《解 説》
Yは一般路線貨物自動車運送業を営む会社であり、Xら二五名はその従業員で運行・集配等の業務に従事している者であるが、XらはYが支払った時間外及び深夜労働に対する割増賃金の計算が違法であるとして、一人当たり約三五万円ないし三八七万円の差額を請求した。
本件の争点は、第一に時間外勤...
《解 説》
一 債権者は、債務者に対して建物を賃貸し、その契約につき公正証書が作成されていたが、債務者は、債権者の受領拒絶を理由として、平成三年一月分の賃料を供託した。
債権者は、平成二年五月分の賃料債権等を請求債権として主張し、前記平成三年一月分の賃料の弁済供託についての債務者の供託金...
《解 説》
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(以下、「風営法」という。)三条一項は、風俗営業について、都道府県公安委員会の許可にかからしめているところ、同法四条二項二号、同法施行令六条、神奈川県風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する条例三条一項三号によると、商業地域におい...
《解 説》
一 X(仲間清昌)及びZ(与儀勇英)らは平成二年九月に執行された町議会議員選挙に立候補し、当初、Xの最下位当選及びZの次点が発表され、Zからの異議申し出も棄却されたが、審査申立てによりY県選管は町選管においてXに対する有効投票とされた別記1、2の投票を無効とし、〇・六一三票の差...
《解 説》
Y1・Y2夫婦の子A1及びY3・Y4夫婦の子A2ら(両名とも小学四年生)は、B社所有の建物内で火遊びをし、右建物を全焼させた。X社は保険会社であるが、B社に火災保険金として約六〇〇万円を支払い、保険約款及び商法六六二条によりB社に代位して、Yらに対し損害賠償を求めた。Yらは、A...
《解 説》
XはW市の市長Yが定数を超えて違法に職員を任用し、給与相当の損害を市に与えたと主張して、当初は昭和六三年一月の一八名分の給与相当額合計一八〇万円の損害賠償を市に代位して請求し、訴訟係属中に右請求を昭和六二年から平成二年四月までの三五か月間の一九名分の給与相当額合計九一三〇万円余...
《解 説》
「相続させる」 についての最二小判平3・4・19民集四五巻四号四七七頁本誌七五六号一〇七頁は、既に周知のところであろう。すなわち、高裁段階で遺産分割方法指定説を採った判決が積み重ねられたが、学説も分かれ、所有権移転効を説く公証人側からの批判(倉田『遺言・公証』三頁)も強かった段...
《解 説》
一 事案の経過
1 本件は、X会社(原告・控訴人)から本件ビルの旧所有者Y1会社(共同被告・被控訴人)及びY2会社(共同被告・被控訴人)に対する信頼関係の破壊を理由とする賃貸借解除に基づく建物明渡請求で、Y会社らの代表者は同一人である。
2 一審はX会社の請求を棄却。X...
《解 説》
本件は、ある契約関係が、転貸借か否かについて争いとなった事案である。Xは、YらがAから賃借していた建物(原宿竹下通りに面している)の一部を昭和六二年四月から店舗として利用し、エステティックのスタジオを経営していたが、この店舗の利用関係設定について転貸借であると主張し、後記のよう...
《解 説》
一 XYの姉妹は亡父の遺言により、隣接した宅地一筆をそれぞれ所有するほか、右宅地から公道に通じる通路状の土地を持分各二分の一の割合で共有している。Xは、その所有地上での建物の建築工事に着工しようとしたが、Yが右共有地の通行を妨害したとして仮処分を申請し、平成元年三月二四日、「Y...
《解 説》
一 事案の概要
被告(千葉県知事)は、ガス会社に対してガス整圧器設置等のための土地使用許可(行政財産使用許可)処分をしたが、この土地に近接して土地・建物(マンション)を所有する原告が、ガス整圧器の設置はガス漏れによるガス爆発の危険性を生じさせ、原告の土地・建物の所有権の正当な...
《解 説》
本件訴訟の内容は、Xら二名が本件係争土地の所有権を譲り受け、同地上にある建物所有者Yら五名に対し、無断転貸を理由とする賃貸借契約の解除、更新拒絶、所有権に基づき、建物の収去・土地の明渡し等を求めるという、ごくありふれた事案である。Yらは、転貸の承諾、解除権の時効消滅等の抗弁を提...
《解 説》
一 Xの夫Aは京都府教員であったが、府教育委員会事務局勤務となり、後に社会教育主事等を歴任し、その間にも部落問題などに熱心に取り組み、その実績を認められて、昭和五二年五月一一日に府下のM市教育委員会教育次長として赴任した。当時M市は人口急増地域で学校建設にからむ汚職や行政ミスな...
《解 説》
一、本件は、認知者(A)の死亡後に被認知者(X)が当該認知の無効確認を求めた事案である。AがXを認知したのは、AとXの母(B)とはかねて内縁関係にあったが、BがA以外の子(X)を懐妊したため、その不貞に対するいわば報復として、Bに無断でBとの婚姻を届け出、かつ、XをAの子として...
《解 説》
本件は、抵当権の実行に基づき土地・建物を買い受けたXが、当該各物件の短期賃借人であるYらに対し、その明渡しを求めた事案である。問題となっている短期賃貸借は、土地につき期間五年、建物につき期間三年で、建物については、控訴審の弁論終結の時までに期間が経過しているが、土地については、...