1 小学校を設置する町に対し、学校教育法施行令に定める区域外就学の手続によらないで、区域外の特定の小学校へ子女を就学させる権利を有することの確認を求める訴えは、実質的当事者訴訟としても、予防的確認訴訟としても不適法であるとした事例 2 児童の就学をめぐる法律関係には慣習法が成立する余地がないとした事例
1 建物の所有権者は、右建物につき自己の申請にかかる表示登記が既になされている場合であっても、右建物についてなされているところの実体法上の権利関係に合致しない二重表示登記の職権による抹消が事実上困難なときは、その抹消を求める私法上の登記請求権を有する 2 建物の所有権者は、右建物につき自己名義の所有権保存登記を有する場合であっても、実体法上無効な別個の保存登記の抹消を求める権利を有する 3 4階建の建物の4階部分を撤去し、2階の床を抜いて、2階建とし、外観を大幅に変更する等の工事が行われても、建物の主要構造部分に変更がない場合には、建物の同一性に影響はないとされた事例
1 少年審判手続についての忌避申立の可否(積極) 2 少年審判手続についての忌避申立棄却決定に対する即時抗告の可否(消極)
駐車違反を現認した交通巡視員による犯人の逃走阻止行為が不正な侵害に該当しないとして、犯人が自動車を発進させて交通巡視員に傷害を負わせた行為につき、正当防衛が成立しないとされた事例
1 原子炉等規制法に基づき内閣総理大臣がなした原子炉設置許可処分について原子炉から20キロメートルの範囲内に居住する住民は無効確認を求める原告適格があるとした事例 2 原子炉施設周辺住民が人格権に基づき原子炉設置者に対して提起する原子炉建設等の差止めの訴えは、原子炉設置許可処分の無効を前提とする現在の法律関係の訴え(争点訴訟)に当らず、また同許可処分の無効確認訴訟に比べ紛争の抜本的解決のための有効かつ適切な手段であるともいえないとされた事例
被告人が盗難にあったセカンドバッグの中に覚せい剤を所持していたことを、右セカンドバッグ、覚せい剤等が投棄されていた状態、被告人の覚せい剤歴、盗難後の被告人の言動等の情況証拠を総合して認定した事例
新株の発行が時価より著しく有利な価額によるものであり、かつ著しく不公正な方法によるものであるとして、その発行が差し止められた事例
1 更正請求に対する理由がない旨の通知処分の取消訴訟は、更正等処分の取消訴訟と重ねて認められる訴えの利益があるか(積極) 2 税務相談は原則として相談者から提示された事実関係に基づき相談事項を検討すれば足り、一定の課税特例を受けられることを当然の前提として計算の適否等を質問された場合には、これに適切に応答していれば担当職員として職務義務違反はなく、誤った教示があったことを理由とする信義則違反の主張は前提を欠くとされた事例
《解 説》
一、原告はトラック運転手であったが、業務上の負傷による疾病等により自宅待機中であったところ、右自宅待機期間満了時において、卜ラック運転業務に復帰することができなかったので、被告会社は、就業規則所定の解雇事由である「業務に堪えられないと認められる場合」に当たるとして、原告を解雇し...