《解 説》
Xらは、本件建物甲・乙の共有者であり、建物甲をA名義で実際はY1に賃貸していた。そして、Y1はY2に対して内装工事を請け負わせたところ、Y2がY1の構成員とともに床材の貼り替え工事中石油ストーブの火が床等に塗布されていた接着剤に引火して、建物甲が全焼し、その隣の建物乙が半焼した...
《解 説》
Xの妹Aは昭和六三年六月、Y保険会社との間で、被保険者をA、保険金受取人をX、死亡保険金額を五〇〇〇万円とする普通傷害保険契約を締結したが、同年八月、ホテルに宿泊中、何者かに頚を絞められて死亡した。Xは右保険契約の保険金受取人としてYに対し五〇〇〇万円の支払を求めたのが本件訴訟...
《解 説》
一 A(当時五二才)は、腎障害の一種であるグッドパスチャー症候群の疑いで被告Yが運営する病院に入院して治療、検査を受けており、昭和六二年五月二〇日に気管支鏡による肺生検(判文中のTBLB)を受けた。右検査時に担当医が気管支内壁に病変と思われるものを発見したので、その生検(判文中...
《解 説》
本件は、故人Aが所有していた不動産を贈与した相手は四女のXであったか、それとも二女の子であるY1であったかの事実問題が主たる争点となった所有権移転登記手続等請求訴訟であるが、Xが三歳のときに日本脳炎に罹患し、知能の発達が遅れたために、訴訟追行について意思能力の有無が問題となった...
《解 説》
破産者A及びB(いずれも管財人X)共有の不動産が債権者Y1に売渡担保として所有権移転登記が経由され、また債権者Y2のため根抵当権設定仮登記が経由されたので、管財人Xはその原因行為を破産法七二条五号の無償行為に当たるとして否認し、各登記の抹消登記手続を求めた。Yらは、①Aらの担保...
《解 説》
Xは木造二階建建物を所有し、二階六畳間(板の間付き)をYに賃料月額三万五〇〇〇円、期間二年との約で賃貸していたが、この部屋に孫を居住させようとして、更新拒絶を申し入れた。本件の争点は、本件部屋に借家法の適用があるか否かと明渡請求に正当事由があるか否かの二点にあった。
本判決は...
《解 説》
Xは昭和五一年ころから本件建物の一階でレストランを経営し、Yは昭和五七年一一月からX経営のレストランの真下でライブハウスを経営していた。右レストランではA席と呼ばれる客席とB席と呼ばれる客席に分けることができるが、構造上、A席はB席と異なり、階下の振動が直接伝わることが避けられ...
《解 説》
一 Xは、静岡県榛原郡下の金谷町、川根町、中川根町、本川根町の四町の区域を管内とする農業協同組合であるが、昭和四六年五月から昭和五五年一二月までXの専務理事、組合長であったYが、昭和五五年二月から七月にかけて合計約六九億円の国債を取得し、静岡県農業協同組合連合会から約四〇億円の...
《解 説》
Y5市は従前の中央卸売市場が手狭となったため、新市場を建設し、昭和五四年一〇月、旧市場から新市場にA青果会社等を入場させた。Y5市はA社に対し同五五年三月、予算流用措置により入場交付金一〇〇〇万円及び補償金二一九二万円余を支払った。本件は住民Xら四名(控訴審では三名)が右の支出...
《解 説》
X女は昭和二三年五月二一日朝鮮慶尚北道出身のA男と婚姻する旨市長に届出し、その届出が受理され、X女は除籍された。A男はB女と婚姻中であったが、同年一一月一九日調停離婚に至った。A男は昭和四四年二月三日死亡し、その後X女は市長から外国人登録を求められたのを切っ掛けとして国に帰化申...
《解 説》
一、事案の概要 被相続人は、東京都江戸川区所在の畑四筆、田二筆、宅地一筆そして居宅一棟(以下「本件不動産」という。)を所有していたが、昭和五九年六月四日付け公正証書遺言により、本件不動産を含む財産全部を包括して子である被控訴人(被告)に遺贈したが、昭和六二年七月六日、死亡し、...
《解 説》
一 本件は、建物所有を目的とする土地の賃貸借に関する、期間満了時の土地返還を約した裁判上の和解条項が、単に賃貸借契約の終期を定めたものか、それとも右契約が期間満了後は更新されないものであることを明らかにした規定(すなわち法定更新に関する借地法六条の適用を排除する規定)であるのか...
《解 説》
一、X1は、保険会社Yとの間で、昭和五九年一一月に積立ファミリー交通傷害保険及び普通傷害保険契約(第一契約)を、昭和六〇年一〇月に積立ファミリー交通傷害保険及び家族傷害保険契約(第二契約)をそれぞれ締結していたが、昭和六〇年一二月一六日、自宅の車庫内において電気マルノコで材木の...
《解 説》
一、特許法一七条の二により許されている出願公告決定謄本の送達前の補正は、法四一条により一応は要旨変更がないものとみなされるが、特許請求の範囲のより上位概念的な記載への変更、実施例の増減、発明の詳細な説明の項の大幅な加入など、問題となるケースが少なくない。
この補正を経た公告公...
《解 説》
一、本件は、死刑の確定判決に対して再度再審請求をし、事件発生の約二九年後に無罪判決となった、いわゆる松山事件についての国家賠償請求訴訟であり、元死刑囚のX1とその母親のX2が総額一億四三〇〇万円の慰謝料等の損害賠償をY1県及びY2国に対して求めた事案である。松山事件の経過は、概...
《解 説》
一 Xは平成二年三月当時、東京都中央区築地川(二級河川)の河川区域内の土地について占用許可に基づく占用権原を有し、右土地上に工作物を所有して、ヨットハーバー事業を営んでいた者であるが、東京都知事は、昭和六三年四月、Xに対し、河川法七五条に基づき、原状回復命令を発したうえ、平成元...