1 更正請求に対する理由がない旨の通知処分の取消訴訟は、更正等処分の取消訴訟と重ねて認められる訴えの利益があるか(積極) 2 税務相談は原則として相談者から提示された事実関係に基づき相談事項を検討すれば足り、一定の課税特例を受けられることを当然の前提として計算の適否等を質問された場合には、これに適切に応答していれば担当職員として職務義務違反はなく、誤った教示があったことを理由とする信義則違反の主張は前提を欠くとされた事例
《解 説》
一、原告はトラック運転手であったが、業務上の負傷による疾病等により自宅待機中であったところ、右自宅待機期間満了時において、卜ラック運転業務に復帰することができなかったので、被告会社は、就業規則所定の解雇事由である「業務に堪えられないと認められる場合」に当たるとして、原告を解雇し...
小学校6年生の児童が1級河川の堤防で穴を掘って遊んでいた際に土砂が崩れ落ちて死亡した事故につき、右河川の堤防の設置管理に瑕疵がないとして、国家賠償法2条1項、3条1項に基づく損害賠償責任を否定した事例
くも膜下出血の患者を心不全と誤診し、適切な救急医療の施行を怠ったとしてなされた損害賠償請求につき、医師の対応は患者の具体的状態に即したもので過失はなかったとされた事例
1 支払不能の状態にある破産者がその事実を告げないで新たに行った借入れは、たとえ積極的な欺罔行為が伴わなくとも、破産法366条の9第2号所定の詐術による財産の取得にあたる 2 破産者の更生を容易にするという免責制度の趣旨及び不誠実性の顕著な破産者を免責の対象から除外するという免責不許可事由の存在理由に照らすと、裁判所は、破産者に免責不許可事由がある場合でも、破産者の不誠実性が顕著でなく、かつ更生の見込みがある等の事情があるときは、裁量により免責を許可することができる 3 1千万円余の債務を有し、かつ破産宣告前1年内に、支払不能状態にあるにもかかわらず借入れを行っていた破産者について、諸般の事情を考慮して免責を許可した事例
1 地下鉄建設工事による騒音・振動・粉塵被害について、受忍限度を超えるものがあるとして住民の慰藉料請求が認められた事例 2 地下鉄建設工事から地盤沈下が生じ、家屋被害が発生したという因果関係が認められた事例 3 家屋被害による損害について、示談の効力の及ぶ範囲を限定し、慰藉料の補完的機能をも考慮して損害を認めた事例 4 公害紛争処理法36条の2の趣旨による消滅時効の中断が認められた事例 5 右時効中断の効力が他の共同不法行為者にも及ぶとされた事例
1 NTTが発行するテレホンカードは、刑法上の有価証券にあたるとされた事例 2 NTTが作成した利用可能度数50度の真正なテレホンカードの一部である磁気部分の磁気データのうちの利用可能度数を、権限なく1998度に改ざんすることは、有価証券の変造にあたるとされた事例 3 テレホンカードをカード式公衆電話機のカード差込み口に挿入して使用することは、有価証券の行使にあたるとされた事例
1 コンクリート塀に激突した車の助手席に同乗していた被害者が、右車の所有者の娘であって、事故時に運転者の道案内をしていた事実があっても、自賠法3条の「他人」に当たるとされた事例 2 視神経炎の既往症が存在するにもかかわらず、自動車事故と被害者の視神経萎縮に基づく視力低下との間に相当因果関係があり、既往症の寄与割合が3割とされた事例
1 自動車対人損害賠償保険契約の締結が認められなかった事例 2 自動車対人損害賠償保険契約が締結されなかったことについて保険会社の代理店に帰責事由がないとされた事例
児童福祉法24条による6か月の期限付保育所入所措置の期限到来に際しなされた従前保育所とは別の保育所へ入所措置する処分は、直前の保育所入所措置の期限の更新と入所措置実施方法(保育所)の変更処分であると解し、右処分の効力停止を求める申立の利益があるとされた事例
タクシー会社の賃金制度につき、割増賃金を、通常時間に対応する賃金と合わせて一定の賃率による歩合給として、これを一律に支払うという方法を採ったことが、労働基準法37条に違反するとされた事例