代表取締役が友人に会社の業務一切を任せたことに任務の懈怠があったとしても、右代表者の監視義務違反と会社の倒産ないし第三者の損害との間に相当因果関係を欠くとして、商法266条の3所定の代表取締役の責任が否定された事例
不動産の登記済証及び評価証明書、本人の実印及び印鑑証明書、本人の実印だけが押捺された農協組合所定の農協取引約定書、根抵当権設定契約証書及び登記手続のための委任状を持参した僣称代理人との間で締結された農協取引契約及び担保権設定契約につき、民法110条の表見代理の成立が否定された事例
未熟児網膜症医療過誤訴訟において、担当医師に診療の実施ないし転医の指示等に過失がないとして、原審の判断を覆えし、病院の責任を否定した事例
ポリエチレン製ゴルフネットの売買において買主が売主に対し品質上に多少問題がある旨の話をしたことが商法526条1項の「瑕疵あることの通知」としては不十分であるとされた事例
社交クラブを経営するX会社が、雇入れに際しその実兄Yを身元保証人にしているクラブホステスAの求めにより、雇入れ3日後にAに対し金120万円を貸与した。右借入れに際し、AはX会社代表者に対しYの実印、印鑑証明書及びY所有土地の権利証を示して、兄のYは資産もあり、右借入れにつき連帯保証人となることを承諾し、保証契約締結などにつき一切の権限を自己に与えている旨述べて前記権利証を差し入れたときは、特段の事情のない限り、X会社代表者がAに保証契約締結の代理権があると信じたことについて正当の理由があるというべきであり、本件においては、右特段の事情があるとは認められない
1 不法行為に基づく損害賠償請求と商法578条の適用(消極) 2 高価品の滅失につき運送人に不法行為責任を認めたが、高価品であることを明示しなかった荷送人にも過失があるとして4割の過失相殺をした事例
複数の給付義務を定めている和解調書について、請求の趣旨ではそのいずれを訴の対象とするか特定せずに提起された請求異議の訴につき、請求の原因等に基づきその対象を限定した事例
妻が夫の代理名義を冒用して金融業者から融資を受けた事案につき貸主が調査義務を怠ったことを理由に民法110条の適用を否定した事例
A・B両株式会社間で締結された「Aの所有するBの株式を、Bにおいてその取引先又は証券会社に買取らせる。」が紳士協定的なものでなく法的拘束力を伴う契約に当ると判定された事例
賃借権の無断譲渡による契約解除権についてした消滅時効の援用の主張が信義則に反し権利の濫用として許されないとされた事例
1 後遺言における前遺言と異なる遺言執行者指定の効力 2 自己に対する遺贈の無効確認を求める訴の法律上の利益(消極)