《解 説》
検察官は、被告人の尿から覚せい剤が検出されたことと捜査段階での被告人の供述に基づいて、「被告人は、法定の除外事由がないのに、氏名不詳の女性と共謀のうえ、平成元年五月一七日午後五時ころ、大阪市東淀川区内のホテルの一室において、前記女性から覚せい剤約〇・〇七五グラムを約〇・七五ミリ...
一、建物居住のための使用貸借契約の終了につき民法五九七条二項但書を類推通用した事例
二、使用貸借契約解約告知による建物明渡請求につき金銭支払を権利濫用の消極事由として考慮した事例
和歌山観音竹商法損害賠償請求訴訟控訴審判決
一、観音竹商法の創始者に常助の不法行為責任を肯定した事例
二、判決の間接効を否定した事例
一、四歳児の抜歯に当たっていた歯科医が抜いた歯を口内に落としたため、同児が気道閉塞にょって窒息死した事案につき、歯科医に異物摘出の手法に関する過失が認められた事例
二、四歳児の死亡に対する慰謝料として、本人分・相続人分を合わせて三〇〇〇万円が認容された事例
三、医療過誤事件における新様式判決の例
《解 説》
一、本件は、Xが自己所有の貸マンション、事務所、住居用のビルの固定資産税の課税標準である価格の決定額が不当に高いとしてYに対し審査の申出をしたが、Yがこれを棄却したため、その取消を求めたものである。Xが右価額が不当であるとした理由は、右建物は建築後五年経過して古くなっているうえ...
《解 説》
一、本件事案の概要は次のとおりである。甲部落住民に総有的に帰属する共有の性質を有する入会権について、入会権を有する部落住民の組織である甲入会組合の臨時総会において、入会権を消滅させ、入会地を組合員の共有に移行させる決議がされた。この決議を前提に部落共有地を各権利者の単独所有にす...
《解 説》
本件は、昭和六一年三月に福井県内で発生した一五歳の女生徒に対する殺人事件についての判決である。被害者が市営住宅の一室で頭部、顔面等を灰皿と思われる鈍体で数回強打され、電器カーペットのコードで頚部を締め付けられ、さらに二本の文化包丁で顔面、頚部、胸部を多数回にわたって突き刺される...
《解 説》
一、本件は、金銭消費貸借の借主が貸主あてに担保のため振り出した約束手形に保証の趣旨で裏書をした者が原因債務につき保証をしたといえるか否かが争われた事案である。
借主甲と貸主乙(原告・控訴人・上告人)との間で四か月間に三回の金銭貸借があり、その都度、裏書人丙(被告・被控訴人・被...
《解 説》
一、長男X、二男Yら共同相続人五名の遺産分割協議により、Xが係争土地を単独相続して登記も了したが、YがXの実印等を使用して自己名義に所有権移転登記を経由したため、XからYに対し右登記の抹消登記手続を求めた事案である。Yは、抗弁として分割協議の修正合意又はXの持分の受贈を主張した...
色盲治療方法名誉毀損書件控訴審判決
医師が色覚異常者に対して「まやかし療法」をしていると報じた新開記事につき、その主要部分が真実であり、批判、論評にわたる部分も事実に即したものであるとして、名誉毀損の成立を否定し、謝罪広告等を命じた一審判決を取り消して、請求を棄却した事例
一、詐害行為の後に成立した法人税債権が詐害行為取消権の被保全債権となるとした事例
二、詐害行為取消権行使の結果債権者に支払うべき金員に附すべき遅延損害金の起算日は判決確定の日の翌日である