《解 説》
本件事案は、原告が土地を賃貸していたところ賃借人が死亡して数人の相続人が賃借権を相続したが、賃料の延滞が続いたため、賃料不払いを理由に賃貸借契約を解除して、相続人である被告らに対し地上建物の収去及び土地の明渡しを求めたものである。本件においては、賃借物件を使用し実際に賃料を支払...
《解 説》
一 Xは、Y1社の社員であり、同社の有する工場内で同僚のAと向かい合ってコンテナの運搬作業をしていたところ、近くで作業をしていた同僚Bが不用意に押したコンベア上のカットコアに接触するなどしてバランスを失い、コンテナを支えきれずに手を離し、コンテナの片側を床面に落とした。Xは、右...
《解 説》
一 宮城県所在の山林と原野(以下「本件山林」という。)は、登記簿の表題部所有者欄及び旧土地台帳の所有者氏名欄に「武川久太夫外二百九十三名」と記載されている。Xは右のとおり記載された者の子孫にして本件山林を使用収益する組合員によって構成される組合であり、Yらは、武川久太夫の後裔で...
《解 説》
一 Xは、昭和六一年七月当時、桶川市立日出谷小学校六年に在学していたが、同月一日、学級会の授業としてのソフトボールの試合に参加し、審判をしていたところ、打者のファウルチップのボールが左眼に当たり、外傷性虹彩炎と診断されて治療を受けていたが、同年八月、網膜剥離が発症して失明するに...
《解 説》
一 本件は、いわゆる豊田商法国家賠償東京訴訟の第一審判決である。昭和五六年から昭和六〇年にかけて、豊田商事は、主に老人や主婦を対象として純金の売買をしその代金を取得すると同時に、売却した純金を賃借して運用すると称して、現物に代えて純金ファミリー契約証券なる証書を交付するいわゆる...
《解 説》
本件は、被告のために株式の譲渡所得税及び相続税申告等の税務代理をした税理士が、その報酬を請求した事案である。被告は依頼の趣旨を争ったが、参考になると思われるのは、報酬額について明確な約束をしなかった場合の相当な報酬額の決め方に関する判示である。
弁護士報酬については、報酬額の...
《解 説》
X(国)の機関である名古屋防衛施設局は、破産者である社会福祉法人Aが経営していた保育園の園舎を木造から鉄筋コンクリート造りに改築する防音工事費用の一部としてAに補助金等を交付することとし、昭和五二年四月までに総額八二九一万円余の補助金等を交付した。Aは右補助金等により鉄筋コンク...
《解 説》
本件は、日蓮正宗の内部において創価学会を巡る教義、信仰や宗教活動に関する対立が生じ、同宗が、いわゆる正信覚醒運動を進める僧侶を、僧藉〓奪処分である擯斥処分に付したことによる一連の事件のひとつである。被控訴人ら(同宗に包括される宗教法人)は、右処分によって控訴人らが僧侶の地位を喪...
《解 説》
一 大阪の寝具衣料品販売会社Y1の社員Y2、Y3、Y4は、平成二年六月二一日から同月二五日まで、X会社が経営する静岡県伊東市のホテル「ニューますや」に投宿していたが、この間の同月二四日夜、Y2が三階の三〇一号室において、入浴するため浴槽の給湯栓を開栓したものの、これを放置したま...
《解 説》
本件は、土地所有者Xから土地(旧国鉄の貨物ヤードの一部)を占有するYら(貨物運送等を目的とする会社)に対する土地明渡請求事件(付帯請求は損害金請求)であるが、抗弁∥占有正権原の主張がされ、その成否が争点とされたケースである。これだけなら極めてシンプルな事案であるが、問題をやや複...
《解 説》
一 都市計画法三四条は、市街化調整区域に係る開発行為の許可基準を定めているが、許可できる場合の一つとして、「市街化調整区域内に存する鉱物資源、観光資源その他の資源の有効な利用上必要な建築物又は第一種特定工作物の建築又は建設の用に供する目的で行なう開発行為」(同条二号)を掲げてい...
《解 説》
Xは一般国道沿いの所有地に店舗を設け、主として自動車の乗員を対象に土産品等の販売を行っていた。Yは同所付近の交通渋滞を緩和するため同所付近の国道の一部を高架道路とする工事を行い、これに伴ってX所有地の一部を収用した。Xは①一部収容された土地の単価が低額である、②高架道路の供用開...
《解 説》
一 X1は、個人で不動産仲介管理等の営業活動をするかたわら、古物商の営業と金銭貸付けを行うようになり、昭和四二年一二月愛知県に対して貸金業の届出を行った。また、X1は、昭和四四年九月、不動産の売買、斡旋、金融業等を目的とする会社を設立して代表取締役となったが、引続き個人で金融業...
《解 説》
本件は、競馬にふけり、サラ金業者に多額の負債を生じた被告人が、自己破産の申立てをし、破産宣告決定を得て免責の申立てをしたところ、委任した弁護士から、免責決定が得られないおそれのあることを告げられ、思い悩むうち、たまたま目にした週刊誌の記事から、暴力団員を装い開業医から金員を脅し...
《解 説》
一 訴外Aは、昭和六〇年六月当時、熊本県技術吏員として勤務していた者であるが、同月三〇日、熊本県人吉市内から自動車を運転して観光のため宮崎県下の「えびの高原」へ出かけ、「硫黄山」付近に車を駐車し、徒歩で遊歩道を散策していたところ、突然地盤が陥没したため噴気孔に転落し、全身熱傷の...
《解 説》
本件の原判決は、Y税理士会が昭和五三年六月、会員から特別会費五〇〇〇円を徴収する旨決議(本件決議)したのは、税理士法改正運動資金として政治団体に寄付するためであり、右決議は税理士会の目的の範囲外であって、会員の思想・信条の自由を侵し、無効なものであるとして、Xの特別会費の納入義...
《解 説》
一 本件は、パリの超高級ホテルであるホテルリッツ(「HOTEL RITZ」。以下「本件ホテル」という。)を所有しながら、ロンドンにおいてホテル営業を営む原告が、昭和五六年二月ころから、我が国の屈指の一流ホテルであるホテルニューオータニの本館二階内において、「THE RITZ S...
《解 説》
一 本件は、著名な実業家である被告人が、仕手筋として知られた人物と密接な関係をもって、同人物の扱う株について昭和六二年と同六三年に大量の取引を行い総額約五六億七八七一万円の巨額の利益を得ていながら、その株取引による所得について申告せず、右二年分の所得税合計三三億九三七四万円余を...
《解 説》
本件は一般貨物自動車運送業を営むXの所得について、Y税務署長が経費率を同業者比率により推計して算出したのに対し、Xが経費を実額により主張して争った事案である。
本判決は、Xが課税の基礎となる帳簿書類等の提示を拒絶し、反面調査によっても必要経費の実額を把握することができなかった...