《解 説》
本件は、X1がラジオ番組として放送した匿名座談会においてY3、Y4がした発言がXの名誉を毀損するとして、右Yらと右番組の製作責任者であったY2に対してされた損害賠償及び謝罪広告等を求めた事案である。
Yらは、本件番組におけるY3、Y4の発言は当時社会問題化していた投資ジャーナ...
《解 説》
一1 本件は、ゴルフ会員が会費の支払いを怠ったために除名にされて全員資格を失った者が、原告となって、いわゆるゴルフ会員権が高額に売買されていることから除名によりその権利を失うことを不服とし、かつ、会員を除名されても一般にゴルフ会員権が譲渡されていることを主張して、会社であるカン...
《解 説》
本件は、マンション販売業者がマンション購入申込書の記載を基に、購入者の勤務先の名称及び電話番号を記載した購入者名簿をマンションの管理を委託することが予定されている会社に開示したことが、プライバシーの侵害に当たるとしてされた、損害賠償請求訴訟である。
「他人に知られたくない私的...
《解 説》
一、原告は、現場責任者兼鳶工として、火力発電所の工事現場で足場の設置、解体工事に従事していた者であるが、日常的には、配下の作業員を乗せたマイクロバスを運転して、作業員用の宿舎から約二キロメートル離れた就業場所である右工事現場に出勤し、終業後は右宿舎に戻っていた。
二、原告は、...
《解 説》
Xら五名は、倒産したA社に対する債権の担保として同社の代表者Y1から極度額八〇〇〇万円の根抵当権の設定を受けていたが、債務整理の過程において右根抵当権設定登記が抹消され、Y2信用金庫に極度額九〇〇〇万円の根抵当権設定登記が経由されたので、Y1に対しては右抹消登記の回復登記手続き...
先行する文書の配布・拡声器を使用しての録音テープの放送による名誉毀損行為につき慰謝料及び謝罪広告を認容し、他方、右の文書に対する反論文の配布に関し賠償責任・謝罪広告を否定した事例
一、糖尿病患者が断食療法中に死亡した事故につき、断食療法の施術者に不法行為責任を認めた事例
二、医師の資格のない断食療法の施術者の行為について七割の過失相殺をした事例
《解 説》
一、公職選挙法上の文書等頒布制限規定の合憲性については、夙に最大判昭30・4・6刑集九巻四号八一九頁が公共の福祉のため憲法上許された必要且つ合理的な制限であると判示し、その後の累次の最高裁判例(昭39・11・18刑集一八巻九号五六一頁、昭44・4・23刑集二三巻四号二三五頁、昭...
《解 説》
本件は、Xらが税理士であるYに対して専門家責任を追及する税理士業務過誤訴訟である。Xらは、土地建物の買換えに当たり、Yに対して節税指導・買換え後の税務申告を委任した。Xらは、従前地でも貸駐車場をしており、買換え地でも貸駐車場をする予定であり、租税特別措置法三七条所定の「特定の事...
退職金支給規定に退職後六か月以内に同業他社に就職した場合には退職金を支給しない旨の不支給条項がある場合において、退職従業員に会社に対する顕著な背信性は認められないとして、右従業員に対する右不支給条項の通用を否定した事例
一、「株式会社アール・エフ・ラジオ日本」 の商号及び「ラジオ日本」 の略称が「株式会社ニッポン放送」 の商号及び「ニッポン放送」の略称と類似しないとされた事例
二、ラジオ放送事業の営業上の活動について混同のおそれがないとされた事例
《解 説》
本件は、被告人が団地のエレベーター内で強いてわいせつ行為をしようとし、被害者の抵抗のため未遂に終わったが、その際被害者に加療三日間の打撲傷等を負わせるとともに、その日時場所で被害者所持のバッグ等を窃取したという事案である。
本件で、検察官は、被告人が、(一)捜査段階において、...
《解 説》
A町町立小学校体育館移転等工事請負契約の指名競争入札が行われ、B会社が落札(九八二〇万円)したが、B会社はその直後に契約辞退を申し出たため、再度入札が実施され、C会社が落札(一億三一一〇万円)した。そこで、A町の住民であるXが、A町の町長の職にあったYに対して、違法な職務執行に...
《解 説》
YはXの仲介により、Yの経営する病院の営業をAに代金一三億円で譲渡する契約を締結し、Xに仲介報酬として五〇〇〇万円を支払う旨約した。本件は、右支払約束に基づく報酬の残金四二〇八万円が請求された事案である。これに対するYの抗弁は、Aには右譲渡代金の支払能力がなかったところ、Xは仲...
《解 説》
X男はY女に対する離婚及び慰謝料請求の訴えを提起したが、Yの住居が不明であるとして第一審において公示送達の方法による呼出し等の手続がとられ、請求認容判決が昭和六二年一二月二三日に言い渡された。Yはかねてより、XがYに無断で離婚届を提出することを恐れ、本籍地の市長に離婚届不受理願...