《解 説》
Xはクレジットカードによる信用供与を行っている協同組合であるが、Aを主債務者、その夫Yを連帯保証人とする昭和五四年九月三〇日付の立替払契約に基づき、Yに対してのみ支払命令を申し立て、同五六年七月二〇日同命令を得(同年八月中旬までに送達手続がとられたと推認される)、同年九月三日に...
《解 説》
一 X1は、昭和六一年五月当時、Yが設置、管理する相模原市立大沢中学校の三学年に在学していたが、同月二四日、学校プールにおいて、水泳部の練習中、水面から高さ五八センチメートルの飛び込み台から逆飛び込みを行った際、水深一一〇センチメートルのプールの底に頭部を打ちつけ、頚髄損傷の傷...
《解 説》
一 訴外A(昭和二五年九月生まれ)は、平成元年五月当時、国分寺病院の看護婦として稼働していたものであるが、同月一一日午後、都内国分寺市内の交差点の歩道上で信号待ちをしていたところ、暴走してきたY1運転の普通貨物自動車に衝突され、脳挫傷等の傷害を受けたため、府中病院等で治療を受け...
《解 説》
本件は、被害者が本件直前に既にSら男性二名から強姦されていたが、その後Sが呼び寄せた被告人らが、抗拒不能の状態にあった被害者をさらに強姦したという刑法一七八条の準強姦の事件である。
被害者が抗拒不能の状態にあったことは争いがなかった。しかし、被害者が強姦されていたことは共犯者...
《解 説》
一 本件は、X1が、Y経営のスーパー屋上のペットショップから手乗りインコの雛二羽を購入して飼育していたところ、右インコがオウム病菌を保有していたため、X1の家族全員がオウム病性肺炎に罹患し、一人が死亡し、他が高熱、悪寒等のため入通院したので、民法四一五条、七〇九条、七一八条、商...
《解 説》
一 本件は、被告人がその運転する車両に高校生の被害者を誘って同乗させ、人目につかない山中の農道上に駐車中の車内において、ナイフを被害者に突き付けて脅迫し姦淫したとして起訴された強姦事件の控訴審判決である。本件では、起訴以来、被告人が犯人であるか否かについて激しく争われ、特に、被...
《解 説》
本件は、一四歳で入社し、一六歳からタール職場に配属され、肺がんに罹患するまで約一九年六か月間、タール様物質に間接ばく露を受けた労働者(被災者)が、四二歳のとき肺がんと診断され、約二年後に肺がん(原発性)で死亡したので、遺族が、労災保険法に基づく遺族補償給付、葬祭料及び休業補償給...
《解 説》
一 本件は、四億円の生命保険金をかけられた被害者が、事故を装って釣船から突き落とされて殺害された、いわゆる上磯沖保険金殺人事件で、主犯とされた被告人に対する殺人、詐欺被告事件について、無罪を言い渡した一審判決である。
本件公訴事実の要旨は、被告人は、①共犯者A、B、C、Dと共...
《解 説》
本件は、大阪の都心にある百貨店から、その地下二階部分について、業務委託を受けて管理運営している会社(原告)から、更に業務委託を受けてスパゲッティ等の販売店を営んでいる会社(被告)に対し、契約期間の満了又は契約違反による解除に基づき、その売場部分の明渡しを求めた事案である。被告は...
《解 説》
XはA社の代表取締役社長であったが、経営不振による会社立て直しのため、Xらの有するA社発行済株式の約八六パーセントをY社(当時の代表取締役B社長)に有償譲渡することとし、これに付随してY社に対し、XがA社の銀行借入につき負担した個人保証債務(物上保証を含む)を肩代わりして引き受...
《解 説》
本件は、暴力団組員である被告人が、兄貴分である共犯者Aと共謀の上、アパートの被告人方居室にけん銃合計二六丁と実包二七一四発を隠匿して所持していたとして起訴された事件である。Aは既に自己の責任を認めて有罪判決(懲役六年)に服しているが、被告人は、捜査・公判を通じてその関与を争い、...
《解 説》
一 生命保険の受取人が死亡し、その後に受取人の再指定(変更)がない場合には、誰が受取人となるか、受取人と指定された者(指定受取人)の相続人が契約者兼被保険者自身であるときは、保険金請求権はその者の遺産になるのか、その者の相続人が保険金の受取人となるのか。この論点については、商法...
《解 説》
一 Xは、Y2市の設置した高校の入学を志願したところ、調査書の学力評定及び学力検査の合計点において優に合格点に達していたが、Y1高校長は、Xがデュシェンヌ型筋ジストロフィーに罹患しているため、高校の全課程を無事に履修する見込みがないとの理由により不合格処分とした。本訴は、Xが、...
《解 説》
本件は、Xが建物を改装したことにより、従前のYの入居部分の賃料が不相当となったと主張して、建物賃料増額の確認及び支払を求めたケースである。Xは建物改装工事のためYに一時居室を渡す等の協力を求め、これに協力したことに対する対価として平成二年六月末日までの賃料は月額七万三〇一円とし...
《解 説》
一 本件は差戻し審の判決である。その経過からみるに、暴力団組長である被告人が、覚せい剤取締法違反(譲渡と譲受)で逮捕されたが、その容疑が固まり切らず、覚せい剤の自己使用の容疑に切り替えて再逮捕・起訴された。その後も警察署の留置場に留め置いて余罪捜査が続けられ、被告人が自己の組事...
《解 説》
一 在監者の図書等の閲読については、監獄法三一条二項にその自由を制限することができる旨の規定が置かれ、監獄法施行規則八六条にその閲読の許可基準等が定められている。この規定を受けて、法務大臣の訓令、矯正局長の通達、通牒にその具体的な取扱いの要領が定められており、右の定めによれば、...