被害者が約一年四か月の間に二回の交通事故にあった場合において、第二事故発生前に第一事故による症状が固定したとされ、第一事故の保険会社から被害者に対する不当利得返還請求が認められた事例
元津事件第二審判決 一、一連の糾弾行為という組織的行為の一環として、路上及び付近空地で糾弾行為をした者は、それより約一一〇メートル離れた路上の乗用車中にいて、脱出困難な状況にはあったが、直接糾弾行為を受けなかった者に対する関係でも共同不法行為の責任を負うとした事例 二、いわゆる糾弾権を内容とする違法性阻却事由の主張を排斥した事例
妊婦が出産のため入院中に、胎児が母体内で死亡した事案につき、その原因は胎児循環障害又は細菌感染症罹患であると推認して、医師に帝王切開術施行遅延の過失があったと判断された事例
1 訴訟上成立した和解につき、真実の当事者本人が関与したものでないとして、和解が無効とされた事例 2 弁論調書の証明力
《解 説》
一、判示事項一について
本判決は、労災保険法に基づく療養保障給付請求権は現物支給を原則とするもので、一身専属の権利であるとして、本人の死亡により当然消滅するとして、相続人からの不支給処分取消訴訟は不適法であるとした。最判昭42・5・24民集二一巻五号一〇四三頁(朝日訴訟)は生...
《解 説》
Xは司法書士であり、Y保険会社との間で司法書士賠償責任保険契約を締結していた。本件は、XがY社に対し、右保険契約に基づき、A社に損害賠償として支払った和解金一五〇〇万円の支払いを求めた事案であり、そのいきさつ及び争点等はおよそ次のとおりである。
Xの補助者Bは土地の所有者を名...
警察の広報行為として行われた特定人逮捕の記者発表及びこれを報道した新聞記者について名誉毀損の不法行為が成立しないとされた事例
元総理大臣の後援者の会合における演説の中で昭和二四、五年当時の日本共産党宮本委員長の活動に言及した発言が、名誉毀損に当たらないとされた事例
市の指導要綱に基づき給水契約留保の措置をとり水道法違反により起訴された市長個人のため、市がその弁護士費用(手数料・着手金)を支出したことが違法な公金の支出に当たるとされた事例
男児の逸失利益を男子労働者の全年齢平均賃金額を基準として算定しホフマン式計算法により事故当時の現在価額を算定することの当否