精神衛生法33条所定のいわゆる同意入院の方式により精神病院の閉鎖病棟に入院させて身体を拘束するについてその手続に違法があったとして右精神病院の管理者たる医師および被拘束者の使用者たる医療法人の共同不法行為の成立を認めて慰藉料の支払いを命じた事例
筋肉注射により乳幼児が筋拘縮症に罹患したことにつき、注射剤を製造販売した製薬会社に対し、医師に対する警告義務怠ったとして損害賠償責任を肯定し、右注射剤の製造を承認した国に対しては、薬事法上の医薬品安全確保義務および医師法上の指示義務違背はないとして賠償貴任が否定された事例
羊水栓塞症による産婦のショック死事故につき、出産前の検査等の処置に不適切な点はなく、また、同症についての予見可能性がなく過失があったとすることもできないとして、請求が棄却された事例
1 租税法の分野における所得の性質の違い等を理由とする取扱いの区別と憲法14条1項適合性の判断
2 所得税法(昭和40年法律第33号による改正前のもの)9条1項5号と憲法14条1項
賃借建物を暴力団事務所に供したことが建物の使用目的に反し賃貸人との信頼関係を破壊したとして賃貸借契約解除による明渡請求が認容された事例
1 解除条件付売買契約に基づいて開始される占有と自主占有
2 解除条件付売買契約に基づいて開始される自主占有の条件成就による他主占有への変更の有無
4歳の男児が財産区が設置、管理するかんがい用溜池に転落して溺死した事故につき、右溜池の管理に瑕疵があるとして、財産区と市に損害賠償責任を認めた事例
確定判決の成立過程に不正ありとして提起された不正行為をなしたとする者に対する不法行為に基づく損害賠償請求の訴えは、同人につき刑事上の有罪判決が確定する等、その不正行為の事実が明白に認められる場合に限り認容することができる
特許出願の明細書の補正却下の決定に対する審判請求を排斥した審決の取消訴訟の係属中に特許出願の放棄がされた場合における訴えの利益の有無
手形所持人の裏書人に対する手形上の権利について十分な担保を有している場合であっても、振出人に対する手形上の権利を被保全権利とする振出人に対する仮差押えの必要性を欠くものではないとされた事例
不動産の取得時効完成後に当該不動産を取得した第三者が、背信的悪意者にあたるとして時効取得者の登記の欠缺を主張し得ないとされた事例
権利能力なき社団を当事者とする訴訟を代表者として提起・追行してきた者が、正当な手続によって代表者として選任されたものでなく、社団を代表する権限のない者によって提起・追行されたとして訴えを却下した事例
出願明細書上、化学構造式により特定された目的化合物の存在を客観的に同定し得る資料に十分でないところがあるとしても、それが引用例に開示された目的化合物と同一であるとするには、特許法29条2項に基づく容易推考の根拠とする以上、特許庁の主張・立証にまたねばならないとし、その立証がないことを理由に審決の判断に誤りがあるとして、これを取り消した事例