《解 説》
一、本件の事実関係のうち判決要旨に関する部分を要約すると、次のとおりである。Y(日本信託銀行)は、昭和四七年九月、A(国際技研)に対し、二億二〇〇〇万円を貸し付け、担保として、当時Aが所有していた甲不動産と乙不動産に抵当権を設定した。両不動産は共同担保の関係にあった。その後、昭...
《解 説》
一、原告が、被告設置の私立高等学校二年に在学中、いわゆる三ない原則(バイクについて免許をとらない、乗らない、買わない)を定めた同校の校則に違反したことなどを理由に自主退学勧告を受けて退学を余儀なくされたところ、右勧告は違法なものであると主張して、被告の被用者の不法行為を理由に慰...
《解 説》
AはY1が運転する普通乗用車に跳ねられて脳挫傷等の傷害を受け死亡した。そこで、Aの両親Xらが、Y1に対して民法七〇九条により、右乗用車の所有者であるY2会社(自動車のリース会社)に対して自賠法三条〔運行供用者責任〕又は民法七一五条〔使用者責任〕により損害賠償請求したのが本件であ...
《解 説》
本件取消しの訴えの対象は運輸大臣Yが横浜高速鉄道株式会社に与えたMM21線を予定路線とする鉄道事業の免許であり、原告となったXは、右免許が東急東横線の一部を廃線とすることを前提にしており、これによりXらの居住する地域は耐えがたい不便不利益を強いられ、憲法で保障されている財産権・...
《解 説》
一、Xは、昭和四二年四月、名古屋地裁判事補になり、鹿児島、東京、京都の各地方裁判所判事補を歴任したが、いわゆる宮本身分帳閲覧事件などを起こしたため、昭和五二年三月、裁判官弾劾裁判所の判決により、法曹資格を喪失した。しかし、Xは、昭和六〇年五月、裁判官弾劾裁判所の決定により、法曹...
《解 説》
Xは、Aと婚姻したが、Aの先妻であるBが、弁護士Y7(Y1の会社の顧問弁護士)を代理人としてAの勤務先を第三債務者としてAの将来の退職金に対する仮差押えをした(①事件)。Xの勤務していたY1会社(代表取締役Y2)は、Xに対して、Y7を訴訟代理人として損害賠償請求訴訟を提起した(...
《解 説》
Xは刑事被告人であるが、Y発行の①昭63・10・24付夕刊に「Aさん銃撃 X、保険金担保に借金 一億円、会社負債穴埋め」、②10・25付夕刊に「白いバン 借用書は廃棄寸前周辺人物 会社の場所記憶」、③平1・3・11付朝刊に「Xの会社、決算を粉飾 ロス疑惑 融手振り出し何度も 警...
《解 説》
大学教授であるXは、Yに昭和三五年一二月以降文京区千駄木の店舗兼住宅(木造瓦葺二階建、床面積一階三八・六一平米、二階三六・一三平米、以下「本件建物」という)を賃貸していたが、職場の異動に伴い自己使用の必要性が生じたとして、平成二年五月解約申入れをし、賃貸借契約終了を理由に建物明...
《解 説》
Yは一般路線貨物自動車運送業を営む会社であり、Xら二五名はその従業員で運行・集配等の業務に従事している者であるが、XらはYが支払った時間外及び深夜労働に対する割増賃金の計算が違法であるとして、一人当たり約三五万円ないし三八七万円の差額を請求した。
本件の争点は、第一に時間外勤...
《解 説》
一 債権者は、債務者に対して建物を賃貸し、その契約につき公正証書が作成されていたが、債務者は、債権者の受領拒絶を理由として、平成三年一月分の賃料を供託した。
債権者は、平成二年五月分の賃料債権等を請求債権として主張し、前記平成三年一月分の賃料の弁済供託についての債務者の供託金...
《解 説》
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(以下、「風営法」という。)三条一項は、風俗営業について、都道府県公安委員会の許可にかからしめているところ、同法四条二項二号、同法施行令六条、神奈川県風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する条例三条一項三号によると、商業地域におい...
《解 説》
一 X(仲間清昌)及びZ(与儀勇英)らは平成二年九月に執行された町議会議員選挙に立候補し、当初、Xの最下位当選及びZの次点が発表され、Zからの異議申し出も棄却されたが、審査申立てによりY県選管は町選管においてXに対する有効投票とされた別記1、2の投票を無効とし、〇・六一三票の差...
《解 説》
Y1・Y2夫婦の子A1及びY3・Y4夫婦の子A2ら(両名とも小学四年生)は、B社所有の建物内で火遊びをし、右建物を全焼させた。X社は保険会社であるが、B社に火災保険金として約六〇〇万円を支払い、保険約款及び商法六六二条によりB社に代位して、Yらに対し損害賠償を求めた。Yらは、A...
《解 説》
XはW市の市長Yが定数を超えて違法に職員を任用し、給与相当の損害を市に与えたと主張して、当初は昭和六三年一月の一八名分の給与相当額合計一八〇万円の損害賠償を市に代位して請求し、訴訟係属中に右請求を昭和六二年から平成二年四月までの三五か月間の一九名分の給与相当額合計九一三〇万円余...
《解 説》
「相続させる」 についての最二小判平3・4・19民集四五巻四号四七七頁本誌七五六号一〇七頁は、既に周知のところであろう。すなわち、高裁段階で遺産分割方法指定説を採った判決が積み重ねられたが、学説も分かれ、所有権移転効を説く公証人側からの批判(倉田『遺言・公証』三頁)も強かった段...
《解 説》
一 事案の経過
1 本件は、X会社(原告・控訴人)から本件ビルの旧所有者Y1会社(共同被告・被控訴人)及びY2会社(共同被告・被控訴人)に対する信頼関係の破壊を理由とする賃貸借解除に基づく建物明渡請求で、Y会社らの代表者は同一人である。
2 一審はX会社の請求を棄却。X...
《解 説》
本件は、ある契約関係が、転貸借か否かについて争いとなった事案である。Xは、YらがAから賃借していた建物(原宿竹下通りに面している)の一部を昭和六二年四月から店舗として利用し、エステティックのスタジオを経営していたが、この店舗の利用関係設定について転貸借であると主張し、後記のよう...