《解 説》
Xは、昭和六二年五月、S政令指定都市のC区(Y区長)内に土地を取得し、同区内に二〇〇〇平方メートル以上の土地を保有することとなったため同六三年度以降、特別土地保有税(地方税法五八五条以下)の納税義務者となった。Xは同六三年度及び平成元年度の特別土地保有税を申告するとともに、法六...
《解 説》
一 本判決は、いわゆるリクルート事件労働省ルートの収賄側被告人である元労働事務次官に対する判決である。本判決で認定された犯罪事実は、「労働事務次官であった被告人が、労働省職業安定局長であった当時、就職情報誌の発行等に対して職業安定法を改正して法規制をする等の問題に関し、株式会社...
《解 説》
一 本件は、集中豪雨によって静岡市内の賤機山が崩れて住民が死亡し家屋が倒壊などした災害について、被災者が、右災害が観光用リフト施設の欠陥と斜面を危険区域に指定しなかったことに原因するとし、リフト経営の静岡鉄道と静岡県を相手どり、総額約二億五〇〇〇万円の損害賠償を求めた事案である...
《解 説》
一 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(独禁法)二四条の二の規定によれば、書籍については、いわゆる法定再販商品として、例外的に再販売価格維持行為を行うことが認められており、また、消費者保護等の理由から書籍自体に再販売価格を定価として表示することが望ましいものとして、定...
《解 説》
一 本件は、練馬区の住民である原告らが、練馬区が昭和六二年度のインフルエンザ予防接種の業務を練馬区医師会に委託するに際して違法な契約を締結し、この契約による委託費として同医師会に違法な金員の支払いをした等として、練馬区に代位して、練馬区長及び同医師会に対して損害賠償等を求めた住...
《解 説》
一 本件は、自動車教習所従業員で組織する労働組合の組合員である被告人が、対立関係にある別の労働組合の組合員等の非行事実を、ポスターに記載して一般教習生待合室前の黒板に掲示し、あるいは、ビラに記載して一般教習生の教習台帳に挿入するなどの方法で頒布し、名誉を毀損したという事案である...
《解 説》
一 本件は、姉弟(共同相続人の一部)間の争いであり、資金調達の関係で土地買受人が誰かが相続財産の取得部分と関連して争われた事例で(売主との関係ではない。おそらくは売主との関係では買受名義人となろうか)、主要な争点に必ずしも的確な証拠がないために、事実上の推定を活用して事実を認定...
《解 説》
一1(1) 本件は、本件土地所有者甲の娘乙・その夫丙が、甲に無断で、不動産登記法四四条所定の保証書を利用して、甲から乙あての売買による本件土地の所有権移転登記(この土地移転登記を以下「本件登記」という)を経由した(但し本件建物について無断で保存登記)が、乙は、X(本件原告・被控...
《解 説》
一 本件のうち甲事件は、訴外宮崎県知事から本件共同漁業権(あゆ漁業等を内容とする内共第四号第五種共同漁業権)の共有請求の認可を受けたX組合が、既に宮崎県知事から本件共同漁業権の免許を受けているY1、Y2、Y3の各組合に対して、本件共同漁業権の共有確認及び本件共同漁業権の行使に関...
《解 説》
一 X1は、昭和六三年四月当時、千葉県松戸市内の中学校の特殊学級に在籍していた者であるが、同月一二日、校外学習として実施されたフィールドアスレチックに参加し、「高台のぼり」と呼ばれる遊具に登ったのち丸太を伝って降りようとした際、バランスを失って地上に落下し、脊髄損傷の傷害を負っ...
《解 説》
一 事案の概要は次のとおりである。不動産競売において、最低売却価額を四一二七万円、保証の額を八二五万四〇〇〇円と定めたうえ、期間入札が実施されたところ、異議申立人が入札書を差し出したが、その入札書には、入札価額の欄に八三〇万円、保証の額の欄に四一二七万円と記載されていた。執行官...
《解 説》
一 Xは、自己名義で開設されている総合預金口座の普通預金について、預金通帳と印鑑を所持してY銀行に赴き払戻請求をしたが、Y銀行は、Xの前夫Aから支払差止め依頼を受けているとして預金の払戻しを拒絶した上、XとAとが預金の帰属を争っているので預金者を知ることができないとしてその弁済...
《解 説》
一 Aは、知人Bに代筆させて、自己の財産を全て孫のX(原告)に委譲する旨の条項を含む「遺言書」と題する書面を作成し、作成から約七年の後に死亡したが、A所有の不動産については、Aの死亡直前に、贈与や売買を原因としてYら(被告)への所有権移転登記がされていた。本件書面は、Aの自筆に...
《解 説》
本件事案の概要は本判決の「事案の概要」欄に記載のとおりであるが、ここでは、労基法三九条五項所定の計画年休協定の効力について判断を示したものとして紹介したい。
労基法三九条五項は、同法の昭和六二年法律第九九号による改正の際に追加されたものであり(昭和六三年四月一日から施行)、使...
《解 説》
本判決は、暴力団道仁会A一家と山口組系F一家との対立抗争に起因して、甲一家組員を中心に、これに道仁会内の他の組の組員が加わって敢行した、一連の殺人未遂事件二件、殺人事件一件(ほかに、この抗争事件とは無関係の暴力行為等処罰に関する法律違反、覚せい剤取締法違反事件も併合審理されてい...
《解 説》
本件は、被相続人Aの相続人である原告のX1ないしX4と被告のYとの間で、Aの創業にかかる運送業を目的とする有限会社Bの出資持分の帰属が争われた事案である。X1ないしX4は、当初、B社の全出資持分である八万五〇〇〇口がAの遺産であるとして、その確認を求めたが、弁論終結間際になって...