《解 説》
一 本件は、先天性水頭症治療のためV―Pシャントが施されていたA(死亡当時一〇歳)の死亡について、Aの両親から被告国に対し、Aが死亡したのは、シャント機能不全に由来する頭蓋内圧亢進に陥っていたAに対し、被告病院医師Bが、適切な処置を講じなかったためである等として、逸失利益等の損...
《解 説》
一 Bは、亡Aの妻であったが、Aとは別の男性CをA本人に仮装してA本人として振る舞わせ、第一ないし第三事件被告(反訴事件原告)からA、Bを連帯債務者として金銭を借り入れた上、A所有の不動産について被告のため根抵当権等を設定して登記し、被告の社員に右借入金債務に係る執行受諾文言付...
《解 説》
一 本件は仮処分申立却下決定に対する即時抗告事件であるが、建築基準法四二条二項として見做し位置指定されている私道上の塀の撤去請求をめぐる仮処分紛争であるが、旧建物解体・新建物建築施行の自動車利用を目的とする通行自由権に基づく塀撤去申立が否定された原仮処分申立て却下決定が維持され...
《解 説》
一、本件は、Yが昭和天皇死去約一〇日後の平成元年一月一八日に発行する東京新聞「昭和史特集保存版」に、X発行の書籍「ドキュメント昭和天皇」の広告を掲載する旨約したにも拘わらず、Yは契約に反し広告掲載を拒否したとして、XがYに対し、一二〇万円の損害賠償を請求した事案であり、広告掲載...
《解 説》
一 本件は、ゴルフ場を経営するX社及び会員の団体であるX倶楽部らが、Y社らに対し、①立て看板の撤去、②印刷物の配布等の差し止め、③名誉または信用毀損による損害賠償を請求したものである。
二 本訴に至る経緯は判文に詳しいが、要点を述べると次のとおりである。
Bは昭和五三年頃、...
《解 説》
Xは妻のYがエホバの証人の宗教活動に参加したことから、両名の婚姻関係が破綻したと主張し、離婚判決を求めたところ、第一審判決は、請求を認容した。控訴審においてXは、エホバの証人は、①輸血を受けること、②法事など仏式によって先祖を祭ること、③親戚、隣近所との冠婚葬祭に付き合うこと、...
《解 説》
一 本件の事案の概要はこうである。(一) 原告X銀行(甲事件)、X信用金庫(乙事件)は、A会社との間で銀行取引、信用保証委託取引をした。その際、A会社所有の本件建物(第一建物)に根抵当権を順次設定し、その旨の各登記をした。(二) 第一建物を買い受けたB会社は、その通路にベニア板...
《解 説》
X1A夫婦が海外旅行中妻Aが海岸で溺死した事故について、保険契約又は補償契約に基づき、X1及び親族であるXらが保険会社・旅行会社であるYらに対し、死亡保険金及び補償金を請求したのに対して、東京地判平2・3・19本誌七四四号一九八頁は一部認容判決をした。これに対して、XYら双方か...
《解 説》
一 訴外Aは、昭和五八年一月から、建築工事などを業務内容とする建設会社に勤務し、農繁期を除き、とび職、土方等として稼働していたが、昭和五九年四月、脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血を発症し、休業することを余儀なくされた。
そこで、Aは、労災保険法に基づき休業補償給付を請求したが、...
《解 説》
本件は東京地判平3・3・1本誌七五六号一二〇頁の控訴審判決である。
本条例七条四項は、非開示決定には理由を付記しなければならない旨を定め、同条例九条各号は開示拒否事由を定めている。ところで、本処分の通知書には非開示の理由として、「本条例九条八号該当」と記載されていた。本条例九...
《解 説》
一 事案の概要
原告は、昭和六二年九月に訴外Mとの間で信用組合取引を開始し、被告は、同六三年二月、原告との間でMを主債務者とする保証期間・保証限度額の定めのない包括根保証契約を締結した。被告とMは、昭和五七年に協議離婚したもと夫婦で、離婚後は没交渉であったが、Mが同六二年三月...
《解 説》
甲乙丙丁の四筆の土地の一部を提供する形で幅員約三・五メートルの建築基準法四二条二項の指定を受けた私道(旧私道)が存在し、X所有の甲地以外は公道に接していた。甲土地に適法に建物を建築できるよう(Xら関係者は大田区役所の係官に調停成立前に確認をしている)にしながら、旧私道を減縮して...
《解 説》
本件は、犬に対する獣医の措置の相当性が争われた事例である。獣医側からの債務不存在確認等請求として提起された事件であるので、普通の医療事故事件とは原被告関係が逆になっている。
Xは動物病院の経営者であり、Yはシェパードの飼主であったが、平成二年八月、YはXに対し、その犬に関する...
《解 説》
亡A(X1の夫、X2、X3の父)は昭和五九年八月ころ、軟便が続き、下腹部痛があったのでY医院を受診し、胃腸炎との診断により胃腸薬の処方を受けた。Aの症状はその後も軽快せず、同年九月始めには潜血反応も見られた。Aは翌六〇年三月末までにY医院に一七回通院し、その間、五九年一二月下旬...