《解 説》
一、本件は、Aの長男であるXが、Aの死に関しAの妻Bに保護責任者遺棄罪に該当する事実があるとして、Bを警察に告訴したところ、嫌疑不十分の理由により不起訴処分とされたことから、右事件が不起訴とされたのは警察の担当捜査官及び検察官が捜査を怠った結果であると主張して、Y県及びY国に対...
1 1級河川長良川堤防の決壊について大東水害訴訟最高裁判決が示した河川管理瑕疵の判断基準の趣旨に則り、河川管理者たる国の国賠法2条の管理の瑕疵に基づく損害賠償責任を否定した事例 2 警戒水位をはるかに超える高水位が異常に長期間継続した本件洪水が防御対象外の洪水であるとの主張が排斥された事例 3 計画高水位以下の洪水で破堤した場合には当該堤河川の管理に瑕疵があると推定される旨の主張が排斥された事例
1 一部の忠魂碑が神社神道の宗教的施設であるとされ、市長の日本郷友連盟県支部に対する維持管理費補助金の支出が憲法20条3項に違反するとして市長に対する住民の損害賠償代位請求が認められた事例 2 遺族会、日本郷友連盟県支部等が宗教上の組織若しくは団体に当たらないとされた事例 3 忠魂碑の維持管理費補助金の支出に公益上の必要性がないとはいえないとされた事例
《解 説》
一、本件は、不当労働行為救済申立てに対する中央労働委員会の救済命令(以下、「本件救済命令」という。)の取消しが求められた事案である。不当労働行為に当たると主張された使用者の行為及びそれに対する裁判所の判断は多岐にわたるが、そのうち、特に問題になると思われるものについて述べること...
板橋宝石商殺し事件従犯控訴審判決 当初の殺害予定場所であった地下室に目張り等をした行為につき幇助行為に当たらないとされた事例
1 専属的管轄の合意とは認められないとされた事例 2 共同訴訟人Y1がした専属的管轄の合意の効力は他の共同訴訟人Y2に当然には及ばないし、民訴法21条によって管轄が生じたとしてもその管轄が専属的管轄の性質を帯びるものではない
《解 説》
一、Xは、自動車の販売等を業とする会社であるが、昭和六一年一月、その所有の自動車を、同業者であるA会社に対し、代金三一〇万円、所有権留保特約付で売却し、Aは、その直後、右自動車を、Y1に対し代金三三九万円で売却して引き渡した。
しかし、Aが右自動車の代金をXに支払わなかったた...
商品先物取引業者の従業員の顧客(株式会社代表取締役)に対する勧誘行為及び受託業務の実施に違法性が認められないとして、商品先物取引業者の不法行為責任を否定した事例
商品先物取引業者の従業員の顧客に対する勧誘行為及び受託業務の実施に違法性があったとして、会社及び従業員に不法行為責任を肯定した事例(過失相殺五割)
1 従事員登録簿に登録され、希望すれば必ず競輪場の従事員として採用される取扱いをされている者の法的地位について、継続して期限の定めなく従事員としての身分を有しているのではなく、期日ごとに日々従事員に採用されて初めて従事員としての身分を取得するとされた事例 2 右従事員登録簿に登録された者について、満65歳に達したときは、その者の選択した条件に従って雇い止めにする旨の労働協約の定めが合理性を有するとされた事例
《解 説》
本判決が認定した事実関係は次のとおりである。Xは外国人の会社経営者であるが、昭和六一年五月、税務当局から強制調査を受けて帳簿類を押収され、巨額の追徴課税、身柄拘束、本国への強制送還を恐れ、Y2らに相談した結果、元代議士のY1を通じ、有力代議士であるAに工作資金を渡し、税務当局に...