《解 説》
本件は、被告人が、共犯者と共謀して、公正証書の原本たるべき電磁的記録である自動車登録ファイルに所有者等ではないA又はBの氏名で不実の新規登録又は移転登録をした上、これを備え付けさせたとして起訴された事案であるが、その事実関係の概要は、次のとおりである。
被告人は、友人Aに対し...
《解 説》
一 事案の概要
1 原告は、第二東京弁護士会に所属する弁護士で、本件被疑者Aに係る窃盗被疑事件の弁護人であった者(本件接見拒否当時は「弁護人となろうとする者」)であり、訴外Pは、浦和地方検察庁検察官検事であり、Aの捜査及び勾留の職務を遂行していた者である。
2 Aは、昭和六...
《解 説》
Xら八名は、神奈川県逗子市内にある池子の森と称する在日米軍弾薬貯蔵施設内の土地の所有名義人であるが、右施設を提供している国Yを相手に各土地の所有権の確認、明渡し及び賃料相当の損害金の支払を求めて本訴を提起した。これに対しYは、本件各土地は旧海軍が昭和一三年から同一八年にかけて弾...
《解 説》
一 本件は、無認可保育所に長男A(生後九か月)の保育を委託したX1、X2が、Aが右保育所で窒息死したのは、右保育所の経営者で自ら保育に従事していたY1、Y2が、預った幼児の動静に注意する義務を怠り、Aから目を放したことによるなどとして、Y1及びY2に対し、保育委託契約の債務不履...
《解 説》
一 原告会社は、旧第四五類の「他類に属しない食料品及び加味品」を指定商品とする「小僧」の文字を縦書きした登録商標(昭和三二年七月登録。別紙第一目録参照)を有している。被告会社は、フランチャイズ方式により持ち帰り品としての寿しを製造販売している訴外株式会社小僧寿し本部との間でフラ...
《解 説》
一 本件は、児童を雇用して、ダイヤルQ2の電話の応信をさせた行為が、児童福祉法三四条一項九号の罪にあたるかどうかが争われた事案である。控訴趣意は、(1) 右は正当な雇用関係に基づくものである、(2) 児童に対し、電話の応信上、いかがわしい会話等には自分の意思で電話を切ってもよい...
《解 説》
一 本決定は、「日産サニー事件」と称される住居侵入・強盗殺人事件及びその他の一五件の窃盗、住居(建造物)侵入・窃盗未遂事件(以下「その他の事件」という。)につき無期懲役刑に処せられた請求人からの再審請求に対し、右日産サニー事件について再審を開始したものである。
二 請求人は、...
《解 説》
一 Yは、証券会社Xの歩合外務員であり、Xとの間で歩合外務員契約を締結していた。歩合外務員は顧客から株式の買い付け注文を受けて執行し、後日、客から買い付け代金の支払を受けることとなっていた。ところが、本件では、XがYに対して特定の客からの買い付け注文を受けてはならない旨の業務命...
《解 説》
貸金業を営む会社であるX2のオーナーであるX1は、写真週刊誌「フライデー」(平元・10・13号)に「金満ニッポンに蠢く『怪人物』列伝」シリーズに「『闇金融の帝王』が動かす資金一兆円の『甘い汁』」という見出しの記事と写真を掲載された。そこで、Xらは、この記事はX1を「闇金融の帝王...
《解 説》
Xは、昭和六二年五月、S政令指定都市のC区(Y区長)内に土地を取得し、同区内に二〇〇〇平方メートル以上の土地を保有することとなったため同六三年度以降、特別土地保有税(地方税法五八五条以下)の納税義務者となった。Xは同六三年度及び平成元年度の特別土地保有税を申告するとともに、法六...
《解 説》
一 本判決は、いわゆるリクルート事件労働省ルートの収賄側被告人である元労働事務次官に対する判決である。本判決で認定された犯罪事実は、「労働事務次官であった被告人が、労働省職業安定局長であった当時、就職情報誌の発行等に対して職業安定法を改正して法規制をする等の問題に関し、株式会社...
《解 説》
一 本件は、集中豪雨によって静岡市内の賤機山が崩れて住民が死亡し家屋が倒壊などした災害について、被災者が、右災害が観光用リフト施設の欠陥と斜面を危険区域に指定しなかったことに原因するとし、リフト経営の静岡鉄道と静岡県を相手どり、総額約二億五〇〇〇万円の損害賠償を求めた事案である...
《解 説》
一 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(独禁法)二四条の二の規定によれば、書籍については、いわゆる法定再販商品として、例外的に再販売価格維持行為を行うことが認められており、また、消費者保護等の理由から書籍自体に再販売価格を定価として表示することが望ましいものとして、定...
《解 説》
一 本件は、練馬区の住民である原告らが、練馬区が昭和六二年度のインフルエンザ予防接種の業務を練馬区医師会に委託するに際して違法な契約を締結し、この契約による委託費として同医師会に違法な金員の支払いをした等として、練馬区に代位して、練馬区長及び同医師会に対して損害賠償等を求めた住...
《解 説》
一 本件は、自動車教習所従業員で組織する労働組合の組合員である被告人が、対立関係にある別の労働組合の組合員等の非行事実を、ポスターに記載して一般教習生待合室前の黒板に掲示し、あるいは、ビラに記載して一般教習生の教習台帳に挿入するなどの方法で頒布し、名誉を毀損したという事案である...
《解 説》
一 本件は、姉弟(共同相続人の一部)間の争いであり、資金調達の関係で土地買受人が誰かが相続財産の取得部分と関連して争われた事例で(売主との関係ではない。おそらくは売主との関係では買受名義人となろうか)、主要な争点に必ずしも的確な証拠がないために、事実上の推定を活用して事実を認定...
《解 説》
一1(1) 本件は、本件土地所有者甲の娘乙・その夫丙が、甲に無断で、不動産登記法四四条所定の保証書を利用して、甲から乙あての売買による本件土地の所有権移転登記(この土地移転登記を以下「本件登記」という)を経由した(但し本件建物について無断で保存登記)が、乙は、X(本件原告・被控...
《解 説》
一 本件のうち甲事件は、訴外宮崎県知事から本件共同漁業権(あゆ漁業等を内容とする内共第四号第五種共同漁業権)の共有請求の認可を受けたX組合が、既に宮崎県知事から本件共同漁業権の免許を受けているY1、Y2、Y3の各組合に対して、本件共同漁業権の共有確認及び本件共同漁業権の行使に関...
《解 説》
一 X1は、昭和六三年四月当時、千葉県松戸市内の中学校の特殊学級に在籍していた者であるが、同月一二日、校外学習として実施されたフィールドアスレチックに参加し、「高台のぼり」と呼ばれる遊具に登ったのち丸太を伝って降りようとした際、バランスを失って地上に落下し、脊髄損傷の傷害を負っ...