《解 説》
一 XYの姉妹は亡父の遺言により、隣接した宅地一筆をそれぞれ所有するほか、右宅地から公道に通じる通路状の土地を持分各二分の一の割合で共有している。Xは、その所有地上での建物の建築工事に着工しようとしたが、Yが右共有地の通行を妨害したとして仮処分を申請し、平成元年三月二四日、「Y...
《解 説》
一 事案の概要
被告(千葉県知事)は、ガス会社に対してガス整圧器設置等のための土地使用許可(行政財産使用許可)処分をしたが、この土地に近接して土地・建物(マンション)を所有する原告が、ガス整圧器の設置はガス漏れによるガス爆発の危険性を生じさせ、原告の土地・建物の所有権の正当な...
《解 説》
本件訴訟の内容は、Xら二名が本件係争土地の所有権を譲り受け、同地上にある建物所有者Yら五名に対し、無断転貸を理由とする賃貸借契約の解除、更新拒絶、所有権に基づき、建物の収去・土地の明渡し等を求めるという、ごくありふれた事案である。Yらは、転貸の承諾、解除権の時効消滅等の抗弁を提...
《解 説》
一 Xの夫Aは京都府教員であったが、府教育委員会事務局勤務となり、後に社会教育主事等を歴任し、その間にも部落問題などに熱心に取り組み、その実績を認められて、昭和五二年五月一一日に府下のM市教育委員会教育次長として赴任した。当時M市は人口急増地域で学校建設にからむ汚職や行政ミスな...
《解 説》
一、本件は、認知者(A)の死亡後に被認知者(X)が当該認知の無効確認を求めた事案である。AがXを認知したのは、AとXの母(B)とはかねて内縁関係にあったが、BがA以外の子(X)を懐妊したため、その不貞に対するいわば報復として、Bに無断でBとの婚姻を届け出、かつ、XをAの子として...
《解 説》
本件は、抵当権の実行に基づき土地・建物を買い受けたXが、当該各物件の短期賃借人であるYらに対し、その明渡しを求めた事案である。問題となっている短期賃貸借は、土地につき期間五年、建物につき期間三年で、建物については、控訴審の弁論終結の時までに期間が経過しているが、土地については、...
《解 説》
本件は、郵便局の「職場ヘルパー」として一一年余にわたり郵便外務員の身だしなみの世話などの業務に従事していたXが、Y(国)に対し、非常勤職員としての地位の確認などを求めた事件の控訴審判決である(なお、一審判決については、労判五三五号三三頁参照)。
郵政省では、郵便外務員の定着化...
《解 説》
本件は、茨城県の住民であるXらが、茨城県道須賀北埠頭線改築工事等に関する道路法一八条一項に基づく道路区域変更決定が違法であるとして(違法事由は、右道路は不必要であること、右道路整備には都市計画上の優先性がないこと、右道路開設事業には事業効果がないこと、ルートの選定が妥当でないこ...
《解 説》
一 本件は、会社の運営に必要な資金以外の資金(いわゆる余資)が、その運用を担当していた者によって多種銘柄の株式売買に利用され、昭和六二年一〇月一九日の株価の大暴落によって会社に損失が生じた場合に、右の者の不法行為に基づく損害賠償責任いかんが争われた事例である。
本判決は詳細に...
《解 説》
一 本件は、被告人が、パチンコ店の通称パチスロ機のメダル投入口に銀紙テープを貼ったセルロイド様器具を差し込み、内蔵の感知装置などに異常反応を起こさせてメダルを排出させ、不正にメダルを取得したという事件である(なお、被告人は、出入国管理及び難民認定法違反でも併合審理され、有罪とな...
《解 説》
事案の概要は以下の通りである。
訴外Aは平成二年六月当時七〇歳であったが、直腸癌の治療のため被告Yが運営する墨東病院に入院し、腸切除の手術を受けた。手術自体は無事に終了したが、手術から三日後にAは一時的な精神障害を来して病院内を徘徊するということがあり、その後発熱、不整脈発生...
《解 説》
一、土地、建物の賃貸借契約は相当長期に及ぶことが予定される継続的契約関係であり、契約当事者間の信頼関係が重視されるということができる。ところで、賃貸借契約の解除については、やむを得ない事由を解除の要件とする雇用契約に関する民法六二八条ではなく、民法五四一条の債務不履行による解除...
《解 説》
本件は、国Yの防衛費の支出が憲法前文の平和的生存権、九条・一九条・二〇条等に違反するとして、Xら二〇名がYに対し、①所得税のうち自衛隊関係費相当分の納税義務がないことの確認、②YがXらの納付する所得税を自衛隊関係費に支出してはならない義務の確認、③Yが自衛隊関係費を支出し、また...
《解 説》
一、特許に関する手続をした者は、事件が特許庁に係属している限り、原則として手続の補正をすることができる(特許法一七条)。しかしながら、願書に添付した明細書又は図面(以下「明細書等」という。)については、第三者に思わぬ不利益を及ぼさないとの配慮から、出願公告決定の謄本の送達後と前...
《解 説》
一 本件は、Xが、その所有地は墓地であるから地方税法三四八条二項四号により非課税であるとして、Y1区長に対し、固定資産税・都市計画税の賦課決定処分の取消しを求めるとともに、Y2固定資産評価審査委員会に対し、地方税法四三二条に基づく審査の申出を棄却する旨の決定の取消しを求めた訴訟...