法例30条により夫の本国法であるチリ共和国法の適用を排斥して法廷地法である日本民法を適用し日本人女からの離婚請求を認容した事例
私人が住居侵入の現行犯人を逮捕したのち、自己の非行事実 (判文参照)を警察官等に探知されるのをおそれるとともに、以前窃盗被害を弁償させるため、警察官に引渡さずに拘束を続けたことにつき、その正当性を否定したうえ、その際、右住居侵入罪の犯人が右拘束による恐怖等から室外脱出を企てて死亡した場合に、死亡と不法監禁との間に因果関係ありとして監禁致死罪が成立するとした事例
経営が破綻に瀕した子会社に対し親会社の取締役が融資を継続した場合において、たとえ子会社の再建が失敗に終り資産の回収が不能に帰したとしても、右取締役の行為が親会社の利益を図るために出たものであること、融資継続の当否につき内部的検討を尽したこと、融資の継続により子会社の再建が可能な客観的情況があったこと等判示認定の事実関係の下においては、当該取締役の融資継続行為は企業人としての合理的選択の範囲を外れたものではなく、親会社に対する忠実義務違反は成立しない
証券会社の外務員が顧客の委託保証金代用有価証券を横領した場合、代用証券の預託は消費寄託でないとして顧客の代替証券返還請求を認めず、証券会社の使用者責任を認めた事例
請負業者の下請工事の監督者が権限なしにした下請工事契約に基づいて生じた損害につき請負業者が民法715条1項に基づき賠償の責に任ずべきであるとされた事例
農地の最高価競買人が知事から、(1)提出された営農計画書に従って本件農地を耕作すること、(2)許可後3年間、6か月ごとに営農実績報告書を提出することの2条件を付して所有権移転の許可を得た場合、裁判所は右許可に重大かつ明白な瑕疵のない限り、これを尊重して競落を許すべきであるとした事例
土地の使用貸借を賃貸借に切換えるに当り従来の使用貸期間5年を賃貸期間に算入した賃貸借期問の定めが借地法2条、11条により無効とされた事例
商品取引会社の社員外務員が自己の担当する顧客の真実の氏名、住所等を会社に告知しなかったことが会社に対する債務不履行であるとして、これによって会社に与えた損害の賠償責任が認められた事例
1 地代の値上差額に対する借地法12条2項但書の利息の履行遅滞が借地契約の解除原因にならないと判断された事例
2 賃借権を時効により取得したと認められた事例
1 引渡命令を発しうる相手方として、抵当不動産の所有権者及びその一般承継人のほか、競売開始決定による差押の効力発生後にこれらの者から競売不動産の占有を特定承継した者も含めた事例
2 引渡命令の申立が競落代金支払後約5か月を経過してなされた場合、この申立てが付随的手続たる性格にもとるほど遅滞してなされたとは断じられないとした事例
1 いわゆる環境権は私人に対する差止講求の根拠となるか(消極)
2 環境影響評価の欠如のみをもって差止請求権が発生するか(消極)
3 火力発電所の建設差止を求める原告は諸々の外形的事実等から受忍限度を超える程度の被害発生をもたらすおそれがあると推認し得る事実の存在を立証するをもって足りる
4 火力発電所及びこれに伴うパイプラインの建設により環境基準を超える大気汚染、温排水被害、農業被害の発生のおそれが否定された事例
5 市と電力会社との間で締結された公害防止協定につき、住民の債権者代位権又は第三者のためにする契約に基づく差止請求が否定された事例