1 商法280条の2第2項の「特ニ有利ナル発行価額」とは、新株発行時における当該会社の資産状態、収益力等から総合的に判断されるものであって、第三者割当の新株発行価額については、新株発行決定時の株価のみを基準として判断するのは相当でなく、会社のあるべき市場価額と対比すべきであるとし、本件新株発行価額があながち不当なものとすることができず、「特ニ有利ナル発行価額」に当らないとした事例
2 株式会社に特定株主の株式保有を嫌って新株を発行したのではないかとの疑いを全く否定できないにせよ、新株発行につき資金調達という合理的理由が存する以上、本件新株発行は著しく不公正な方法によるものということはできないとした事例
1 ノンフィクション作品における実名使用により前科を公表したことがプライバシー侵害にあたるとして慰謝料請求が認められた事例
2 いったん国内の一部において報道された犯罪・前科も時の経過とともにプライバシー保護の対象となるとした事例
3 他人の実名を使用してその前科を明らかにするというプライバシーの侵害がノンフィクション作品の一部を構成する場合に、当該事実の公表が公の利益に関するものか、公共の利益を図る目的に出たものかという違法阻却事由の判断にあたって、当該作品自体の価値・目的との関係での判断方法を示した事例
地方公共団体(市)の人事委員会が、規則を改正して旧国鉄職員から選考により職員を採用し得ることとしたうえ、右選考、採用をし、市長(被告)が右費用につき支出命令をした場合において、右規則改正、選考の実施は違法とはいえないとして、市長(被告)に対する地自法242条の2第1項4号による損害賠償請求を棄却した事例
公正証書遺言の「相続させる」との文言は、遺贈であり、遺産分割手続を要せず、当該遺言によって権利が移転すると認めた事例
機動隊員がデモ行進に対する機動隊の規制行為の監視にあたっていた弁護士に暴行を加えたとして損害賠償の支払が命ぜられた事例
別居期間が30年に及びその間に未成熟の子がない夫婦につき、有責配偶者からの離婚請求を認容することが著しく社会正義に反するといえるような特段の事情があるとはいえないとされた事例