最高裁一小法廷昭44.5.22

旧都市計画法（大正８年法律第３６号）３条に基づき建設大臣が決定した都市計画において公園とされている市有地について民法１６２条による取得時効の成立が認められた事件

最高裁一小法廷昭44.5.22

道路交通法３６条２項、３項にいう「交通整理の行なわれていない交差点」にあたるとされた事例

大阪高裁昭44.5.23

１　民法７６０条の婚姻費用の分担義務と７５２条の扶養義務とは観念的には区別して考えられるが、ここに婚姻から生じる費用とは夫婦間における共同生活保持のための必要な費用をいうのであって、現実にこれを負担することが扶助義務の履行になるのであるから、両者の内容は終局において同一である。　２　夫婦間における扶助の内容は、原則として夫婦が互いに自己の生活を保持するのと同等程度において相手方の生活を保持することにあるが、この扶助義務は、夫婦間の協力義務と表裏一体の関係に立つものであるから、相手方において右の協力義務の履行に欠けるところがあるとすれば、その扶助としてなされる婚姻費用分担額の決定につきそれが参酌されるのは巳むを得ない。

東京高裁昭44.5.23

１　ユニオンショップ協定の新規採用者に及ぼす効力　２　新規採用者が全国的単一組合に加入した場合と同協定の効力

大阪地裁昭44.5.24

法人税法上債権の貸倒れ損失の損金算入が認められなかった事例

京都地裁昭44.5.24

殺人の起訴に対し傷害致死を認定し、その理由を詳細に説示している事例

大阪地裁昭44.5.26

刃渡り約１３．２センチメートルのあいくちで腹部を刺した事案につき、殺人未遂の起訴に対し、殺意を否定した事例

東京高裁昭44.5.26

適法な土地賃借権の譲受人が地上建物の所有権移転登記を経由する前に土地所有権が移転した場合とその後地上建物の所有権移転登記を経由したときの新地主に対する対抗力

東京地裁昭44.5.26

弁護士の資格がある会社の代表取締役の職務代行者と当該会社のための訴訟行為

東京地裁昭44.5.26

１　組合休暇の付与拒絶が支配介入と認められた事例　２　団交申入に対し苦情処理によるべしと返事したことが不当拒否と認められなかった事例　３　合意成立しても労働協約を締結する意思なくして「話合には応ずるが団交に応じない」と返事することが団交不当拒否と認められた事例

福岡地裁飯塚支部昭44.5.26

児童に対する強制わいせつ罪の量刑につき考慮した一事例

大阪高裁昭44.5.26

商法２６６条ノ３に基づく取締役の第三者に対する損害賠償債務の消滅時効期間

名古屋地裁昭44.5.26

除名無効の場合、ユニオンショップによる解雇は無効となるか

東京家裁昭44.5.27

遺産分割の審判時と相続開始時との間で分割の対象たる物件の価格に変動があって、審判時の価格をも考慮に入れなければ分割の結果に不均衡を生ずる場合は別として、右両時点における評価額に大差がない場合は、遺産分割の効力が相続開始の時にさかのぼるものと法定されていることに鑑み、相続開始時における物件の評価額をもって均衡の調整をはかるのが相当である

東京高裁昭44.5.27

課税処分に対する異議申立てを棄却した決定について取消訴訟を提起することができるか（消極）

東京地裁昭44.5.27

信託の終了と法定信託の存続の有無

広島高裁昭44.5.27

店舗前の自転車置場にキーをつけたまま駐車していた軽自動二輪車を他人が所有者に無断で運転中発生させた事故につき、所有者の運行供用者責任（消極）

最高裁三小法廷昭44.5.27

甲が乙の承諾のもとに乙名義で不動産を競落し丙が善意で乙からこれを譲り受けた場合に甲は丙に対して登記の欠缺を主張することが

最高裁三小法廷昭44.5.27

農地の二重売買において一方の買主が仮登記を経由し、さらに他に転売した場合と売主の他方の買主に対する履行不能の成否

東京家裁昭44.5.28

日本に居住し、中国本土に帰る気持も中共政府を支持する考えも持たず、また中華民国に渡る考えもなく、日本に帰化したいと希望する中国人については、本国法決定の基準となる国籍をいずれともきめかねるから、無国籍者に準じて処理すべきである