Xのワンマン社長であるYが、Xと競業関係にあるC社に対し、自己に忠実なXの管理職をC社の役員として就任させ、人的物的に援助を与え続けるなどC社の事実上の支配者として同社を支配しているときは、たといYがC社の発行済株式の過半数を保有していないとしても、Xの取締役としての競業避止義務違反及び利益相反取引違反にあたるとした事例
給与支給機関が地方公務員等共済組合法一一五条二項に基づき地方公務員共済組合の組合員である地方公務員の給与から貸付金残額を控除して右組合に払い込む行為と破産法七二条二号による否認
請負契約に基づいて派遣された他企業の労働者を自己の作業秩序の中に組み込み自己の労働者と同様に指揮監督してその業務に従事させている企業は右派遣された労働者の「就労に係る諸条件」について労組法七条二号の「使用者」に当たるとした救済命令が適法とされた事例
《解 説》
本判決は、大阪府条例(公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例)に違反した被告人が、犯行当時心神耗弱の状態にあったと認定した事例である。
右条例の内容は、何人も、婦女に対し、公共の場所又は公共の乗物において、婦女を著しくしゅう恥させ、又は婦女に不安を覚えさせ...
《解 説》
一、本件は、量産品の模様として作成された美術創作物の著作物性が争われた事件である。
現在市場に出回っている家具等の表面の木目模様は、そのほとんどが、人工的に印刷された紙(紙とは限らないが、紙に代表されるシート状のもの)、すなわち木目化粧紙を貼付しているものであることは、周知の...
《解 説》
一、Xは、昭和六一年三月、自転車に乗って愛知県半田市内の横断歩道を通行中、反対方向から左折してきたY2運転の普通貨物自動車に衝突され転倒、負傷し、入院して治療を受けたが、Y2とその使用者Y1との間で、既払金四六三万八三七五円と自賠責保険金一三八三万円のほかに金六〇〇万円の支払い...
《解 説》
一、本件は、若者五人がドライブ旅行を企画し、レンタカーで走行中に、運転者の過失で右車両が山道から海岸に転落し、うち一名が死亡した事故につき、被害者Aの相続人である父母X1X2(原告、控訴人)が、事故時の運転者Y1(被告、被控訴人。以下同じ)、同乗者Y3、Y4の他、事故当時未成年...
ウィンドサーフィン訴訟第一審判決
被告製品の備えるゴム・ジョイントは、本件発明 (ウィンドサーフィン) の構成要件である「ユニバーサルジョイント」 に該当しないから、被告製品は本件発明の技術的範囲に属しないとして、損害賠償請求が認められなかった事例
《解 説》
一、Xは、A社と信用金庫取引契約を締結し、右契約に基づき、A社に金員を貸し付けた。Y1はA社がXに対して負担する一切の債務につき包括的に連帯保証をし、Y2、Y3はA社が現実に借り受けた各金員につき連帯保証をした。A社は手形の不渡りを出して取引停止処分を受けたため、XはY1、Y2...
《解 説》
一、本件は法人所有の場合と個人所有の場合とで差異を設けているマンションの管理費等の適法性が争われた事例である。
原告Xは東京都文京区内にあるマンションの管理組合であり、被告Yは右マンション内の一室(用途は居住用)を所有する会社であって、右管理組合の構成員である。同マンションの...
《解 説》
一、訴外Aは、昭和四九年一〇月三〇日、交通事故により大腿骨粉砕骨折等の傷害を受け、Y1の経営する病院で治療を受けたが、骨髄炎を併発し、これが慢性化して転医先で右大腿を切断することを余儀なくされた。
Xは、右交通事故を起こした加害車の運行供用者であるが、Aの骨髄炎の発症は、Y1...