1 賃貸借契約の期間満了に基づく建物収去土地明渡請求権と無断転貸による賃貸借契約解除に基づく建物収去土地明渡請求権の訴訟物は同一か(積極) 2 右の場合、前訴の口頭弁論終結時以前に存在した無断転貸の事実を理由として、賃貸借契約解除に基づく建物収去土地明渡の訴えを提起することは既判力に触れ許されないが、右弁論終結時以後の無断転貸の事実を理由とすることは既判力に触れないとされた事例 3 前訴の既判力に抵触する後訴を提起しても不法行為とはならないとされた事例
定期積金の中途解約による払戻及びこれと同時になされた普通預金の払戻について金融機関の担当職員に過失があるとして準占有者への弁済の効力を否定した事例
1 永住許可を受けた在留外国人が再入国許可を受けずに本邦を出国したことにより在留資格(永住資格)を喪失したとされた事例 2 永住許可を受けた在留外国人の再入国の自由に対する憲法及び国際人権規約上の保障の有無(消極) 3 永住許可を受けた在留外国人に対して外国人登録法14条所定の指紋押捺拒否を理由とする再入国不許可処分が違法でないとされた事例
1 集中豪雨による擁壁の倒壊により住民が死亡し人家6棟が全半壊した被害につき、擁壁の設置上の瑕疵があるとして、擁壁の所有者の損害賠償責任が認められた事例 2 右被害につき、県の違法な権限不行使等を理由とする損害賠償請求が認められなかった事例
賃貸建物が相当に老朽化し、その敷地の有効利用のためにはこれを建替える必要があることや、賃貸人が老齢のために二女を右建替え建物に居住させてその面倒をみさせる必要があること等を理由に、300万円の立退料の提供により、賃貸家屋の解約申し入れの正当事由を認めた事例
県警職員であった者が、いわゆる勧奨退職により県警の斡旋せる会社に再就職するにあたり、県警との間において、就職後四年で退職する旨約束したにもかかわらず、右約束による退職を拒否したために、得意先である県警の信頼を失って会社の支店業務に支障を来すような状況になったことを理由としてなされた支店長職からの解任降格処分が適法なものとされ、さらに右降格処分後の無断欠勤を理由とする通常解雇が有効なものとされた事例
一部事務組合の管理者が建設省の係官を接待するために行った宴会の費用を公金により支出したことが違法ではないとされた事例
1 いわゆる偽計による自白として、自白の証拠能力が否定された事例 2 留置人名簿、留置人出入簿及び留置人出入要請書中被疑者の各出入れ時刻に関する部分の証拠能力(積極) 3 夜間誘いに乗って長時間ドライブに応じた初対面の被害者を車内で強姦しようとしたという強姦未遂事件につき、自白を除く被告人の供述と被害者の供述等を対比し、その信用性を詳細に検討して、有罪と認めた事例
1 教科書検定制度と憲法26条違反の有無(消極) 2 教科書検定制度と憲法21条2項、1項違反の有無(消極) 3 教科書検定制度と憲法23条違反の有無(消極) 4 教科書検定制度と法治主義違反の有無(消極) 5 教科書検定制度と憲法31条違反の有無(消極) 6 教科書検定と文部大臣の裁量権 7 文部大臣のした高等学校用日本史教科書に関する検定処分に対して教科書執筆者の提起した違憲・違法を理由とする国家賠償訴訟について、条件付不合格処分における検定意見の一部に裁量権濫用の違法があるものの、その余の部分には違憲・違法がないとした事例
光電式速度測定装置による速度違反の測定結果について、装置の操作方法に誤りがあったため過大な測定結果を生じたとして、公訴が棄却された事例
1(1) 国鉄と国労との間の各協約が国労分会を団体交渉の当事者とはしない趣旨であると解すべきものとされた事例 1(2) 国労分会の国鉄新幹線総局大阪保線所長に対する団体交渉権が慣行により確立しているとはいえないとされた事例 1(3) 右大阪保線所長が右分会の団交に応じなかったことに違法はないとされた事例 1(4) 右団交拒否が不法行為にあたるとしてなされた右大阪保線所長、国鉄清算事業団に対する損害賠償請求が棄却された事例 2(1) 新幹線運行本部大阪管理部の保線所長、設備所長が労組法7条2項の「使用者」とはいえないとされた事例 2(2) 右保線所長、設備所長の国労分会からの団交拒否が右分会の団体交渉権を不当に制約したものとはいえないとされた事例 2(3) 右団交拒否が不法行為にあたるとしてなされた損害賠償請求が棄却された事例