1 下顎骨折部位の整復固定手術のため全身麻酔をされた患者が悪性過高熱により汎発性血管内凝固症候群を起こして死亡した事故につき担当医師に過失がないとされた事例 2 国立大学付属病院で通常の診療契約に基づいて行われた治療行為の過程で起きた患者の死亡事故について憲法29条3項による損失補償責任は発生しない
1 金銭消費貸借契約において共同貸主から借り入れた場合について利息制限法違反に基づく借主の過払い分の返還請求権が不可分債務であるとされた事例 2 民事判決書における簡素化判決の例
1 弁護士の弁護士会への強制加入制は憲法18条・19条・22条1項に違反しない 2 弁護士の品位を失うべき非行があるとされた事例
1 商法204条ノ2第2項により譲渡の相手方と指定された者から同条ノ3第1項による株式売渡請求権の行使があれば売買という法律関係が形成され、その後は右売渡請求の撤回をすることも、会社が、当初譲受人に対する株式の譲渡の不承認を撤回し、承認をなすことも許されず、いずれも無効である 2 右会社のなす譲渡承認の有効確認の訴えが、訴えの利益を欠き不適法とされた事例 3 商法204条ノ3第2項の供託は、同第1、2項により、右1項の売買形成後は保証供託の性質をもち、任意の取戻しは許されず、右取り戻されたときも、一旦成立した右売買という法律関係の効力に影響を及ぼさない
使途を定めた特別融資金による弁済が破産法72条1号所定の破産債権者を害する行為に当たらない特段の事情があるとされた事例
警察官が早朝乗車用ヘルメットを着用しないで自動二輪車を運転中の大学生に停止を求め、運転免許証の提示を求めてもこれに応じないで発進しようとするのを制止し、これに抵抗して有形力を行使した大学生を逮捕したことが、目的の正当性、手段の必要性・緊急性、手段の相当性に照らして適法とされた事例
知事等特別職の退職手当額決定を知事に一任する条例は地方自治法204条3項、同条の2に違反し無効であるが、右条例によって退職手当が支給された後に右退職手当額と同基準の支給を定める改正条例が遡及適用されたことによって適法な支給となったとした原判決が維持された事例
1 再入国許可申請に対する不許可処分の取消を求める訴の利益が失われたものとされた事例
2 外国人登録法の指紋押なつに関する規定が合憲であるとされた事例
3 在留外国人の再入国の自由に対する憲法上の保障の有無(消極)
4 再入国許可処分の性質及び裁量権の範囲
被告人の控訴により差し戻された事件の第二次第1審裁判所が第一次第1審で否定された本位的訴因につき判決したことに違法はないとされた事例
株式売買による所得を秘匿し、3年度合計で20億円余を脱税した被告人に対し、懲役3年の実刑と罰金4億円が科せられた事例
1 改正前の法律を適用すべきことを明示しない法令適用の誤りと判決への影響(積極) 2 単純一罪である廃棄物の処理及び清掃に関する法律14条5項、25条1号違反の所為を併合罪として処理した法令適用の誤りと判決への影響(積極) 3 廃棄物の処理及び清掃に関する法律にいう事業者である会社の業務に関し同法14条5項、25条1号の違反行為をした同会社代表者の処罰にあたって同法29条の適用を遺脱した法令適用の誤りと判決への影響(積極)
1 昭和48年4月までの出生児について、未熟児網膜症に対する治療法として光凝固法又は冷凍凝固法を実施することが、当時の臨床医学の実践における医療水準になっていたとはいえないとされた事例 2 国(厚生大臣)が未熟児網膜症を予防するため、医師が準拠しうる基準を設定すべきであったとする主張が排斥された事例