《解 説》
一 X1は、個人で不動産仲介管理等の営業活動をするかたわら、古物商の営業と金銭貸付けを行うようになり、昭和四二年一二月愛知県に対して貸金業の届出を行った。また、X1は、昭和四四年九月、不動産の売買、斡旋、金融業等を目的とする会社を設立して代表取締役となったが、引続き個人で金融業...
《解 説》
本件は、競馬にふけり、サラ金業者に多額の負債を生じた被告人が、自己破産の申立てをし、破産宣告決定を得て免責の申立てをしたところ、委任した弁護士から、免責決定が得られないおそれのあることを告げられ、思い悩むうち、たまたま目にした週刊誌の記事から、暴力団員を装い開業医から金員を脅し...
《解 説》
一 訴外Aは、昭和六〇年六月当時、熊本県技術吏員として勤務していた者であるが、同月三〇日、熊本県人吉市内から自動車を運転して観光のため宮崎県下の「えびの高原」へ出かけ、「硫黄山」付近に車を駐車し、徒歩で遊歩道を散策していたところ、突然地盤が陥没したため噴気孔に転落し、全身熱傷の...
《解 説》
本件の原判決は、Y税理士会が昭和五三年六月、会員から特別会費五〇〇〇円を徴収する旨決議(本件決議)したのは、税理士法改正運動資金として政治団体に寄付するためであり、右決議は税理士会の目的の範囲外であって、会員の思想・信条の自由を侵し、無効なものであるとして、Xの特別会費の納入義...
《解 説》
一 本件は、パリの超高級ホテルであるホテルリッツ(「HOTEL RITZ」。以下「本件ホテル」という。)を所有しながら、ロンドンにおいてホテル営業を営む原告が、昭和五六年二月ころから、我が国の屈指の一流ホテルであるホテルニューオータニの本館二階内において、「THE RITZ S...
《解 説》
一 本件は、著名な実業家である被告人が、仕手筋として知られた人物と密接な関係をもって、同人物の扱う株について昭和六二年と同六三年に大量の取引を行い総額約五六億七八七一万円の巨額の利益を得ていながら、その株取引による所得について申告せず、右二年分の所得税合計三三億九三七四万円余を...
《解 説》
本件は一般貨物自動車運送業を営むXの所得について、Y税務署長が経費率を同業者比率により推計して算出したのに対し、Xが経費を実額により主張して争った事案である。
本判決は、Xが課税の基礎となる帳簿書類等の提示を拒絶し、反面調査によっても必要経費の実額を把握することができなかった...
《解 説》
Xの先代A(原審係属中に死亡)ら二八名は、現在、厚木基地の用地となっている土地(地目は墳墓地)につき登記簿上共有者とされていたが、国Yに対し、土地明渡し及び賃料相当損害金の支払いを求めて出訴した。これに対し、Yは右土地を昭和一八年にAら代理人Bから買収したこと、仮にそうでないと...
《解 説》
本件の事案の概要は、次のとおりである。
原告は、被告らが原告の製造販売する測定顕微鏡に酷似した測定顕微鏡を製造販売したとして、不正競争防止法一条一項一号等に基づき被告らの行為の差止め等を求め本訴を提起した。これに対し、被告らのうち一名は、原告代表者が新聞記者に対し、「外観のよ...
《解 説》
一 公示送達によってされた第一審訴訟手続で敗訴した被告が、その後判決の言渡を知って控訴期間経過後に控訴した場合、控訴の追完を認めるかどうかの問題については、すでに最二小判昭36・5・26民集一五巻五号一四二五頁、最二小判昭42・2・24民集二一巻一号二〇九頁、本誌二〇五号八九頁...
《解 説》
一 Xは、夕食材料の販売事業を営むものであるところ、右事業に参加を予定していたAらから既払金の返還や損害賠償を求める三件の訴えを福岡地方裁判所小倉支部等に提起されていた。Xは、右三件の訴えについて、B弁護士に訴訟遂行を委任していたが、その後B弁護士が辞任したため、C弁護士を選任...
《解 説》
本件の事案を必要な限度で要約すると、Xは昭和五二年一〇月二三日に死亡した被相続人甲の非嫡出子で、遺言により認知されたが、その相続分は二七分の二である。昭和五八年三月三一日、Xと他の相続人間で、Xは相続財産評価額合計二九五八万二六九一円の土地及び同地上の立木、相続財産評価額〇円の...
《解 説》
一 一審判決を見ていないので断言はできないが、控訴審判決の争点についての判断から推測すると、原告は貸金業者からの借受債権について、逆にいえば貸金債権について、商事債権に当り商法五二二条に定める五年の短期消滅時効にかかり消滅したとして、債務不存在確認訴訟を提訴したようである。
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《解 説》
一 訴外Aは、昭和五八年一一月当時、防衛大学校一年に在学し、同校の校友会のパラシュート部に所属していたものであるが、同月二七日、群馬県下の利根川河川敷上空におけるパラシュート部の月例降下訓練に参加し、航空機からパラシュートを着用して降下したが、強風に流され、目標からはずれて利根...
《解 説》
一 本件は、正会員の三〇倍近い約五二〇〇〇人に会員権を乱売した「茨城カントリークラブ」の会員権購入者一九二名が、実質的なオーナ会社である「ケン・インターナショナル」に対して破産の申立てをした事案である。
「ケン・インターナショナル」は、昭和四七年二月、経営コンサルタント業務、ゴ...
《解 説》
一 本件は、バナナの熟成加工、販売業を営む男性(死亡当時五一歳)が盛夏期に外気と室内の温度差が二〇度近くある状況下でバナナの搬入作業をした後体調不良を訴えて入院したが翌日くも膜下出血により死亡した事故について、妻が夫の特別加入していた労災保険に基づいて、労働基準監督署に対し遺族...
《解 説》
一 第二次世界大戦中、日本の軍人又は軍属として動員され死傷した台湾住民及びその遺族が、日本人である軍人軍属の戦死傷者及びその遺族に対しては恩給法及び戦傷病者戦没者遺族等援護法により補償がされているところ、両法とも対象者を日本国籍を有する者に限定しているのは違憲であることなどを主...