県警職員であった者が、いわゆる勧奨退職により県警の斡旋せる会社に再就職するにあたり、県警との間において、就職後四年で退職する旨約束したにもかかわらず、右約束による退職を拒否したために、得意先である県警の信頼を失って会社の支店業務に支障を来すような状況になったことを理由としてなされた支店長職からの解任降格処分が適法なものとされ、さらに右降格処分後の無断欠勤を理由とする通常解雇が有効なものとされた事例
一部事務組合の管理者が建設省の係官を接待するために行った宴会の費用を公金により支出したことが違法ではないとされた事例
1 いわゆる偽計による自白として、自白の証拠能力が否定された事例 2 留置人名簿、留置人出入簿及び留置人出入要請書中被疑者の各出入れ時刻に関する部分の証拠能力(積極) 3 夜間誘いに乗って長時間ドライブに応じた初対面の被害者を車内で強姦しようとしたという強姦未遂事件につき、自白を除く被告人の供述と被害者の供述等を対比し、その信用性を詳細に検討して、有罪と認めた事例
1 教科書検定制度と憲法26条違反の有無(消極) 2 教科書検定制度と憲法21条2項、1項違反の有無(消極) 3 教科書検定制度と憲法23条違反の有無(消極) 4 教科書検定制度と法治主義違反の有無(消極) 5 教科書検定制度と憲法31条違反の有無(消極) 6 教科書検定と文部大臣の裁量権 7 文部大臣のした高等学校用日本史教科書に関する検定処分に対して教科書執筆者の提起した違憲・違法を理由とする国家賠償訴訟について、条件付不合格処分における検定意見の一部に裁量権濫用の違法があるものの、その余の部分には違憲・違法がないとした事例
光電式速度測定装置による速度違反の測定結果について、装置の操作方法に誤りがあったため過大な測定結果を生じたとして、公訴が棄却された事例
1(1) 国鉄と国労との間の各協約が国労分会を団体交渉の当事者とはしない趣旨であると解すべきものとされた事例 1(2) 国労分会の国鉄新幹線総局大阪保線所長に対する団体交渉権が慣行により確立しているとはいえないとされた事例 1(3) 右大阪保線所長が右分会の団交に応じなかったことに違法はないとされた事例 1(4) 右団交拒否が不法行為にあたるとしてなされた右大阪保線所長、国鉄清算事業団に対する損害賠償請求が棄却された事例 2(1) 新幹線運行本部大阪管理部の保線所長、設備所長が労組法7条2項の「使用者」とはいえないとされた事例 2(2) 右保線所長、設備所長の国労分会からの団交拒否が右分会の団体交渉権を不当に制約したものとはいえないとされた事例 2(3) 右団交拒否が不法行為にあたるとしてなされた損害賠償請求が棄却された事例
一、職員に基礎疾患がある場合において、公務とその他の要因とが共働原因となって基礎疾患を増悪させそれにより死亡した場合にも、公務と基礎疾患の増悪との間に相当因果関係が存するかぎり、公務起因性が認められる 二、本態性高血圧症の基礎疾患を有する郵便局副課長が、夜勤に従事中夕食のため外出した際、脳出血で倒れ死亡した事案において、同副課長の職務と右基礎疾患の増悪との間に相当因果関係が存するとして公務起因性 (過労死) を認めた事例
1 更地に抵当権が設定された後に同地上に建物が新築され、これについて土地の抵当権と同一の順位・関係で抵当権が設定されている場合であっても、建物について法定地上権は成立しない 2 法定地上権の成否について誤った評価に基づいて最低売却価額を決定し、その公告及び入札を実施したことは、民事執行法188条によって準用される同法71条6号にいう最低売却価額の決定及びその手続に重大な誤りがある場合に当る
1 米国で発行されたタロットカードの解説書を翻訳販売した被告らについて、著作権者の許諾を得ていたとは認められず、また、カードの使用説明書については著作権者の許諾及び使用料の支払いなしに翻訳出版できるとの慣行の存在も認められないとされた事例 2 タロットカードの占い方法を解説した折り畳みシートに著作物性が認められるとされた事例
旧国鉄職員が市町村議会議員に当選したときは、公職選挙法103条1項により、当選告知の日に右職員の地位を失うとされた事例
1 市の建築主事が機関委任事務の執行を通じて取得した文書が市の情報公開条例に基づく公開請求の対象となるとされた事例 2 市の情報公開条例に基づく自衛隊施設建築工事に関する文書の公開決定処分について、国の執行停止の申立てが一部認容された事例
1 競売物件につき、買受人に対抗しうる賃借権を有すると主張する者が、実は買受人に対抗しえない場合、自己の権利が物件明細書に記載されていないことに関して売却許可決定に対して執行抗告をなす利益を有する 2 抗告裁判所が、原裁判所の執行抗告却下の決定に対する執行抗告につき右決定を取り消す場合、原裁判所に再度の考案の機会を必ず与えなければ手続上の欠陥があるとまではいえない