手形用紙の振出人らんに押印しただけのものが盗取された後に第三者によって手形要件が補充された場合と右押印をした者の振出責任の有無(消極)
同族会社の従業員である息子が、会社の営業車を酩酊した友人に運転させ、助手席に同乗中に負傷した事故につき、右息子は事故当時の具体的運行供用者で、自賠法3条の「他人」には該当しないとした事例
明確な給与関係規則と昇給制度のある大企業の従業員の死亡事故について、被害者が過去に昇給し、将来も昇給する可能性が高いと認められる場合には、諸手当、賞与および退職金の算定基礎となる基本給のみの定期昇給見込を逸失利益の算定にあたり考慮することは、控え目な算定方法として許されるとした事例
自動車運転者の業務上過失傷害事件に関し、起訴状記載の公訴事実以外に事実を付加認定するについて、訴因の変更を要しないとされた事例
(イ) 陰嚢水腫の手術の過誤につき、債務不履行責任を肯定したが、死亡した幼児の両親が解剖を拒んだことを慰藉料算定上の減額事由として考慮した事例 (ロ) 虫垂炎の疑いとの診断に基づき施行した開腹手術と医療過誤の成否(消極) (ハ) 舌ガンの治療処置として施行した舌半側切除の摘出手術が、患者の同意に基かない違法なものとして慰藉料請求が認められた事例)
指定速度50キロメートル毎時のところを95キロメートル毎時の速度で走行し、道路を横断中の歩行者に衝突して即死させた事故につき、速度違反が過失ではないとして無罪を言渡した事例
認定事実に対する適条が混乱している場合につき、それが理由不備に当らず、訴訟手続の法令違反であって、判決に影響を及ぼすことが明らかでないとされた事例
1 労働組合は規約に定めがあっても、使用者に対し組合員の雇用関係確認を求める適格も利益もないとした事例 2 公労法17条は合憲であると判断した事例 3 国鉄職員の争議行為中禁止されるものの範囲につき基準を示した事例 4 動力車乗務員の争議行為中禁止されるものの範囲につき具体的基準を示した事例 5 争議行為の共謀、あおり、そそのかしが禁止される範囲につき争議行為に通常随伴するか否かを問わないとした事例 6 10割休暇闘争が争議行為にあたるとされた事例 7 動労幹部が合理化事前協議制の獲得等のため全国4拠点で実施した4時間休暇闘争が公労法の禁止する争議行為であって、これを理由とする解雇が正当とされた事例
精神病者の祈祷治療に当った祈祷者の傷害致死事案につき、祈祷者が祈祷性精神病にかかっていたことを理由に、その責任能力が否定された事例
交差点での出会い頭の衝突事故につき、事故が両当事者のいずれの信号無視によるものか明らかでなく、加害車の運転者の過失の立証がないとして同人への請求および保有者への物損請求を棄却し、反面右運転者の無過失および被害者の有過失の立証もないとして保有者への人損請求を全額認容した事例