《解 説》
一 監獄法四五条一項は、「在監者ニ接見センコトヲ請フ者アルトキハ之ヲ許ス」と規定し、監獄在監者と外部の者との接見について許可制を採用している。そして、刑事被告人として拘置所に勾留されている在監者の場合の右の接見許可の基準は、最高裁の裁判例(最大判昭58・6・22民集三七巻五号七...
《解 説》
事案の概要は次のとおりである。共同相続人一一名のうち、被相続人の子X1、X2、Y及び被相続人の妻Aが遺産の分割について話し合い、右四名の間で、遺産の一部である本件土地については、いったん相続によってYに移転登記をしてからX1、X2取得分として一人当たり面積七〇坪分を分筆して、移...
《解 説》
一 Xは、機械等のリースを主たる業務とする会社であり、Y1とオフィスコンピューターについてファイナンスリース契約を締結し、Y2がY1の債務を連帯保証した。これに伴い、Y1はサプライヤーZから本件コンピューターのほかに顧客管理用ディスク及びコンピューターソフトウェア一式を導入し、...
《解 説》
XはYに本件建物を建築材料販売等ホームセンター用店舗として賃貸していたが、Yが本件建物の敷地内にXの明示の承諾を得ず、プレハブ建物、看板、広告塔等を建てたり、床を全面改装したりしたので、Yの行為は契約当事者間の信頼関係を破壊するものとして賃貸借契約を解除し、その明渡しと賃料の倍...
《解 説》
Xは、本件係争地がX所有地(札幌市中央区北一条西一八丁目一番二一号)に属すると主張し、同地上にあるY所有の塀の撤去と係争地(北海道立近代美術館の駐車場として使用されている)の明渡しを求めた。Y(北海道)は、本件係争地は、昭和八年に行われた北海道地方費財産取扱規定二八条による査定...
《解 説》
一 X1は、昭和五九年九月当時、福岡大学附属大濠高校の二年生であったが、同月一六日、同校で行われた体育祭の色別対抗の棒倒し競技に参加し、守備陣の先頭に立って相手方の攻撃の防止に努めていたところ、相手方に腹部を蹴られて転倒したうえ、腹部を数回踏みつけられたため、脾臓破裂等の傷害を...
《解 説》
本件事案は、原告が土地を賃貸していたところ賃借人が死亡して数人の相続人が賃借権を相続したが、賃料の延滞が続いたため、賃料不払いを理由に賃貸借契約を解除して、相続人である被告らに対し地上建物の収去及び土地の明渡しを求めたものである。本件においては、賃借物件を使用し実際に賃料を支払...
《解 説》
一 Xは、Y1社の社員であり、同社の有する工場内で同僚のAと向かい合ってコンテナの運搬作業をしていたところ、近くで作業をしていた同僚Bが不用意に押したコンベア上のカットコアに接触するなどしてバランスを失い、コンテナを支えきれずに手を離し、コンテナの片側を床面に落とした。Xは、右...
《解 説》
一 宮城県所在の山林と原野(以下「本件山林」という。)は、登記簿の表題部所有者欄及び旧土地台帳の所有者氏名欄に「武川久太夫外二百九十三名」と記載されている。Xは右のとおり記載された者の子孫にして本件山林を使用収益する組合員によって構成される組合であり、Yらは、武川久太夫の後裔で...
《解 説》
一 Xは、昭和六一年七月当時、桶川市立日出谷小学校六年に在学していたが、同月一日、学級会の授業としてのソフトボールの試合に参加し、審判をしていたところ、打者のファウルチップのボールが左眼に当たり、外傷性虹彩炎と診断されて治療を受けていたが、同年八月、網膜剥離が発症して失明するに...
《解 説》
一 本件は、いわゆる豊田商法国家賠償東京訴訟の第一審判決である。昭和五六年から昭和六〇年にかけて、豊田商事は、主に老人や主婦を対象として純金の売買をしその代金を取得すると同時に、売却した純金を賃借して運用すると称して、現物に代えて純金ファミリー契約証券なる証書を交付するいわゆる...
《解 説》
本件は、被告のために株式の譲渡所得税及び相続税申告等の税務代理をした税理士が、その報酬を請求した事案である。被告は依頼の趣旨を争ったが、参考になると思われるのは、報酬額について明確な約束をしなかった場合の相当な報酬額の決め方に関する判示である。
弁護士報酬については、報酬額の...
《解 説》
X(国)の機関である名古屋防衛施設局は、破産者である社会福祉法人Aが経営していた保育園の園舎を木造から鉄筋コンクリート造りに改築する防音工事費用の一部としてAに補助金等を交付することとし、昭和五二年四月までに総額八二九一万円余の補助金等を交付した。Aは右補助金等により鉄筋コンク...
《解 説》
本件は、日蓮正宗の内部において創価学会を巡る教義、信仰や宗教活動に関する対立が生じ、同宗が、いわゆる正信覚醒運動を進める僧侶を、僧藉〓奪処分である擯斥処分に付したことによる一連の事件のひとつである。被控訴人ら(同宗に包括される宗教法人)は、右処分によって控訴人らが僧侶の地位を喪...
《解 説》
一 大阪の寝具衣料品販売会社Y1の社員Y2、Y3、Y4は、平成二年六月二一日から同月二五日まで、X会社が経営する静岡県伊東市のホテル「ニューますや」に投宿していたが、この間の同月二四日夜、Y2が三階の三〇一号室において、入浴するため浴槽の給湯栓を開栓したものの、これを放置したま...
《解 説》
本件は、土地所有者Xから土地(旧国鉄の貨物ヤードの一部)を占有するYら(貨物運送等を目的とする会社)に対する土地明渡請求事件(付帯請求は損害金請求)であるが、抗弁∥占有正権原の主張がされ、その成否が争点とされたケースである。これだけなら極めてシンプルな事案であるが、問題をやや複...
《解 説》
一 都市計画法三四条は、市街化調整区域に係る開発行為の許可基準を定めているが、許可できる場合の一つとして、「市街化調整区域内に存する鉱物資源、観光資源その他の資源の有効な利用上必要な建築物又は第一種特定工作物の建築又は建設の用に供する目的で行なう開発行為」(同条二号)を掲げてい...
《解 説》
Xは一般国道沿いの所有地に店舗を設け、主として自動車の乗員を対象に土産品等の販売を行っていた。Yは同所付近の交通渋滞を緩和するため同所付近の国道の一部を高架道路とする工事を行い、これに伴ってX所有地の一部を収用した。Xは①一部収容された土地の単価が低額である、②高架道路の供用開...