1 大学応援団の夏期合宿中に上級生から気合い入れと称する集団暴行を受け死亡した事故につき、大学当局に違法状態是正措置を執らなかった過失があるとして損害賠償責任が認められた事例
2 右事故につき、死亡した学生にも過失があるとして4割の過失相殺が認められた事例
鼠径ヘルニアの手術を受けた男児つき、術後の発熱への対応義務違反(患者に対する覚醒管理の懈怠)は認めたものの、右注意義務と死亡との因果関係がないとして、担当医及び病院への賠償請求が棄却された事例
いわゆる人工透析治療において、医師が看護資格等のないいわゆる透析士をして人工腎臓装置の先端部の穿刺針を患者のシャントに刺入及び抜去する行為を業として行わせたことが保健婦助産婦看護婦法に違反するとされた事例
買戻特約売買により不動産が譲渡された場合において、右契約締結のときではなく、売主が買戻権を喪失したときに、課税の対象となる「資産の譲渡」があったとされた事例
好意同乗者から加害運転者に対する損害賠償請求について、飲酒運転を助長し、無謀運転を是認していたことなどを考慮し、3割の過失相殺をした事例
時期を逸しながら人工妊娠中絶の施術を求める女性にこれを断念させて出産させた新生児を内容虚偽の出生証明書を発行してその養育を希望する者にあっせんするいわゆる実子あっせんを行い、医師法違反等により罰金刑に処せられたことを理由としてされた医師に対する6か月の医業停止処分が、裁量権の範囲を逸脱しこれを濫用したものとはいえないとされた事例
経営の行詰まりにより解散した旧会社と、その従業員の約半数を採用した新会社との間に同一性がなく、旧会社のした解雇が整理解雇に該らず、解雇権の濫用、不当労働行為もないとされた事例
第三者所有の不動産に設定された抵当権が不存在であるにもかかわらず右抵当権の実行により債権者に対してされた弁済金の交付と不当利得の成否
訟務検事が裁判官に任命されて国が当事者である訴訟事件を担当しても、裁判の公正を妨げるべき事情があると認めることができないとされた事件
1 労働基準法39条の年休手当の定めは、賃金の全額を保障したものではないとした事例 2 年休手当額を健康保険法3条所定の標準報酬日額とする旨の定めが、労働基準法39条6項に従ったものにすぎず、年休制度の趣旨を没却し、公序良俗に違反するものとはいえないとした事例
青信号に従って進行する自動車運転者にとって横断歩行者が赤信号に従って横断をさし控えるものと信頼することが許されるとされた事例