《解 説》
本件は、昭62・7・23Yがマンション建築をしていた工事現場から鉄パイプ製足場が落下するという事故に遭遇して受傷したX(劇団四季正劇団員、昭17・10生まれ)が、Yに対して、逸失利益・慰謝料など総額一億七〇〇〇万円余の損害賠償請求をしたケースである。争点は、Yの責任の有無及び損...
《解 説》
一、Xは、不動産の賃貸等を業とする株式会社であるが、昭和二一年三月、印刷業を営むY1に対し、自己所有の五階建店舗ビル(東京都中央区銀座六丁目所在)のうち約二三〇〇平方メートルを期間八年と定めて賃貸する旨の賃貸借契約を締結し、その後右賃貸借契約は期間の定めのないものとして法定更新...
《解 説》
一、本件事案の概要は、次のとおりである。
市長は、X所有の本件土地(登記簿上の地目・田)について、昭和五一年度から昭和六一年度まで、現況地目を雑種地と認定してその価格を決定し、これらを固定資産課税台帳(土地課税台帳)に登録し、Yは、Xに対し、この登録に基づいて固定資産税を賦課...
《解 説》
Y学校法人は昭和五三年七月一七日、経営難から理事会決議により同年三月三一日をもってY独自の年金規定を改廃した。これによりYは右日付現在での年金一時金を算出して退職時まで支払を凍結した(もっとも、Yにおいてはこの外に私学共済年金制度に加入しており、県私学退職金基金制度にも加入して...
《解 説》
一、本件訴訟は、昭和五八年一二月二三日に提起されたが、第一審の横浜地裁は、昭和五九年七月二五日、訴えの利益がないとして訴えを却下する判決を言い渡した(横浜地判本誌五三〇号二六〇頁、判時一一三二号一一三頁)。しかし、その控訴審は、右判決を取り消したうえ、横浜地裁に差し戻した(東京...
《解 説》
一、本件は、京都弁護士会所属のX弁護士が、警察署代用監獄に勾留中の被疑者との接見を警察官や検察官に妨害されたとして、滋賀県と国に対して国家賠償を求めた訴訟の上告審である。すなわち、X弁護士は、昭和五五年一一月一九日午前九時一五分ころ、滋賀県内の草津警察署に赴き、弁護人として同署...
《解 説》
本件は愛媛県今治市織田が浜の埋立てに関し、住民らが同市長に対し、右埋立ては公有水面埋立法四条、瀬戸内海環境保全特別措置法一三条等に違反するとして、右埋立てのための公金の支出の差止めを求めた地方自治法二四二条の二第一項一号による住民訴訟である。右訴訟において差止めの対象とされたの...
《解 説》
一 本件は、ナイトクラブを経営する被告との間で、ナイトクラブにおいてホステスとして稼働する契約(以下「本件契約」という。)を締結していた原告が、被告に対して、「給料」、「歩合」、「立替戻し」、「ホステスチャージ」と称する金員の支払を請求した事案である。
本件契約においては、被...
《解 説》
Xはタクシー乗務員であるが、昭和六三年四月一一日午前一一時三二分ころ、制限速度毎時四〇キロメートルと指定された地点において毎時六二キロメートルの速度で走行したことにより午前一一時四〇分現行犯逮捕された。Xは午後一時四五分ころ、警察署の留置場内の身体検査室において全裸で身体検査を...
《解 説》
一 X会社は、青森市に本店を置き、弘前市に支店をもつ、総合衣料、食品等の小売を業とする会社であり、補助参加人A組合は、弘前店の従業員をもって結成された労働組合である。
A組合は、Y(青森県地方労働委員会)に対し、昭和五三年度、同五四年度及び同五五年度の各賃金改定(基本給の額及...
《解 説》
和歌山県海草郡下津町において出納室長として勤務していたAが約二年間に三三五回にわたり、合計一〇億〇八二七万円余を着服横領するという事件があった。本件は、同町町民であるXら三名が当時の町長Y1、助役Y3及び収入役Y2に対し、これと同額の町への損害賠償を求めた住民訴訟である。
本...
《解 説》
刑訴法八一条による接見禁止は、被告人・被疑者を勾留してもなお、逃亡・罪証隠滅を防止し得ないと思われる場合に対処するためのものであるから、同条所定の「逃亡し又は罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由」とは、勾留だけでは賄いきれない強度で具体的なものを指す。この点には、法律論として...
《解 説》
一 本件の本案訴訟は、O県の住民Xらが、O県知事であるY個人らを被告として提起した地方自治法二四二条の二第一項四号の住民訴訟である。Xらは、O県知事が大嘗祭関係儀式である主基斎田抜穂の儀に参列したY個人らに対し旅費等を支出したことについて、憲法の政教分離の規定に違反する違法な公...
《解 説》
X(弁護士)はY1~Y3を当事者とする四件の訴訟事件について訴訟代理人として訴訟追行したが、このうちの一件は61・11・25一審で敗訴したので61・12・8控訴した(本件控訴事件)。Xは61・12・6この件について相手方代理人弁護士との間で和解Aを成立させた。その後Yらは62・...
《解 説》
Xの主張によれば、XはZ保険代理店を介しY保険会社との間で、X所有の本件自動車について従前から自動車保険契約を結んでおり、二回更新をしていたところ、Xの長女Aが本件自動車を運転中原付自転車等と衝突する本件交通事故を起こしたため、右原付自転車の運転者等に対し合計約四〇〇〇万円の損...
《解 説》
Xら(夫婦)は所得税の確定申告、修正申告の後に、更正の請求をした。Yは更正の請求に対する処分をしないまま増額更正をし、その後に、更正の請求が理由のない旨の通知をした。Xらは増額更正と更正の請求が理由のない旨の通知の取り消しを求めた。
本件で紹介したいのは、更正の取り消し訴訟と...