個室付浴場業の開業を阻止することを主たる目的としてなされた県知事の児童福祉施設設置認可処分が行政権の著しい濫用であり、国家賠償法1条1項にいう公権力の違法な行使にあたるとして、県及び右認可に関する事務を県知事に機関委任した国に対する損害賠償請求が認容された事例
株式会社の取締役を退任した者が会社による右退任の登記がないのを故意過失により放置した場合、商法12条、14条の責任を負うものとされた事例
1 民事執行法152条2項により差押えが禁止された退職手当金であっても、地方公務員等共済組合法115条2項により弁済されたときは、破産法72条2号の否認の対象となる
2 地共法115条2項により共済組合員の給与支給機関が組合員に代わって退職手当金を組合に払い込む行為は、破産法上、組合員が自ら退職手当金を現実に受領して組合に支払った行為と同視できる行為にあたる
3 地共法115条2項は、破産法上、相殺類似の特別規定ではない
自称代理人が本人の実印、印鑑証明書、権利証、念書を持参してした不動産の売買契約について、民法110条の表見代理の成立が否定された事例
1 建築確認申請に先立って宅地開発等指導要綱に基づき市長との間になされた事前協議における開発協力金の納付を求めた行政指導が国賠法1条1項の「公権力の行使」に当たるとされた事例
2 右行政指導が地方財政法4条の5に違反する違法な行為であるとして国賠法1条1項に基づき市に対し損害賠償を命じた事例
分譲地内の特定の区画を医療施設用地として他の一般住宅用地より高価格で分譲した行為が不法行為に当らないとして、宅地造成分譲業者の責任を否定した事例
一般先取特権を有する債権者が債務名義に基づく強制執行により目的債権を差し押えた場合に、他に競合する差押債権者があるときには、配当要求の終期までに担保権を証する文書を提出して配当要求等の先取特権行使の申出をしなければ優先弁済を受けることができない
地方税法586条2項18号に該当するとして同法601条1項による特別土地保有税の納税義務の免除を受けるためには、家屋を新築する場合は同法586条4項に定める基準時に当該家屋が客観的に判定しうる程度に完成していなければならないとされた事例
キャバレーにおいて演奏する楽団の楽団員につき当該キャバレーを経営する会社が労働組合法7条にいう使用者に当たるとされた事例
森林組合が、その年間収入に占める村からの委託契約金額の割合が約25パーセント余である場合に、地方自治法142条の「主として同一の行為をする法人」に当たらないとした事例
自動車運転者が、制限速度内で、交通整理は行われていないが双方からの見とおし可能な交差点を直進しようとした際、一時停止の道路標識のある左方道路からの進行車両に自車を衝突させた事案について、信頼原則の適用が否定され、右運転者過失が認められた事例