1 ノンフィクション作品における実名使用により前科を公表したことがプライバシー侵害にあたるとして慰謝料請求が認められた事例
2 いったん国内の一部において報道された犯罪・前科も時の経過とともにプライバシー保護の対象となるとした事例
3 他人の実名を使用してその前科を明らかにするというプライバシーの侵害がノンフィクション作品の一部を構成する場合に、当該事実の公表が公の利益に関するものか、公共の利益を図る目的に出たものかという違法阻却事由の判断にあたって、当該作品自体の価値・目的との関係での判断方法を示した事例
地方公共団体(市)の人事委員会が、規則を改正して旧国鉄職員から選考により職員を採用し得ることとしたうえ、右選考、採用をし、市長(被告)が右費用につき支出命令をした場合において、右規則改正、選考の実施は違法とはいえないとして、市長(被告)に対する地自法242条の2第1項4号による損害賠償請求を棄却した事例
公正証書遺言の「相続させる」との文言は、遺贈であり、遺産分割手続を要せず、当該遺言によって権利が移転すると認めた事例
機動隊員がデモ行進に対する機動隊の規制行為の監視にあたっていた弁護士に暴行を加えたとして損害賠償の支払が命ぜられた事例
別居期間が30年に及びその間に未成熟の子がない夫婦につき、有責配偶者からの離婚請求を認容することが著しく社会正義に反するといえるような特段の事情があるとはいえないとされた事例
抵当権の実行としての競売手続において通常の取引価格に比べてかなり低額で競落されたため、抵当権者が満足を得ることができなかったという場合における抵当権(ないし抵当権付き債権)の侵害を理由とする不法行為の成立要件
1 被告の寄木模様建材の製造方法は本件特許発明の技術的範囲に属するとして、特許権に基づく侵害差止及び損害賠償請求の一部が認容された事例
2 共有に係る特許権の侵害者に対する損害賠償請求権は、各共有者がその持分に応じてのみ行使できるものであり、特許権の共有者が特許権侵害行為によって損害を受けた場合は、特許法第102条第1項の規定により、侵害者の得た利益の額を共有持分権の割合によって按分した額をもって当該共有者の被った損害の額と推定される
3 原告以外の本件特許権の共有者も本件特許発明を実施しており、その他に多数の非独占的通常実施権者が存在しているという事実があっても、被告の特許権侵害行為によって原告の被った現実の損害額が前記推定による金額より低額であることの立証はないから、前記推定は覆らないとされた事例