《解 説》
一、本件事案は、次の通りである。Y神社(第一審被告)は、寛仁年間(西暦一〇二〇年頃)に創建された神社であって、古くからA村の氏神として崇敬を受け、A村の氏子によって維持、管理され、存続してきたが、昭和二六年四月三日に公布された宗教法人法により、昭和二七年七月一日に宗教法人となっ...
《解 説》
本件は、大阪地判平1・3・28本誌七〇一号一六七頁の控訴審判決であり、事案の詳細については、同判決及びそのコメントを参照されたいが、更生会社Xは更生計画認可直前の昭和五七年九月期の事業年度の税務申告において債務免除益六二三億円(億未満切り捨て、以下の金額も同じ)を含む当期所得金...
《解 説》
一、事案の概要は以下の通りである。
訴外Aは昭和五八年当時六〇歳であったが、Y1が運営する病院で人間ドック検査を受けた。その後Aは同病院に入通院して糖尿病の治療を受けていたが、昭和六一年に癌の症状が出て、同病院で直腸及び肝臓の腫瘍摘出の手術を受け、更に翌昭和六一年一一月には乙...
《解 説》
Xは賃借している土地を取得したが、本件土地は東京都が所有していて、固定資産課税台帳に価格が登録されていなかったため、Yは固定資産評価基準に従い算出した更地価格を課税標準として不動産取得税を賦課した。
不動産取得税の課税標準は、取得したときの不動産の価格(地方税法七三条の一三第...
《解 説》
Xらは、海難事故(A漁船とB油送船との衝突)により死亡したA漁船船員三人の遺族であるが、弁護士Yに対して、B油送船船主に対する損害賠償請求等を委任した。Xらに対しては、A漁船の所有者であり船員の雇主であるCから、死亡船員一人当たり二〇〇〇万円の損害死亡補償金(船員法九三条の遺族...
《解 説》
判旨事項に関する範囲で事案を述べると、反訴原告が、反訴被告に対し、継続契約において一方的に商品供給を停止したとして損害賠償請求を求めたのに対し、反訴被告には、支払い能力に不安がある客観的状況があるので、いわゆる不安の抗弁を根拠に、商品供給を拒むことができると、主張した事案である...
《解 説》
一、事案の概要は以下の通りである。
まず当事者は多数にわたるが、X1は著名な華道家、X2社はその流派の雑誌・書籍の出版販売を目的とする会社で、代表者はX1の親族である。他方、Y1ないしY3は興信所とその所長、同所が発行する信用情報紙「東洋経済通信」の発行人兼編集者、Y4、Y6...
《解 説》
本件は、土地の共有持分合計三分の一を有するXらが同土地上に建物を有するY社に対して賃料相当損害金を請求した事案である。Y社は、同社は昭和四六年一二月、持分三分の一を有していたXら先代A及び持分三分の二を有していたBとの間で賃貸借契約を締結していたとの抗弁を提出した。なお、Y社の...
《解 説》
Xらの子Aは、東京新国際空港の開港反対派を支援するため、昭和五二年五月八日、抗議集会の開かれた千葉県山武郡芝山町の反対派の設けた野戦病院前でスクラムを組んでいたが、機動隊の別動隊が裏手から来たのを見るため振り向いたところ、その直後にその場に昏倒し、右後頭部頭蓋骨陥没骨折、開放性...
《解 説》
一、本件は、いわゆる「ロス疑惑」で殺人罪等に問われている人物Xとスポーツ新聞Y間の、Xの英国滞在中の行動の報道を巡る名誉毀損事件である。
Y紙は昭和六三年一〇月二一日(Xが前妻に対する殺人既遂罪で逮捕された翌日)、Xが家族と共に英国に滞在していた昭和五九年中に、家族を乗せた車...
沼津セクシュアル・ハラスメント訴訟第一審判決
宿泊施設勤務の女性に対する上司のセクシュアル・ハラスメントについての損害賠償として二〇万円が認容された事例
《解 説》
本判決は、昭和三八年に路線認定され、昭和四八年に都市計画決定された一般道道の予定地(現況道路として使用されているわけではない。)を従前地とする換地処分を、土地区画整理法八九条に定める照応の原則に反するものとして取り消した事案である。本件従前地は原告がかつて所有していた約四万六〇...
《解 説》
Xの夫甲は、二年間小学校の校長を勤めた後、小学校校長の身分のまま外務省の委嘱を受けて、創立から二年も経ていないイタリアのミラノ日本人学校の校長として三年間勤務し、その後帰国して再び小学校の校長をしていたが、帰国一〇か月後にクモ膜下出血、脳室穿破により死亡した。Xは、甲はミラノ日...
《解 説》
一、本件訴訟は、A市の住民Xが、A市長であったYが支払を受けた退職手当の一部が条例等の根拠なしに支出されたものである旨主張して、地方自治法二四二条の二第一項四号の規定に基づき、A市に代位してYに対して不当利得返還を求めた住民訴訟である。
西尾市職員の退職手当に関する条例(一般...
《解 説》
一、事案の概要は以下の通りである。
妊婦X2は、昭和五七年二月二三日、出産のため、Yの経営する医院に入院した。Y医師は、午後三時頃から翌朝にかけて、陣痛促進を試みたがなかなか成功せず、翌日朝になって胎児が遅発一過性徐脈を起こしたので、一〇時前頃、帝王切開を受けさせるためにX2...
《解 説》
本件は、新生児、産婦及びその夫が、通常分娩の経過で、人工破水の適用も要約もないのに、医師が産婦の人工破水を施行し、それによって、胎児が低酸素症となったために仮死状態で分娩され、脳性麻痺となったかそうでなくとも分娩の経過で、分娩監視装置を装着していれば胎児仮死を早期に発見でき、脳...
《解 説》
一、本件は、千葉県市川市の住民である甲ら(選定当事者。原告・控訴人・上告人)が、市川市長の地位にある乙(被告・被控訴人・被上告人)に対し、地方自治法(以下「法」という。)二四二条の二第一項四号に基づき、六四万二五〇〇円の損害賠償を請求している住民訴訟である。すなわち、乙は、昭和...