精神病院に入院中の精神分裂病者が、外泊許可中に第三者を殺害したことについて、精神病院側の損害賠償責任が認められなかった事例
交通事故の被害者が事故後約1年2か月後に自殺した場合、事故と死亡との間に相当因果関係を肯定したが、過失相殺の法理を類推適用して、死亡による損害の50パーセントの賠償を認めた事例
1 車両損害についての修理費用が当該車両の事故後の時価と事故前の時価との差額を上回る場合における損害額は、原則として右時価の差額を限度とするのが相当であるとされた事例 2 被害車両が特種な外車であるから実用車と異なるとして評価損が認められなかった事例
交通事故に基づく受傷は、それだけでは致死の結果に至らない程度のものであったが、被害者にたまたま本態性高血圧症の持病があったため、これとあいまって死亡した場合につき、因果関係が存在するとされた事例
いわゆる人間ドック検診契約につき、これは特定の病状に対する検査、治療を目的としたものではないとして、異常を認めながらその原因を確定しないまま再検査を指示しただけの医師に義務違反はないとした事例
1 地方自治法242条の監査請求に添付された請求者本人作成名義の事実調査報告書が同条所定の違法等の事実を証する書面に該当するとされた事例
2 監査委員の監査請求書不受理の行為が、地方自治法242条に違反する違法なものではあるが、国家賠償法1条1項にいわゆる違法な行為とはいえないとされた事例
胃癌の全身転移によって死亡した患者につき、死亡の原因を医師の安易な神経ブロック施行又は癌転移に対する無策にあったとする主張、及び延命措置の懈怠があったとする主張がいずれも排斥された事例
1 保険金請求権の質権者が保険金受領の際、後日保険者に支払義務のないことが判明したときは一切の責任を負い保険金を返還する旨の文言の記載された領収証を交付した場合は、保険者と質権者との間で不当利得返還義務の範囲について特約をしたものとして有効であるが、受領の日の翌日を起算日とする遅延損害金を支払う旨の特約とまでは解されないとされた事例
2 保険金返還請求権について商事消滅時効が類推適用されるとされた事例
クレジットカード会社が会員に対しカード利用代金を訴訟上請求するにつき購入物品名を具体的に主張する必要はないとされた事例
海外商品先物取引業者の従業員の勧誘行為が不法行為に当たるとして、海外商品取引業者、代表取締役及び当該従業員に損害賠償責任を認めた事例
店舗に設置されている看板に、原告の書と類似する文字が記載されていても、その店舗の経営者が右看板の製作に関与していない場合には、右の書を複製したことにはならない、とされた事例
1 認知をした父から子に対する真実に反する認知をしたことを理由とする認知無効確認請求が許されないとされた事例
2 第三者の提起する他人間の親子関係不存在確認の訴えと訴えの利益の有無(消極)
無権代理人の嘱託により作成された金銭消費貸借契約公正証書と他の者と共同で本人を相続したときの無権代理人(共同相続人の一部の者)に対する執行力の有無
所得秘匿工作をしたうえ逋脱の意思で会社臨時特別税確定申告書を税務署長に提出しなかった場合における会社臨時特別税法22条1項にいう「偽りその他不正の行為」とその判示方法
口座振替の方法によるリース料支払いの約定のある契約につき義務履行地は債務者の取引銀行所在地であるとした上、管轄合意を付加的なものとし、民訴法31条の移送を認めた事例