昭和28年に地積訂正・分筆によって表示登記された土地は、その当時羽田飛行場沖の公有水面であったとして、登記官が職権で右登記を抹消したことが違法とはいえないとされた事例
1 民法110条の表見代理の成否につき相手方が本人に代理権授与の有無を確認しなかったとしても過失があるとはいえないとして肯定した事例
2 公正証書上の執行認諾の意思表示と民法110条の適用の有無(消極)
音楽に関する著作権の管理団体である被告が、「我が国で使用されるほとんどすべての音楽について管理している」旨を全国の社交場営業者に対して表示していることが、事実に反することとはいえず、原告の個別的な音楽著作物の使用料徴収活動を妨害するものではないとして、損害賠償請求が斥けられた事例
土地の表示登記の当時、右土地が海面下にあって実在しなかった場合、右表示登記は無効であり、登記官は、職権により右表示登記の抹消登記をすることができるとした事例
1 食品製造販売業者が食品製造過程において有毒物質(PCB)を食品に混入させ販売した過失があるとされた事例
2 食品製造販売業者の代表取締役と民法715条2項の代理監督者責任
3 新しく開発生産した有毒物質(PCB)を食品製造販売業者に販売供給する食品製造関連業者の注意義務
4 右注意義務を怠った過失があるとされた事例
5 カネミ油症発生の原因と食品製造関連業者の責任
6 食品製造販売業者、その代表取締役及び食品製造関連業者の三者相互間の責任関係を損害の範囲を同じくする別個独立の不真正連帯債務とした事例
7 食品衛生法上の行政権限不行使が違法でないとされた事例
8 損害賠償額の年令別包括一律請求を排斥し、症状の重症度を中心とする個別的事情を参酌して慰謝料を算定した事例
連帯保証人が同時に物上保証人の資格を兼ねている場合、民法501条5号の適用については、頭数を単に1名として計算すべきである
いつわりの米国留学生の募集・勧誘を行って応募者から旅費・学費等を騙取した留学斡旋業者と代表者の損害賠償責任が認められた事例
1 国立大学教授の外国大使館員に対する科学技術情報提供について、大阪府警警察官の報道機関に対する捜査結果の公表行為及び新聞社の右公表に依拠した記事掲載行為がいずれも右教授の名誉を毀損するものであるとして、大阪府と右新聞社に対し、謝罪広告並びに慰藉料の支払を命じた事例
2 右の場合、大学教授の警察官に対する供述自体にも、誤解を招き易い点があったとして、慰藉料の3割を過失相殺により減額した事例
財団法人が理事会の決議により解散し清算事務を結了して主務官庁への届出を了したときは法人は消滅して当時者能力を失いその後に右財団法人を相手方として提起された理事会の解散決議無効確認の訴えが不適法として却下された事例
1 社団法人の役員選任決議無効確認の訴訟係属中右役員の任期満了による改選決議がなされてもなお右訴訟の訴えの利益は失われないとされた事例
2 定款に「会長は理事の互選による」との定めがある社団法人において総会の決議により会長を選任することの可否(否定)
仮差押された不動産を買い受けて所有権移転登記を経由した者は、その後右売買契約を解除して代金返還請求債権を取得したとしても、右不動産所有権喪失について登記を経由していない以上、右仮差押から移行した強制競売手続の配当に参加することができないとされた事例