出産時の会陰裂傷に対して三度の縫合手術が行われたものの同部創傷の治癒不全等を後遺とした結果につき、患者の体質及びその放置等を理由に、診療債務の不履行がないとされた事例
1 民法915条1項の熟慮期間の起算時について、相続人において相続財産が全く存在しないと信ずる相当な理由がある場合に該らないとされた事例
2 民法917条の熟慮期間の起算時について、事実上の離婚状態にある妻において自ら引き取った未成年の子が夫の債務を相続しないと考えることは経験則に反する
他人の犯罪行為の公表が許容されるのは、公表の目的、必要性、手段等に照らし、社会的に相当と認められる場合に限られるとし、右範囲を逸脱した者に対し不法行為責任が命じられた事例
新生児が退院後核黄疸症状を呈し、脳性マヒの後遺症を残したことについて、生後5日目に退院させた産婦人科医の債務不履行責任が認められた事例
1 原告ら患者のクロロキン網膜症につき、被告製薬会社の過失責任を認めた事例
2 被告製薬会社には、使用者に対し、クロロキン製剤の副作用の危険性を警告し、その回避方法などの副作用情報を伝達すべき注意義務があるのに、これを怠った過失があるとされた事例
3 いわゆる反射的利益論が排斥された事例
4 厚生大臣が、製薬会社に対し、副作用の調査・研究を促し、使用者への適切な副作用情報の提供・警告をなすよう指導・勧告すべき義務を負うこともあり得るが、同義務違反はなかったとされた事例
5 いわゆるインフレ算入論、制裁的慰謝料論が採用されなかった事例
1 普通地方公共団体が随意契約の制限に関する法令に違反して締結した契約の効力
2 普通地方公共団体が随意契約の制限に関する法令に違反して締結した契約の履行行為と地方自治法242条の2第1項1号に基づく差止請求の可否
法律上の減軽(未遂減軽)をしないで直ちに酌量減軽を行なうことは違法であるが、右違法は判決に影響を及ぼすことが明らかとはいえないとされた事例