
《解 説》
一 X(原告・被控訴人)は、昭和五八年八月一九日早朝、普通貨物自動車を運転して国道上を走行中、道路側面のコンクリート壁に激突し、左大腿骨、膝蓋骨、肋骨及び胸骨骨折等の重傷を負ったので、右事故車に付保されていた自動車保険契約に基づき、Y(被告・控訴人)に対し、自損事故及び搭乗者傷...
《解 説》
一 本件は、被告人両名が、参議院に通用門から立ち入って本会議場の傍聴席に至った上、総理大臣が演壇で答弁を行っていた際、靴三個を次々と演壇に向かって投げ付け、「侵略戦争反対」などと繰り返し大声で叫ぶなどして議場を一時混乱状態に陥れた行為が、建造物侵入、威力業務妨害に問われた事案で...
《解 説》
一 原告は、前に、「縁組を継続し難い重大な事由」があると主張して離縁を請求したが棄却され、その判決が確定した。しかし、再び同種の事由を主張して離縁を請求した。被告は、本件訴えは前訴の既判力に抵触し不適法であり、そうでないとしても、事態は前訴当時と変化していないと主張した。
二...
《解 説》
Xは亡夫からゴルフ会員権を相続したが、右ゴルフ会員権はA↓Y↓B↓Cと無断で転売されてしまったため、Xは、Cらを相手どって別件訴訟を提起し、右訴訟においてBから和解金の支払を受けて右ゴルフ会員権をC名義とする旨の和解をした。Yは別件訴訟においてXから訴訟告知を受けたが、右訴訟な...